昨日、一昨日に地上波初公開され録画していた「今夜、ロマンス劇場で」を観ました。綾瀬はるかさんと坂口健太郎さん主演の映画で、日本映画が元気いっぱいだった時代、助監督を務める青年が、戦前に製作されたB級のモノクロ映画を劇場で一人で観ていたら、主人公であるお姫様美雪が劇場に現れ、2人に恋愛関係が芽生えてゆくというストーリー。しかし、美雪は化粧しないとモノクロのままで、しかも、人間に触れると消滅してしまう運命。
二人は、紐の端と端を手にしながら一緒に歩き、公衆電話のガラス越しに口づけを交わす。
この映画は、劇場公開当時、映画館に観に行きましたが、今観ると、「コロナ時代の男女の出会いの頃は、こんな風に付き合わなければならないのかも・・・」と考えさせられました。
確実なワクチンが開発されない限り、初対面の人間とはなかなか「濃厚接触」ができません。当面、合コンなし、婚活パーティなし、見合いも? といった感じです。となると、ただでさえ多い未婚率がさらに増加してゆくのでしょうか。
ちなみに、青年は年老いて病床に伏して、最後に、年をとらない美雪と触れ合いこの世を去り、美雪も消滅しますが、老後を演じた加藤剛さんは、公開から四か月後に逝去され、この作品が遺作となりました。名優のご冥福を祈ります。