それでいいのか？100年に1度の採決！

「新発見があれば、新しい定義を作るのが当然だ。今日決めた惑星の定義も（次の新発見で変更が必要になり）長く続かないことに期待する」。冥王星を惑星から除外する決定を下した国際天文学連合（ＩＡＵ）総会。惑星の定義委員会の委員を務めたリチャード・ビンツェル博士（米国）は終了後の会見でこう語り、天文学がより進歩することに期待を寄せた。

　ＩＡＵの全体会議は２４日午後２時（日本時間同日午後９時）から、チェコのプラハ市で始まった。惑星の定義案採決を前に、十数人の科学者が質問に立った。怒号が飛び交った２２日と違い、冷静な質疑応答が続いた。
　そして午後３時半過ぎに採決。冥王星を惑星に残し、惑星数を増やす案は、拍子抜けするほどあっさりと否決された。拍手も、ため息もなかった。参加者全員が「１００年に一度」という決定の重さに押しつぶされているようだった。
　ＩＡＵのエッカース会長は会見で「天文学だけでなく、歴史や社会、教育など多分野に配慮する必要があった」と、定義作りの難しさを述べた。
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　◇新定義でどうなる？
　国際天文学連合（ＩＡＵ）が決めた惑星の定義について、国立天文台の資料を基にＱ＆Ａをまとめた。

Ｑ　新しい定義による惑星は何個になる？

Ａ　水星、金星、地球、火星、木星、土星、天王星、海王星の８個。

Ｑ　冥王星はどうなる？

Ａ　太陽系の一員であるのは変わらないが、惑星には含めないことになり、新しく「ドワーフ・プラネット（矮＜わい＞惑星＝仮訳）」と呼ばれる。正式な日本語訳は今後、日本天文学会と日本惑星科学会が決める。

Ｑ　原案で惑星に格上げされることになっていた「セレス」や「２００３ＵＢ３１３」は？

Ａ　冥王星と同じ矮惑星に含められる。

Ｑ　小惑星はどうなる？

Ａ　小惑星やすい星などは総称として「スモール・ソーラー・システム・ボディーズ（太陽系小天体＝仮訳）」と呼ばれることになった。

Ｑ　惑星が８個より増える可能性はある？

Ａ　惑星になるような大きな天体なら、現在の観測技術で見つかっているはずで、可能性は低い。

Ｑ　新定義は他の恒星の惑星にも適用される？

Ａ　今回の定義は私たちの太陽系に限られる。

しばらくは冥王星の話題は尽きないと思うが、今後の教育などの関連は急務を要すると思う。若い世代は、きちっとした把握を必要とされるでしょう。
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