1 年を通して数十万もの多彩な祭りが行われている日本です。京都の山に炎の文字が浮かび上がる「京都五山送り火」や、東北を代表する大迫力の「青森ねぶた祭」には、日本全国のみならず海外からも観光客が押し寄せます。埼玉の「秩父夜祭」や岐阜の「高山祭」は、豪華絢爛な屋台が見どころです。一糸乱れぬ踊りを楽しむなら、「東京高円寺阿波おどり」や「沖縄全島エイサーまつり」をぜひ見に行きましょう。勇敢でスピード感あふれる「岸和田だんじり祭」や「博多祇園山笠」は大興奮間違いなしです。横浜の「酉の市」で露店巡りを楽しんだり、「長崎ランタンフェスティバル」で幻想的な雰囲気に浸ったりと、日本各地で開催される魅力溢れる四季折々のお祭りをこれから毎週ご紹介します
埼玉県「秩父夜祭」12月2、3日
「逢い引きの許しを賜う夜祭り 妙見様はかくも盛大に」
秩父夜祭は、12月2日と3日に開催される、秩父神社に祀られている神々に敬意を表す祭りである。祭りの期間中、神社の近くを6基の山車が曳き回される。山車の中で屋台ばやし、引き踊り、歌舞伎が演じられるが、そのとき山車はその場に停まっている。6基の山車があり、そのうちの2基は、「花の日傘」(笠鉾)で、笠に差し込まれた鉾は依代とされ、提灯で覆われている。そして4基の屋台は、屋台囃子を乗せている。祭りは現在の形で300年以上続いており、日本の「三大山車祭」(日本三大曳山祭)の一つとみなされている。
言い伝えによると、妙見様(女神とされる)と武甲山様は互いに相思相愛だが、諏訪神社の神は龍神の正妻である。毎年12月2日に、妙見様は聖なる森から諏訪神社へ出向き、龍神である恋人の武甲山様と一夜の逢い引きの許しを請うと言われている。昔からの慣わしで、本町からの山車が神幸路の途中にあるこの小さな神社を通過する際、お囃子を止める。そして見物人は二人の逢瀬の邪魔にならないよう、小声で話す。事が全て順調に運べば、妙見様と武甲山の神は、秩父市役所近くの秩父公園に祀られている亀の子石(亀の石像)で再会する。
今では夜祭のシンボルとなった6基の山車は、17世紀半ばまたは18世紀初頭に始められたが、違法とされていた時期が数年間あった。江戸時代後半に、庶民の風紀を乱すとみなされたことから、幕府は山車の巡行や屋台歌舞伎といった夜の文化を厳しく制限したのである。1827年以降、宗教的な祭りは完全に禁止された。秩父の6地区は政府の制限措置に抵抗し、禁止令が解除されるまでの50年間、ある年には3つの地区で、別の年には他の3つの地区で例年祭を開催し続けた。今日では、祭りの期間中に曳き回される6つの山車がこれらの6つの町を代表している。山車は、伝統的な日本の木材建具技術を使用して作られており、釘が一本も使われていない。
参照
https://maturi.info/page-270
http://www.chichibuji.gr.jp/yomaturi2023/
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