両親が営む飲食業の実家に時々帰ると
よく店の前に真っ赤なワゴン車が駐まっていました。最近、よく来るお客様だとか。父が、感じのいい青年で気が合うんだぁ〜と嬉しそうに話してました。友達も沢山いるようで、仲間を連れて何度も利用してくれていました。
そのうち父から紹介され、話をする機会が増えました。
ちょっと強引なところがある父でしたので家族とお客様を何人か交えての旅行を企画して行く事に。父が旅行を企画したのも私とお気に入りのお客様を引き合わせる為のきっかけ作りだったようで、それから私もその方を意識するようになり、相手の方も私に対して嫌な気持ちはなかったようで、その後は父の思い通り、お付き合いをすることになりました。
それから3年が経ち、私の方が3つ年上という事もあり、同じ年代のうちに籍を入れようと気を遣ってくれて29歳の時に結婚しました。
しかし幸せな嬉しいだけの年ではありませんでした。
この年、父は体調が思わしくなく、結納の時も辛そうでした。その身体を振り絞って、得意な歌を今までにない程の感情で披露してくれて、涙が止まりませんでした。
それから2ヶ月後、持病が悪化し入院。
意識が戻らず昏睡状態が1ヶ月経過したのち亡くなりました。
私が主人と結婚するまでを見届けるように。
安心してくれたのでしょうか?
父からの最後の贈り物でした。
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