名無しの教師の日誌

ある公立中学校教師の教育私論と日記です。

数学の教材に疑問

2017-09-13 20:01:33 | 日記(学校)
某社の数学の教科書の、別冊資料集のようなものがふと目にとまりました。

その1ページがこれです。





いやおかしいでしょこれ。

そもそも、このデータから、2点を取り、一次関数として見なすってところに無理があると思いませんか?

西暦をx年、タイムをy秒として、xとyの関係を表す式が示されていますが

これ、一次関数をちゃんと習得した生徒は、こう思いますよ。

「先生、それでは、そのうちタイムが負になりませんか?」

その通り。

ちなみに、私もギャグで計算してみましたが

この式が普遍的に成立するなら

人類は西暦2700年には時速346kmで走れるようになり

西暦2800年には、-0.21秒で100mを走れるようになるという訳のわからない事態が発生します。

感想のところにちらっと

「いつまでも記録が良くなり続けるとは思えない」って書いてあるけれども

そもそも前提が怪しいことをやらせて、こんな感想を持たせることに意味があるのでしょうか?

と、今日、数学の授業をのぞいて、私は感じました。



結局、強引に数学と実生活に関連性を持たせて、教科書を作ろうとした結果がこれなのでは無いでしょうか。

そもそも、数学って、抽象的なことを扱う学問だと思います。

数学の活用を学校でやらせたいのなら、むしろ物理をやらせた方が良い気がしますが……

最新の画像もっと見る