元祖・東京きっぷる堂 (gooブログ版)

あっしは、kippleってぇケチな野郎っす! 基本、自作小説と、Twitterまとめ投稿っす!

死刑宣告

2019-10-31 13:12:19 | 夢洪水(散文・詩・等)

電信柱の長い影 あなたの影と合わさって
僕の身体に落ちて来る ミルク色した暑い午後

あなたは重い重いとしゃがみ込む

陽炎の中を 車がとおる
遠くに遠くに 海のキラメキが見える

蒼い空に蒼い海に あなたの青いスカート

あなたは冷たい冷たいと 僕の目を見る

蝉の影が 電信柱の影にとまる

僕も重くて あなたの隣にしゃがみ込む

悲しみの合計は 死刑の宣告なのよ

しっかりと抱く しっかりと抱く

タンポポの種が飛んでくる
陽炎の中を ゆらゆらと

あなたは耳を塞ぐ 笑う 笑う
笑う
僕もバカらしくなる 耳を塞ぎ笑う



死体旗

2019-10-30 15:06:58 | 夢洪水(散文・詩・等)

竹竿の天辺で死体が ひらひら揺れている
死にかけてる僕が それをニヤニヤ眺めてる

穏やかなに 光る
やさしく やさしく 世界は包む

枯れ草の様に死体ひゅんひゅん飛んで行く
静かに死ぬ僕が それをウトウト眺めてる

柔らかい空気に 飛んでく死体
抱きしめて 抱きしめて と午後がうめく


ああ、気持ち良い ああ、のどかだね

路地裏の片隅で あの娘がぼんやり光ってる
青ざめてく僕が 鼻歌まじりに手を振るよ

ひっそりとした情景に 動かない街
そっとして そっとしてと 僕がつぶやく

だって僕が死んじゃえば景色も壊れ たくさんの死体たちも地面に落ちて
あの娘が一人で光るだけ

それじゃ あんまり悲しいから悲しいから
せめて夜が降りてくるまで

何もかもそっとして そっとしておいてよ



丘(主題歌)

2019-10-27 14:20:54 | 夢洪水(散文・詩・等)

丘、丘、ぴっころぴひゃらかぴひゃらかぽん!
丘、丘、ぴっひょろぴひゃらかひひゃからぽん!

丘に、「ちゃん」つけ、おかぁちゃん
夕焼け空は死んでるねぇ、黒いトンボはえました

ひゃらひゃらひゃらぁひゃらひゃらひゃら、

ひゃらひゃらぁひゃらひゃらひゃらひゃら、ひゃぁらひゃら

身体を透かして街の色
「おか」をひっくり返して 「かお」なのよ

顔は人の原点さ カラスが飛んでる田舎道
私の心にをつけて!

ぼわっと、ひゃらひゃら、すっぽれん

地獄に生きる一人っ子!

足もとドロリ溶けてって 歩く道はロウソクよ

そうさ、ここは一丁目!

丘、丘、丘、丘、丘、丘、ぴっころぴひゃらかぴひゃらかぽん!

丘、丘、丘、丘、丘、丘、ぴっひょろぴひゃらかひひゃからぽん!


学校

2019-10-25 13:01:58 | 夢洪水(散文・詩・等)

屋上に上って
鉄の梯子とコンクリートの壁に支えられて

足元を 憎しみの風が 持ち上げる

鉄の梯子を 一歩 一歩
鉄の梯子を 一歩 一歩

雲がゆっくりと流れ 車がゆっくりと流れ

白い紙切れが ゆっくりと飛んでく
白い紙切れには 優しさ の文字がクッキリ刻んである

校舎の中の ポカンと空いた校庭
黄土色の砂埃の屑 黄土色の砂埃の層が

その中で遊ぶ生徒たち その中で遊ぶ生徒たち

全てが 全てが 化石になっちまってる

風も吹いちゃいない

鉄の梯子を 一歩づつ
鉄の梯子を 一歩 一歩

巨大なビーカーの底に溜まった薄汚れた気体

その中へ身を投じる その中へ身を投げる

ひらひらと ゆっくり 落ちてゆく


砂埃の層に 1つのちっちゃな 穴が開く


屋上は静かだ  風の音・・・



街の果て

2019-10-24 12:57:00 | 夢洪水(散文・詩・等)

