朗読:谷崎潤一郎「或る罪の動機」
殺人犯人の独白。
「この世の中に何一つとして本当のものはない。
真に欲しいと思う値打ちのあるものはない。
みんな虚無だ。みんな高の知れたものだ…
…そりゃあ私にしたって、美味いものを喰えば美味いと思います。綺麗な女を見れば綺麗だと思います。
だがその後から美味いのがなんだ、綺麗なのがなんだ、とすぐそう思うのです」
こういうモヤッとしたマインドがまず先にあって、
後からつじつま合わせの屁理屈で、各自なりに見えるカタチを作り出す。
谷崎だと「或る罪の動機」になり
太宰だと「トカトントン」になる。
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こないだ上映された洋画「SawX」つまり10作目となった人気のソウシリーズも、根っこあるのは同じマインドで、ただネガをポジにしてるだけで、屁理屈に変わりない。
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このモヤッとマインドは、最短コースでブッダにつながってるのだが、宝の持ち腐れで、みんなそっちだけには行こうとせず、昔も今も多分これからも、それ以外のあらゆる半端なことをして身を亡ぼしてる。
(My Favorite Songs)
ロック地獄