名無しの教師の日誌

ある公立中学校教師の教育私論と日記です。

ある生徒の部活の相談から見えたこと

2017-11-11 14:50:39 | 日記(学校)
女子生徒からこんな相談を受けました。

その生徒は1年生で、運動部です。

曰く、「顧問の教師がひいきをしているように感じられて、不愉快だ」とのこと。

私が「どうゆう発言または行動が、ひいきだと感じられるの?」と聞くと

「1年生の中でも、特定の子にはとても沢山アドバイスをするなど、口出しをする。
一方で、あまりアドバイスをしてもらえない子もいる。私は後者だ」
という。

私はこう答えました。

「スポーツだからね、あれこれ口出しをするのがその子にとってベストとは限らない。
成長が遅い子、早い子がいる。上達のスピードは人それぞれだ。
成長が遅い子にあれこれアドバイスをしまくるのは逆に毒である場合は多い。
それぞれの状況に合わせてるだけでは?」


そう言うと、その子は納得して帰って行きました。

その話を顧問の先生にしたら

「1年生と言っても、2年生に混じってレギュラー選手として戦っている子と、そうで無い子がいて、扱いが違うのは当たり前じゃん」

という返事とともに、適切な対応をしてくれてありがとうと礼を言われました。



ここまではいいんです。

しかし、自分で言っていて

「部活動では、実力別にやるのが当たり前なのに、授業ではそれができないのが当然なんだよなぁ」

と改めて驚きました。

特に、自分は理科です。

今の中学校理科は、科学立国を目指すだとか何だとかいって、科学的思考力をとても重視します。

科学的思考力は、文章読解力・数学力によって裏付けられるので

国語・数学が苦手な子、習得が遅れている子は必然的に理科でも落ちこぼれます。

今は、そうゆうカリキュラムだと私は理解しています。

実際、授業をしていると

「分数の計算ができない連中が、質量パーセント濃度の計算なんてできるわけ無いじゃん。でもそれを教えろって言うんだろ?」

と、心の中で悪態をついてしまいます。



確かな学力の定着のためには、今まで当たり前であった学級編成の方法や、学級ごとに授業を受けるというシステムを、根本から見直す時期が来ているのでは無いでしょうか。


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2 コメント

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「風わたる丘」 (やま)
2017-11-13 11:12:51
私は元中学校長です。おっしゃることはよくわかります。学校内のことってなかなか一般の人には理解されませんね。私も「風わたる丘」というブログに現役校長のときから、いろいろ書きましたがさっぱり反応はありませんでした。退職して6年たち、物議を醸し出しそうなものは消しました。

とは言え、何も言わなかったらなにも変わらないのでがんばって情報発信をしてください。
「古都旅歩き」という自前のサイトに、自作の小説を集めています。こちらのほうもよろしく。
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Unknown (名無しの教師)
2017-11-14 21:34:49
コメントありがとうございます。
校長先生にまでなられた方に励ましの言葉をいただき、光栄です。

社会は変わり、教育に求められるものは変わってきました。
それにあわせて、法律の理念や指導要領は変更されてきたように思います。
しかし一方で、学校のハードウェアや、40人学級に1担任という基本的なシステムは、昔ながらのまま。
そろそろ見直すべき時が来ているのでは、と私は思います。
今後とも応援していただけるとうれしいです。
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