東アジア 學生フォーラム-日韓/韓日

新しい風,海を渡る EAST ASIA STUDENT FORUM; KOREA-JAPAN

日韓フォーラム学生レポート/09 FORUM REPORT -JAPANESE STUDENT-1

2010-02-08 12:59:23 | ● 報告 REPORTS; 2009 forum, Tokyo
違いは冷静に認めて心開いてつきあった
山下 知穂
中央大学 法学部法律学科

1.はじめに
 今回のフォーラムに参加したきっかけは、メディアや周囲から受ける韓国人の姿に対し、どこかで有していた違和感を少しでも解消したいと思ったからである。その違和感を抱えつつ、韓国にある日本学校を訪問したり、日本を訪れた韓国人学生と交流したりしてみたが、その違和感はなかなか解消しなかった。実際に韓国の学生と直接触れ合い、彼らが日本、そして私たち日本人に対してどういった感情をもっているのか、知りたいと思った。

2.フォーラムにて
 当日、私は「歴史」をテーマとする分科会に参加したが、まず驚いたのは韓国学生の発言の積極性だった。それはあたかも私たち日本人に対する興味を体現しているかのようで、素直に嬉しかった。それに呼応するように日本の学生もまた、率直な意見を重ねていたように思う。
発言の中に、「個人と個人の関係なら」、「この場のような互いに心を開いて話し合える場があれば」、問題はすぐ解決するという声があった。私たちは日々、メディアや教育、そして周囲の人々といった様々なファクターに影響されている。しかし、個々人が直接相手を知りたいという気持ちを持ち続けることで、少しずつ変わるのではないか、そんな希望が見えた気がした。
 しかし、フォーラムはそこで終わらなかった。「メディアなどのせいにしてはいけない。」「希望論で終わってはいけない。私たちが、今できることを考えるべきだ。」との意見が出たのだ。そこで出てきた提案は、「友人たちに積極的に理解を促す」、「フォーラムの数を増やすよう働きかける」というように、確かに私たち学生の微力さを表すものだったかもしれない。しかし、もちろん私も含めて一人ひとりが自分に何ができるのかを真剣に考え、またそれを意識できたことは、大きな意義があると思う。何より、私はその言葉に込められた力強さに、その場にいる一人ひとりが真剣に日韓の友好関係を望んでいるという事実に、感動した。

3.自由行動にて
 フォーラムの翌日から帰国までの3日間にとられた自由行動の時間は、最も楽しく、そして有意義なものだった。韓国の学生とじかに触れ合えた貴重な時間でもあり、脚色なしに、本当に楽しい時間だった。というのも、当たり前なのだが彼らは私のよく知る同年代の日本人学生と何も変わらず、むしろ優しく、常にこちらに対する気遣いを感じることができたからだ。会話を通じてこのように多くの共通点を見いだせた一方で、教育を受けた歴史知識に関しての違い、日韓関係の問題における認識の違いを感じることもできた。それでもそれが私たちの友人関係に何ら影響を与えなかったのは、互いの信頼のもと、冷静に違いを受け止められたからだと思う。

4.終わりに
 今回、貴重な場を通して、韓国の学生が予想以上に冷静な反応を示していた事に驚いた。同時に、韓国の学生を大好きになっている自分に驚いた。心を開くことの大切さを改めて気付かせてもらった気がする。国家間の関係、納得できない当事者の声を無視することはできないが、少なくとも私はこの交流で意識が変わった。私たちは私たちでできる事を探したいと思う。





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