「世界の大聖堂⑮」イタリア「オルヴィエート大聖堂」 ~写真と短歌で綴る世界文化紀行
世界には美しい大聖堂がいくつも点在しており、キリスト教徒が祈りを捧げる場としてだけでなく、観光を目的に訪れても楽しむことができます。実は、世界遺産として知られるスペインのサグラダファミリアも大聖堂の1つなんです。私たち日本人にはあまり馴染みのない存在かもしれませんが、海外では中東の一部地域を除くほとんどの国で見られます。
ヨーロッパを中心にキリスト教を信仰する国々に点在する大聖堂。世界78億人の人口のうち、全体に占めるキリスト教徒の割合は3割弱とされています。つまり、世界の約3人に1人はキリスト教徒なのです。一般的に大聖堂とは、カトリック教会では司教座が置かれている教会を指します。ロシア正教やギリシャ正教では、司教座の有無に関わらず、由緒ある教会を大聖堂とみなし、司教座制度を持たない宗派であっても、大聖堂と呼ばれるものもあります。世界各地には美しい教会が数多くありますが、大聖堂は高い格式を有する一際異なる存在です。
イタリア「オルヴィエート大聖堂」
「内部には目を奪われるフレスコ画 優しさ溢れるキリストの愛」
オルヴィエート大聖堂は、ローマの北西約100kmにあるオルヴィエートという町の旧市街に位置しています。ローマ中央駅から電車を利用して約1時間程で行けるので、日帰りで訪れるのにおすすめな観光地です。この建物は、ミラノとフィレンツェのドゥオーモに並ぶ「ゴシック建築の最高峰」として親しまれています。1290年にロマネスク様式の教会として建設が始められたのち、14世紀中頃にはゴシック様式で完成されたという興味深い歴史を有することで知られています。歴史を振り返ってみると面白く感じますが、どうやらヨーロッパの大聖堂ではよくあることなのだそうです。注目すべきは、聖堂の正面に施された美しいモザイクと細やかな彫刻が施されたファサード。建物がまるごと美術館に保存されているかのような素晴らしい外観に思わず足を止めてしまいます。聖堂内はご覧のような造りをしており、あまりの開放感に少し寂しさを覚えるほどです。よく見ると、柱や壁面には聖堂の外観と同じ縞模様があしらわれています。主な見どころは、聖堂奥にある礼拝堂のフレスコ画です。左右には、ルカ・シニョレリやフラ・アンジェリコなどイタリアの有名画家が描いた作品が掲げられています。
参照
https://dokodemodoors.com/column/cathedral
https://tabichannel.com/article/1191/cathedral