楕円と円 By I.SATO

人生も自転車も下りが最高!
気の向くままに日常と趣味の自転車旅を綴ります。

コメ騒動は警鐘

2025年02月06日 | 日記
去年の10月頃だったか、新米の出回り始める頃、JAの農作業支援プロジェクトでKさんのところで大根洗浄をしていた時のこと。
コメは作っていないKさんが「コメを確保しておいた方がいいよ」と話してくれたことがあった。

幸い、春先に田植えの手伝いに行っているTさんから妻と1年で食べる量として1俵をJA価格で購入することが出来ていたのでその意味は聞かなかった。


報道によると最近のコメ価格の高止まりの要因に、生産は平年並みなのに出回り量が少ないことがあるという。
猛暑の影響で品質が低下していることと流通業者や投機筋の〝買いだめ〟があるらしい。JA系統外の流れも入っているようだ。
国の減反政策により生産量と消費量のバランスがタイトになっているので影響は直ぐに出やすい。

Kさんが話していたのはこのことだったのだ。
現場では集荷の時期に既に動きがあったということだが、昔の農水省担当者はコメに限らず生産者から生情報を直接得るルートを持っていて、彼らだったらもう少し機敏に反応したかもしれない。


もう20年くらい前になるが道でコメを担当していたことがあった。
国が農家から生産費を賄える価格で買って消費者に安く提供するという「食糧管理法」の時代から市場取引に移行する変革期だった。

この〝逆ザヤ〟などのコメ政策予算が数兆円に上り、世間の風当たりも強く、財政改革で食管法は廃止されて市場取引制度が導入された。

考えてみると〝逆ザヤ〟は欧米の農業政策では標準となっている「農家所得補償方式」と理屈は同じである。ザックリ言うと市場価格と生産費の差額を税金で負担するという仕組みだ。
国民の農業、食料生産に対する理解と支持が無いと出来ないことだ。


民主党政権時代にそれまでのコメ、麦などのモノ別に出来上がっていた複雑な農業政策に横串を通すような仕組みでスタートしたが自民党政権に戻ってすぐに廃止された。時間をかけて手直しすれば良いものに出来上がっていたかもしれない。


かつての〝逆ザヤ〟は政治色の強いものであり、減反と備蓄も合わせると数兆円規模の国費が投入されていたので国民から猛烈批判されたが、今、再度、日本の農業政策を食糧安全保障の観点から構築し直す好機ではないかと思う。
「不足分は輸入で」という時代ではなくなっている。


水田から畑になった農地をコメ作りに戻すには用排水路と畔の再整備、担い手の確保など口で言うほど簡単ではないが、生産、所得、備蓄、輸出の課題に国は腰を据えて取り組まなければ食の世界でも格差が益々拡大するだろう。

このところ自給率は37パーセントでずっと変わっていない。
家畜の餌の配合飼料の原料は殆ど海外に依存しているので実際は10パーセント程度とも言われている。
このまま放置すると〝餓えの国〟にならないとも限らない。

昨年改正された「食料・農業・農村基本計画」はこれらの事柄に応えられているのだろうか。
〝コメ騒動〟が「喉元過ぎれば・・・」になってはならないだろう。



立憲は予定調和〝熟議〟国会に加担してはいないか

2025年02月05日 | 日記
連日トランプが世界を引っ搔き回すニュースにウンザリだが、この国の国会が静かなのはどうしたものか。
少数与党を嘆きつつ、自民党は一部野党と裏取引し、国会は予定調和〝熟議〟のセレモニー会場と化してはいないか。
緊張感の無い石破首相とのコンニャク問答を聞いていてそう思う。


政治資金規正法違反(虚偽記載)で有罪判決を受けた元安倍派の事務局会計責任者である松本淳一郎氏の衆院予算委員会への参考人招致は象徴的だ。

立憲の安住予算委員長は、委員会が野党優勢であることから職権で採決に踏み切り、招致が決定されたが、松本氏に応じる気配は無い。
分かりきっていたことで、野党主導の予算委員会をアピールする空しいセレモニーに見えた。

石破首相は、「民間人であること」、「検察の捜査が終わっていること」を理由に慎重姿勢(=招致しない)だが、松本氏は、自身の裁判で「ある幹部から(キックバックを)続けることになったと告げられた」と証言した。松本被告は自民党安倍派の幹部協議に同席して一部終始を聞いているのである。

これまでの国会の政倫審での幹部協議出席者の弁明は「キックバックがどのように再開されたか分からない。」というものであり、明らかに食い違いがある。
参考人ではなく強制力のある「証人喚問」が必要なくらいの核心の「新たな事実」である。


