これは↑昨年12月の《作品展》年中組の合同制作「井草版・若冲 野菜涅槃図」の蕪(カブ)の絵を拡大したところです。すべての線の周囲が白抜きした様に白くふち取りされているのがお分かりでしょうか。
園児のお母様で画家の方がさすがにこれに気づき、「どうやって書いたのですか?」と展示当日に尋ねられました。
これこそ、伊藤若冲が多用した「筋目書き」という手法です。
実は、制作する過程でこの手法は全く意図していませんでした。園に長く置いてあった書道用の和紙をたまたま使ってみたところ、これが偶然再現され、指導の宮野先生も驚かれました。
「筋目書き」はどの和紙や半紙でも出来るわけではなく、特定のものに限られます。
実演してみましょう(宮野先生の解説による)。
薄墨を筆でこの紙に、このように↓書いてみると、純粋な水が先に紙に浸透して(にじんでいき)、墨の部分(墨を膠で固めたもの)が遅れてにじんでいきます。薄墨の周囲ににじんだ水の枠ができているのが見えますか?
次にこれが乾かないうちに、次の線を最初の線に少し重ねて書いてみます。すると、最初の水でにじんだ部分には次の線の墨は浸透せず、その部分が白くふち取りされたように見えます。
同様に次々と重ね書きを繰り返しても、先に書いた線の水のにじみを次の線の墨がよけていきます。
これが「筋目書き」です。
《上の記事へつづく》
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