○こんな時ですからね、 ×ウン
○ジャータカ物語から、ひとつお話しをご紹介いたしましょうね。
×「ジャータカ」…オ釈迦様ノ前世譚(ぜんせいたん)ネ
○あれ、ケンちゃん、前世譚なんてよく知ってましたね。(※「本生譚ほんしょうたん」ともいいます)
×教養ガアルカラネ
○いつから?
×昨日カラ
○ジャータカとは、お釈迦様が仏陀としてこの世に爪痕を残したその前世、そのまた前世…と釈迦に生まれ変わる前の姿を物語にしたもので、紀元前に成立しています。そのお話しの一部は、アラビアンナイトや、イソップ物語、日本の今昔物語にまで流れているんですよ。
×へー、オドリータ!
○その中から、「こわがりやのうさぎ」というお話しです。
×ケンチャン、ソレ幼稚園ノ、パネルシアターデ見タ。 ○そうです、よく覚えてましたね、井草のお友達なら知っている人、多いかもしれません。
×ハイハイ
○昔、ある暑い夏の日のこと、ヤシの木がおいしげる浜辺で一匹のうさぎが休んでいました。
×スルト? ○ドシーンと大きな音がして、地面が揺れました。
×タイヘンダー、地面ガ割レル、世界ノ終ワリダー、助ケテー!!
○うさぎは一目散に走りはじめました。
×ホカノ ウサギタチハ? ○ほかのうさぎたちもその叫び声を聞くと、草むらから飛び出してきてピョンピョン続いて逃げていきました。
うさぎの群れを走って行くのを見た鹿がね、
×「ソンナニアワテテ ドコニイクノ?」
○…と聞くと、うさぎたちは「大変なんだ、地面が割れる、世界が壊れるぞ、早く逃げろ!!」と怒鳴ります。それを聞いた鹿もあとに続いて逃げ出しました。
×ナニガナンダカワカラナイママ?
○そう、こうして何が何だかわからないまま、サルが、牛が、サイが、馬が、虎が、ゾウまで…
×ドンドン、ドンドンアトニツヅイテイキマシタ。「タスケテ~ 世界ノ終ワリダ~!」
○行列はとても長くなり、ひどい騒ぎになりました。その様子を高台から見ていた、一頭のライオンが…
×「イッタイゼンタイ ドウシタトイウノダ?」
○と尋ねました。「世界の終わりだ、地面が割れる」とゾウが答えました。
「どうしてそれが分かる?」とライオンが聞くと、ゾウは「虎が言ってたんだよ」
×ソコデライオンハ、トラニ、「ドウシテカネ」トキクト…
○「馬が言ったんだよ」と虎は言いました。馬は、「僕じゃないよ、サイだよ」。サイは「僕じゃないよ牛だよ」。
× 牛ハ 「チガウヨ、猿ガ言ッタンダヨ」ト言イマシタ。
○「違うよ、あのうさぎだよ」とサルが言うので、ライオンはうさぎに、「お前は地面が割れるのを本当に見たのか」と尋ねました。「浜辺で休んでいたらものすごい音がしたんです。世界が壊れはじめたんです」
×「オイオイ、落チ着ケ、落チ着ケ、デハソノ音ヲ確カメニ行コウ」
○と、ライオンは、みんなを引き連れて浜辺へ行ってみるとねー
ちょうど、ヤシの木から大きな実が…
×ドシーン
○と大きな音を立てて落ちてきました。
×ナーンダ
○ちゃんと何が起きたのか確かめないで、あわてるからそういうことになるんだよ、うさぎだけじゃない、みんなもだ、とライオンは言いました。
×ソノ ライオンサンガ、オ釈迦サマノ前世ノ オ姿ナノネ
○そうですね。落ち着いて状況をまずよく見極めないまま軽はずみなことをするとトンでもない結果になるんですね
×ワカッター
○そう言えばね、ケンちゃん ×ナアニ
○昨日の晩、井草の森の奥でヨーダに会いましたよ
×ウソッ スターウオーズノ?
○そうそう ×ハナシ ツクッテナイ? デマハダメ。ウソハダメー ウソハダメー
○でもそれは夢でした。
×ハヤク言ッテヨ
○ヨーダの教えはね、
×ウン
○勇気と正義感にあふれる人ほど、恐れや怒りにかられて暗黒面に堕ちていく危険を口をすっぱくして説いていましたね。本当に恐ろしい敵は、自分の中にある、と。
×オ釈迦サマモ オナジコトヲ イワレテマシタ。
○そうですね。それじゃ、今夜はこの辺で、
×マタネ~
参考☆『こわがりやのうさぎ』仏教パネルシアター ジャータカと民話 脚本・古宇田亮順(すずき出版)
☆『ジャータカものがたり あわてんぼううさぎ』文・中川素子(小学館)
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