ところがである。
何故か立憲は「証人喚問」に踏み込まない。開くと裏金事件の古くからの経緯を知っているとみられる森・元首相に話が及び、災いが我が身に及ぶのを避けようとしているのなら同じ穴の狢ではないか。

立憲は国会が始まる前は疑惑解明に威勢が良かったが、結局は裏金事件の「いつから」「誰が」「何のため」が分からないままズルズルと2025予算の国会審議に応じている。

国会対策を長らくやってきた安住予算委員長は〝落としどころ〟を探ぐる性癖が浸み込んでいるようで、103万円の壁しかり、高校教育無償化しかり、同じような〝予定調和〟国会がこの後も続くだろう。

〝政治とカネ〟の問題で立憲は臨時国会で企業・団体献金禁止法案について3月末までに結論を得ることで自民党と合意している。
本当に政権交代を目指しているのなら、この先国会を止めるくらいの迫力を持って臨んで欲しいものだ。



今日は立春

2025年02月03日 | 日記

2025.2.3  6:45

今朝、庭のハナミズキの枝が霜を吹いたように白くなっていた。
当地の最低気温は今冬初めての二ケタのマイナス11℃だった。
暫く寒い日が続きそうだ。

昨日2月2日は節分で今日2月3日は立春。
節分と立春の決まり方には一定のルールがあることを今頃になって知った。
ボーッと生きてるんじゃないよ!!

2021年から2057年までの「節分」は、西暦年を4で割って余りが1の場合は2月2日、それ以外は2月3日になるとか。
立春は節分の翌日になる。4で割るのはうるう年の調整か。

※2025年の節分は「2025年÷4=506余り0.25」なので2月2日、立春は翌日の2月3日になる。


明治時代に太陽暦が導入されるまで使っていた旧暦は月の周期で1年を決めていたが季節が少しずつズレてしまうので、太陽の動きを考慮して「二十四節気」という区分が作られ、その中で春の訪れを告げる「立春」は「新年」、節分は「大晦日」の扱いになった。 

二十四節季は農作業と密接に関連していて、「立春」は、寒い冬を乗り越え、これから作物を育てるシーズンが始まるという節目であった。
そう思うとハナミズキのガンバリと命の息吹を感じる。


ユーリー・シモノフ/モスクワ・フィルハーモニー交響楽団 



道のパーティ券購入問題

2025年02月02日 | 日記
自民党議員の裏金事件が明かになっている最中にまだこんなことが行われていたのかと30年前の不正経理事件の渦中にいたOBとして驚き、残念に思う。

私費の親睦団体である道の本庁各部の部課長会が政治家のパーティー券を購入していたことが北海道新聞で何度か報道されている。
道によると2024年度に少なくとも22枚購入していたという。


不正経理の背景には、役所には接待費のような予算は無く、当時、出始めた携帯パソコンのような高価な備品の購入予算も少ないこと等があった。
そのため、旅費予算を架空の出張(カラ出張)により現金化して手当てしていたが、これが〝官官接待〟として毎朝のように新聞、テレビで報道され、社会の指弾を浴びた。

全庁を挙げて調査し、管理職は数年に亘って返還すべき不正経理額として30億円くらいを毎月の給料から返済した。


当時、再発防止のための文書がいくつか出た。
1996年2月の〝改善プログラム〟ではパーティ券の購入は一切禁止したはずだし、会議の後の懇親の場の参加についても、領収書はもとより、参加費の上限、集まりの態様などについて事細かく定められ、出欠の判断に迷うものは新たに設置された担当部署へ適否を照会し、事後報告も義務付けされていた。
かなり神経質になって対応していた記憶がある。

報道によると、鈴木知事は〝改善プログラム〟は「不正経理の改善に向けて取り組むための方針」との認識を示し、1995年12月と2020年10月に発出した通達が「内規」であり、ここには部課長会のパーティ券購入に関する規定は無いので内規違反ではないとの見解から「全庁調査は考えていない」という。


しかし、無理があるのではないか。
役所は通常、政策など何かを行う時にはまず関係法令に照らし、基本的な内容が実施要綱により定められ、具体的には実施要領、さらに補足するものとして事務連絡が発出され、これらを一体的に運用して取り進められる。

今回のケースを当てはめると1995年の文書が「内規」としても、その具体的な運用は翌1996年に発出された〝改善プログラム〟であると考えるのが普通であり、実際、この問題についても現場はそのように動いていた。

