「地球幼稚園」
昔々あるところに地球幼稚園がありました。
地球幼稚園は絶えず学級崩壊状態で喧嘩が耐えませんでした。
それはこっちのモノだ、いや、こっちのモノだ、お前むかつくから死んじゃえ、お前の神は間違ってる死ね、いやこっちの神が正しいんだ死ね、お前の考えは間違ってる死ね、そっちの考えこそ間違ってる死ね、、、
と絶えず争いが絶えませんでした。バカばかりでした。
それでも何とか少しは仲良しになれないものかと様々な約束事を作ったりしましたが、どうしても力の強い狡猾な暴れん坊の都合の良いように約束は曲げられたり破られたりしてしまうのでした。
そこで園児たちは外交と言う取り引きで、これをやるから、あれよこせ、こうしてやるから、ああしてくれ、と無い知恵を振り絞って、何とか自分を守ろうとしました。
外交とはとても恐ろしい取り引きで、我が身を守りつつも何かの利益を得るために何かを差し出しなるべく少ない損をする、ほんのちょっとの失敗で集団リンチにあったり殺されたりする遣り取りでした。
殺し合いのような取り引きでした。
園児たちの中に一人だけ常識外れで風変わりな日本ちゃんという幼児がおりました。
全ての園児が大小、強弱、何らかの武器を持ち、構え合っている中で、日本ちゃんだけが何も武器を持たずにニコニコ笑ってぼんやりほんわかしておりました。
無謀にも、日本ちゃんは武器を構えずに、一丁前のような顔をしてお金を儲けてバラまいていました。
他の全ての園児が武器を相手の顔面に突きつけたまま外交と言う取り引きを命懸けでしていたにも関わらず、日本ちゃんはのほほんとお金で取り引きをしていました。
日本ちゃんはちょっとオツムが足りないので自分が一流の人間だと傲慢たれておりました。
手先は器用でしたが、恐ろしい殺し合いのような外交で何の武器も構えずに、それなりの取り引きができてお金持ちになれたのは、園児たちの中でも最も兇暴で強力な武器をたくさん持っている最強園児のアメリカちゃんの子分になっていたからでした。
他の園児はアメリカちゃんが恐くて、しばらく子分の日本ちゃんとは本気の殺し合いの外交を控えていました。
しかし、隣の支那ちゃんが着々とお金を儲け、強力な武器を増やしていきました。
かつて、アメリカちゃんに匹敵するくらいの強い武器をいっぱい持って兇暴で強かったロシアちゃんも、復活してきました。
その頃、アメリカちゃんは弱い園児を殺したり、半殺しにしたりしてるうちに、ちょっと疲れて弱くなってきてしまい、かつてのように他の園児全員に強力な武器を突きつけて恫喝し、強引に言う事をきかせる事がなかなか難しくなってきてしまいました。
日本ちゃんの隣の支那ちゃんが怖くなってきました。いくら強力な武器を突きつけて外交してもアメリカちゃんの言う事をなかなか聞いてくれません。
それでも日本ちゃんは、のほほんと何も武器を持たずゲタゲタ笑ってぼんやりほんわり呑気にお金の事ばかり考えておりました。
ある日、隣の支那ちゃんが強力な武器を背景に日本ちゃんを恫喝して、お前の持ちものをよこせと言ってきました。
アメリカちゃんは、ただでさえ弱くなっていましたし、他の園児たちとの殺し合いが続いていましたので、子分の日本ちゃんの揉め事になかなかかまっていられません。それどころか、今、支那ちゃんと喧嘩になったら負けちゃうかもしれません。
そんな状況の中で、日本ちゃんは丸腰で支那ちゃんと丸腰のまんまで、のほほん外交を始めてしまいました。
支那ちゃんは日本ちゃんの眉間に54式拳銃をつきつけ、足元を支那製アサルトライフルで威嚇射撃しながら背中に核兵器を背負って、ごく普通の外交取り引きをしてきました。
日本ちゃんはニコニコしてましたが、ビックリしてしまいました。
そして、支那ちゃんは、ボケきった日本ちゃんの持ちものをあっさり奪っていきました。
日本ちゃんは、それでもボケきっていて、友愛だの友好だのという妄言を吐きながら仲のよいお友だちになって下さいと丸腰で外交を続け、ますますお金を儲けさせてくれるので、支那ちゃんは嘲けり、大笑いが止まらず、さらなる強力な武器を作り大金持ちになり、アメリカちゃんより強くなりました。
日本ちゃんは外交というものはお互いの眉間に銃を突き付け合ってやるものだという事がまだ分かりません。
しばらくして、再び支那ちゃんが準備万端整えて、ロシアちゃんと一緒にやってきて、こう言いました。
“お前の上半身はロシアちゃんのモノだ。お前の下半身はオレのモノだ。もともとオレたちのモノなんだよ。返してもらおうか。”
それでも日本ちゃんはニコニコして、丸腰で外交しようとしましたが、今度は身体中に核兵器・プラズマ兵器等の最強の武器を2人に突きつけられ、やっと本当にヤバイと気づき、卑屈な笑顔を浮かべたまんま、相変わらず丸腰で、“お金なら全てやるから勘弁してくれぇぇ~”と泣き出しました。
支那ちゃんとロシアちゃんは、ゲラゲラ笑いながら、日本ちゃんの身体を真っ二つにして、上半身をロシアちゃんが、下半身を支那ちゃんが、たらふく一片も残さずに食べてしまいました。
そして、支那ちゃんとロシアちゃんはますます図体のでかい強力な暴れん坊になり、大金持になりました。
アメリカちゃんは、さっさと逃げていきました。でも、やっかいな子分がいなくなり、少しホッとしました。
そうして、地球幼稚園の園児たちの中から、日本ちゃんがいなくなりました。
それから、しばらくの間、地球幼稚園の園児たちの間で変な噂が広がりました。
真夜中の地球幼稚園に薄気味悪い幽霊が出る、というものでした。
その幽霊は武器も金も何も持っておらず、素っ裸の上半身と、素っ裸の下半身がバラバラになって浮いていて、青白い顔で、
“金~金~平和~友好~アメリカちゃ~ん~金~萌え~ビジネスチャ~ンス~観光ビジネス~支那人の皆様ようこそ日本へ~いらっしゃいませ~どんどん、お金を落としてってぇ~マニフェストは小さい政府~地域主権~民主主義~専守防衛~北方領土を返せ~尖閣諸島を返せ~竹島を返せ~うらめしやぁ~・・・”
と何やら訳の分からない事をつぶやきながら、口をパクパクさせて彷徨い続けているそうでした。
しかし、すぐにその薄気味悪い幽霊の噂も消え、日本ちゃんがいた事もすっかり忘れ去られました。
でも、何の役にも立たないので誰も読まない教科書には「バカの見本」として日本ちゃんの下品満面な笑顔の写真が最後の方に載っていました。
その後も相変わらず地球幼稚園は喧嘩が絶えず、学級崩壊状態で、核兵器・等を突きつけあった殺し合い外交合戦が、園児全員が死ぬまで延々と続きましたとさ。
おしまい。
This novel was written by kipple
(これは小説なり。フィクションなり。妄想なり。)