街の中では色の火が燃える
街はセピア色した偽装スクリーン
街にはヨードチンキが 必要だ
街には、青銅色の人間が、ふきこぼれる
孤独色に擬態した 人間たちが

街は 燃えている

夜空に赤く うつった街の火
早く ヨードチンキを塗れ

人間たちは俯いて
虚無を感染す端末を見続ける

破滅より美しいものって、あるのかしら

白黒の人間たちの 行進は
悪の温床のSNSに向かって ぞろぞろ

空気は たくさんの人間に すいこまれ
悲しみと化合して ため息になる
ため息で作った 風船を少女は 離す

空で はじけて 街に再び降ってくる
となって 降ってくる
雨は人々の家の屋根を たたく

人々は 又 街に出る
人々は 滅びる街に気づかない

燃えてる街に 気づかない
は どんどん 燃えていく

は 堕落した文明に対して
発火性を 持つのだ




ランナー

2019-10-23 16:30:31 | 夢洪水(散文・詩・等)

彼女のアパートは駅から二十分くらいの
淋しい森のそば

彼女の部屋は殆んどが窓で
そこからは蒼い空
絵のように見えるんだ


彼女の目は透き通った灰色
しかしとっても暖ったか味があるんだ

彼女の声は僕を参らせる
でも君にとっては、二千円ぐらいの価値かもね


彼女の汗は僕の肌にくっつくと
僕の心の奥にまで届くんだ

彼女の幸せは待つことなんだ
一日に何百本も煙草を吸って待つ事なんだ


彼女の望みは死ぬ事なんだ
一生の間、ずっと死が来るのを待ってるんだ

彼女の望みは死ぬ事なんだ
一生の間、ずっと死が来るのを待ってるんだ


僕は 想者


僕のマンション

2019-10-21 13:05:31 | 夢洪水(散文・詩・等)

僕のマンション 見に来てね 誰もいないから

僕のマンションには空気もあるし血もあるし鳥の羽も恐竜の足跡もチューリップの溜め息もヒマワリの咳もガラスの悲鳴もスケート場の溶けたざわめきもサーカスの凍てついた笑いも燃えてる海も窓から見える

僕のマンション 見に来てね 誰もいないけど

僕のマンションには空気もあるし血もあるし鳥の羽も恐竜の足跡もチューリップの溜め息もヒマワリの咳もガラスの悲鳴もスケート場の溶けたざわめきもサーカスの凍てついた笑いも海が燃えてゆく海が燃えてゆく

割れたガラスから覗き見えるのは 誰もいないマンションの打ち捨てられたの痕

僕のマンション 見に来てね~ 僕もいないし




工業地帯(ティッピング・ポイント後)

2019-10-20 16:13:04 | 夢洪水(散文・詩・等)

がついた が消えた
接触の悪い人間め
見よ 大空を
汚れたフイルムを 突き破って
二本の足が 垂れ下がっている

赤茶色した この道の 両側では
プクプクと 
気泡が リンネルの糸に
はじけ飛んで 糸を溶かしてる

肌を作っているリンネルの糸を

赤い空には たくさんの黒い
人間の形をしたプラスティックの板が浮んでいる

俺は白い紙に をつけた
海が燃えてゆく

海が燃えて になる

 


骨抜き(ドゥーム)

2019-10-07 12:50:13 | 夢洪水(散文・詩・等)

世界は今!終わりかけている!
こんな世の中 滅んじまえ!

僕は ゆっくりと フェイドアウトしてゆく
人々は 俯き パタパタと 通りを歩き
鳥は 翼をたたみ 音をたてずに
空に 満ちている

昔 墓場の中で聴いた鐘の音が
今 蘇える

目の前には ビッシリと並んだ 活字
視界は どんどん 活字に潰され
スポットライトを 浴びて
一つの文字が どんどん拡大されて

僕に 迫って くる

 という 文字 が
や っ  て   く    る