そして何より公務員は全体の奉仕者であり、公平公正でなければならないという基本からも例え私費で運営する部課長会でも特定の政治家のパーティへ券を購入するのは適切さを欠いている。


「内規」なのか「方針」なのかは全庁調査が必要かどうかの拠り所ではない。
「止めよう」と決めた事を「再びやっていた」のである。
鈴木知事は早くこの問題を終わらせようとするのではなく、不祥事の再発防止のためにも全庁調査を行って道民に経緯を説明し、職員には意識の再徹底を図って欲しいものだ。

映画『カムイのうた』

2025年01月31日 | 日記
 
 



明治から大正を生き、19歳でよう逝したアイヌ女性の知里幸恵(1903-1922)は文字を持たないアイヌ民族に伝わる〝ユーカラ〟などの口承文学を文字化し、『アイヌ神謡集』として世に出した。


〝写真の町〟の東川町が2024年に知里幸恵の生涯を映画化し、東川町と包括連携協定を結ぶ近くの文教大学が無料の上映会を開催したので観て来た。
大講堂が満席の500人が集まった。

才能を見抜き、著作を勧めたのは言語学者の金田一京介だったことは知っていたが、アイヌであることに悩み、やがて誇りを持つに至った心の軌跡が描かれた素晴らしい映画だった。

道内の映画館での上映は終了したようで、こうした自主上映会でもっと多くの人に観ていただきたい作品だと思う。


アイヌ民族が「カムイミンタラ」(神々の遊ぶ庭 )と呼ぶ大雪山連邦の雄大な景色と動物たちが美しい。

アイヌ民族が差別と迫害を受け、文化を否定され、過酷な漁場労働に強制就労させられた歴史が冬の海の荒波に象徴されている。


セリフの少ない抑制された演技と丁寧な映像が差別と迫害の無い共生社会の大切さを心から訴えかけている。

『アイヌ神謡集』を読んだことが無いので注文した。



「イフンケ」とは「子守歌」
唄;安東ウメ子
トンコリ演奏;Oki


 


灯台下暗し

2025年01月30日 | 日記
先日、goo blogが「DDoS攻撃」というサーバー攻撃により暫くアクセス出来なったが、復旧してからと思うが「dアカウントでログイン」が頻繁に求められるようになった。

blog記事作成をちょっと中断して再び開こうとすると、直ぐに「dアカウントでログイン」の画面が出てくる。
そして、間もなく「ログイン通知メール」が届く。
とても煩わしい。


何んとかならないものかと調べたら、goo blogのログインをdアカウントと連携させていたことが分かったが解除方法が見つからない。
そこで「dアカウントでログイン」」を要求する画面をよく見たら「別のアカウントでログイン」のバナーがあった。

試してみた。「gooID」を選択し、PWを入力すると2段階認証の「パスコードを登録のスマホあて送った」とのメッセージ。
しかし、何度やりなおしても届かない。
受信箱を調べまくってみると、Cloudメールの「ゴミ箱」に数通が溜まっていた。普通は新着メールを捜すのに「ゴミ箱」まで開かない。


斯くして「gooID」でログイン出来た。
併せて「ログイン状態を保持する」に設定すると、煩わしかった「dアカウントでログイン」の画面が表示されずにスムーズにblog記事作成が再開出来た。

この数日あれこれネット検索して対応方法を試みたが、解決法は煩わしかった「dアカウントでログイン」の画面の中にあった。
〝灯台下暗し〟だった。



指揮者秋山和慶さんが亡くなられた

2025年01月29日 | 日記




国内外のオーケストラの音楽監督などを務められ、音楽界の発展に多大な貢献をされてきた秋山和慶さんが26日に肺炎で亡くなられた。享年84歳。

元旦に東京の自宅で転倒して頸椎に重症を負い、治療に専念するため23日に音楽活動からの引退を表明していた。
まさかのあっという間の出来事だ。


息子の音大時代の恩師であり、九州交響楽団に入団後は何度か指揮に来られていた。
音大の鉄道サークルでは〝部長さん〟としてもお世話になっていたようだった。
お会いしたことは無いが、とても親近感を覚える方だった。

地方の音楽文化の発展に力を注ぎ、誠実なお人柄そのままの端正な演奏をもう聴けないのは悲しく残念なことだ。


12月31日にミューザ川崎シンフォニーホールで東京交響楽団のジルベスターコンサートを指揮していてその翌日、元旦の事故。
本当に人の運命は人智を越えているとつくづく思う。

ご冥福をお祈り申し上げます





日の出が早くなったと感じる

2025年01月27日 | 日記

2025.1.26 6:52

今日の日の出は6:53。
昨日は6:52。1日1分ずつは早くなっているのかな?





