「世界の大聖堂⑰」ブラジル「リオデジャネイロ大聖堂」 ~写真と短歌で綴る世界文化紀行
世界には美しい大聖堂がいくつも点在しており、キリスト教徒が祈りを捧げる場としてだけでなく、観光を目的に訪れても楽しむことができます。実は、世界遺産として知られるスペインのサグラダファミリアも大聖堂の1つなんです。私たち日本人にはあまり馴染みのない存在かもしれませんが、海外では中東の一部地域を除くほとんどの国で見られます。
ヨーロッパを中心にキリスト教を信仰する国々に点在する大聖堂。世界78億人の人口のうち、全体に占めるキリスト教徒の割合は3割弱とされています。つまり、世界の約3人に1人はキリスト教徒なのです。一般的に大聖堂とは、カトリック教会では司教座が置かれている教会を指します。ロシア正教やギリシャ正教では、司教座の有無に関わらず、由緒ある教会を大聖堂とみなし、司教座制度を持たない宗派であっても、大聖堂と呼ばれるものもあります。世界各地には美しい教会が数多くありますが、大聖堂は高い格式を有する一際異なる存在です。
ブラジル「リオデジャネイロ大聖堂」
「教会の枠を超えたデザインは 発想豊かなステンドグラス」
カテドラル・メトロポリターナは、ブラジル第2の都市・リオデジャネイロの旧市街に位置しています。正式名称は「リオデジャネイロ大聖堂」ですが、地元では「カテドラル・メトロポリターナ」と呼ぶのが一般的なのだとか。ブラジル国内には、同様の愛称で親しまれる大聖堂がいくつかあるため少し紛らわしい気もしますが、少なくともリオデジャネイロには1ヶ所しか存在しないそうです。円錐台の外観は、一見するとスポーツ施設などと勘違いしてしまいそうなユニークな造りをしています。それもそのはず、この大聖堂が建造されたのは意外と最近である1976年なのです。モダニズム様式をふんだんに取り入れた斬新な建築は、宗教的建造物に対する既存の価値観を良い意味で取り払う存在です。その証拠に、この大聖堂は創建から45年経った今でも世界中から訪れる多くの人々を魅力し続けています。
写真では伝わりにくいのですが、この建物の高さは約80m(ビルで例えるなら23階)もあるそうです。こんなに大きな建物を宗教的な目的で使用するだなんて、かなり大胆な発想だと思いませんか?内部はご覧のように吹き抜けになっており、四方の壁面に巨大なステンドグラスが施されています。礼拝堂の真ん中に立って天井を見上げてみると、全身が柔らかい光に包まれることでしょう。モダン建築ならではのスタイリッシュな見た目とは裏腹に、不思議な居心地の良さを感じる空間は必見です。
参照
https://dokodemodoors.com/column/cathedral
https://tabichannel.com/article/1191/cathedral