年が明けてから殆ど雪が降っていない。
日本海側、道北の皆さんには申し訳ない。
この時期、灯油タンクの支柱の半分以上は雪に埋まっている。


1月27日はモーツァルトがザルツブルグで生まれた日。
今年は生誕270年になる。


「クラリネット協奏曲」第2楽章 

クラリネット;フランクリン・コーエン(クリーヴランド管弦楽団首席奏者)
クリストフ・フォン・ドホナーニ/クリーブランド管弦楽団







スケジュールF

2025年01月25日 | 日記
アメリカでは大統領が変わると連邦政府においても政治的に任命された職員や高位の職員が交代する。
その対象がこれまで4,000人くらいだったものがトランプ大統領になって中級クラスの職員にまで拡大されて5万人くらいになるという。

〝スケジュールF〟と呼ばれる人事分類によるもので、第1次トランプ政権で導入され、バイデン大統領は撤廃したが今回あの大量のトランプ大統領令の中で息を吹き返した。


この職にある政府職員は通常の人事保護規定が適用されず、公務員に適用される解雇手続きや保護規定を受けることなく、解雇される可能性があるという。

命令に異議を唱えたり、情報漏洩の疑いがかけられたりすると、トランプが気に入らない職員であれば簡単に首を切られる。
既に1,000人以上がリストアップされているというから職員、家族は戦々恐々だろう。恐怖政治の始まりだ。

行政機関の効率を高めることが目的とされているが、トランプ周辺が露骨に行政機関に介入したり、人事に偏りが生じるのは間違いない。
既にその兆候が出ている。

日本でも似たようなものとして安倍政権で設置された「内閣人事局」が700人くらいの中央省庁の幹部人事を一元的に行うようになり、官僚の政権に対する〝忖度〟が様々な疑惑を引き起こした。
それにしてもアメリカの5万人はまさしくケタ違いだ。


第2次トランプ政権は、前回の大統領選では攻撃対象だった白人IT長者を周りに従え、連邦政府を壮大なイエスマン組織に変えようとしている。
しかし、自らの利益しか考えない長者同士の仲たがいと活力を失った行政組織の衰弱が起きるのは明らかであり、前回選挙の白人支持層の反発も重なって、いずれ行き詰まるだろう。

既に、イーロン・マスクが率いる「政府効率化省(DOGE)」が当初、外部の諮問機関として設置される構想であったものが大統領令であっさり政府内組織になったことから、考え方の違いで法律顧問が辞任し、マスク氏と共にDOGEのトップを務める予定だった人物がマスク氏との軋轢で退任している。

安倍、菅と続いた対米隷従政治を続け、偽物臭いスローガンを掲げるだけの石破政権に任せておいて大丈夫なのだろうか。




丸干しイワシのほろ苦さ

2025年01月24日 | 日記
朝食でイワシの丸干しを食べるようにしている。魚焼きレンジで炙って頭から丸ごと2〜3本を食べる。
ほろ苦さがなんとも言えず旨い。

青魚には、脳の健康をサポートするDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)といったオメガ脂肪成分が豊富に含まれているそうだ。
〝時すでに遅し〟か・・・。ささやかな抵抗だ。


近くのスーパーで消費期限間近かの2割引のシールが貼られたものがあると、妻の持っている買い物かごに勝手に入れる。

3本目刺しを2段重ねしたものが税抜きでかつては100円くらいだった。
福島原発の処理水放出で銚子沖の物が一時、60〜70円くらいになった。
それが125円になって暫く続いたが、近年、145円くらいになって、昨年あたりから158円になっていた。


昨日、何と一気に100円上がって258円になっていた。
見間違えかと確認した。
一度に6割、100円もの値上がりは今まで無かったことだ。

品不足、人件費高、ガソリン高、円安が続いているが、農業、漁業の一次産業や小規模・零細事業者は価格転嫁が難しいという。
ここにきて一気に調整を図っているようにも見える。


野菜に限らずスーパーでは毎日毎日価格が上がっている。
物価を追いかけて賃金と金利を上げるプロセスはやはり間違いだ。
価格転嫁の出来ない業態がたくさんあって経済が成り立っていることを考えると購買力が上がって物価が上がるのが順序だ。

一方で価格バブルで1億円を超える都心のマンションを現金で買う中国人がいるという。
購買力の無い日本から日本が海外に売られている。

イワシの丸干しのほろ苦さが広がる。