小説を検索しやすくするためインデックスを作りました
インデックス 茶倉譲二ルート…茶倉譲二の小説の検索用インデックス。
インデックス ハルルートの譲二…ハルくんルートの茶倉譲二の小説の検索のためのインデックス。
手書きイラスト インデックス…自分で描いた乙女ゲームキャラのイラスト記事
他にも順次インデックスを作ってます。インデックスで探してみてね。
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頼れるみんなの兄貴として、ヒロインと幼なじみたちとの恋愛模様を応援しつつ、自分の気持ちには蓋をして、ちょっと落ち込んでみたり…。
そんなちょっと情けないけどラブリーな譲二さんを王道のいっちゃんルートでウオッチングしてみようと思う。
自分のルートのヒロインにも自分から告白できない譲二さん。
そんな譲二さんが他人のルートのヒロインに気持ちを打ち明けられるわけも無く…。
☆☆☆☆☆
譲二さんの愚痴(一護本編11話)
クロフネに久しぶりに百花ちゃんが来た。一護と映画を観に行って来たそうだ。
既にハルとタケも来ている。
サトウ洋菓子店には先日から一護の兄の桃護くんが帰って来ていて、一護と家族の間がギクシャクしているらしいんだよね、ハルによると…。
そこへリュウが来た。
竜蔵「お、百花もいるのか。お前、まだ一護ん家にいるのか?」
百花「うん」
竜蔵「いつになったら、ここの2階は直るんだ? ジョージ」
譲二「あ、そのことで百花ちゃんに伝えようと思ってたことがあったんだ」
百花「なんですか?」
譲二「昨日、床の基礎工事はもう終わったから、あとは仕上げだけだから、あと一周間くらいで直るんじゃないかな」
剛史「お、それじゃ百花もクロフネに戻れるじゃん」
春樹「寂しいんじゃないか? 一護」
一護「別に…。まあ、できれば桃護の方を預ってほしいけどな」
心なしか百花ちゃんの顔色が陰っている。
譲二「案外、百花ちゃんの方が寂しかったりして?」
百花「え…」
うわー。やっぱり図星? 百花ちゃんはつぶやいた。
百花「一護くんの家にいたいな」
一護 「百花…」
オジサン、ショックかも。恐る恐る聞いてみる。
譲二「それじゃあ、ずっと一護の家にいることにする?」
百花「い、いいえ! そういうわけにはいきませんよ! それじゃあ月末くらいには戻れる予定ですか?」
譲二「うん、そうだね。今度は補強工事もしてもらったから安心して」
ひとまず、クロフネに戻って来てくれるみたいで、よかったー。
このままだと、「まかせてください」と良子さんに言ったのに俺の立つ瀬がないもんな。
竜蔵「あ、そうだ。こんな話にきたんじゃねーや。お前ら、これ見ろよ」
一護「なに?」
リュウが『商店街納涼バザー』のチラシをテーブルに置く。
竜蔵「今度、町内会でそれやることに決まったからよ。お前らも何か出せ」
春樹「へえ、バザーか。面白そうだね」
剛史「なんかって言ってもな・・・古いオモチャ持ち寄るとか?」
俺からも提案してみる。
譲二「それよりもさ、ウチを使ってオープンカフェをやらない?」
春樹「オープンカフェか・・・うん、俺は賛成」
一護「店、貸してくれるのか? マスター」
譲二「ウチの宣伝にもなるからね。それに、君達がウェイターやってくれるなら繁盛しそうだし」
改装工事の借金の穴埋めもできそうだ。
剛史「ま、他にやるものも思い浮かばねーから、そうするか」
竜蔵「準備はジョージがやってくれるんだろ?」
やっぱり、そうきたか…。でも、俺が考えつくことじゃ、目新しいことはできそうにないからな。
譲二「うーん、まあ、コーヒーはウチで用意するけど、皆もなんか持ってきてよ」
春樹「じゃあ俺はハーブティーの作り方、母さんから聞いてくるよ」
剛史「俺は、漫画をいっぱい持ってくるか・・・」
竜蔵「それだと、漫画喫茶になるだろ!」
百花ちゃんがいいアイデアを出してくれた。
百花「ね、一護くんのケーキをカフェで出すっていうのはどう?」
譲二「お、それいいねー」
確かに、一護のケーキなら飛ぶように売れそうだ。
春樹「一護のケーキが人気なのは、この間の調理実習で実証済みだしな」
一護「おいおい、勝手に決めんなよ…」
百花「でも、カフェにケーキは必須だよ? せっかくなら商店街の皆に一護くんのケーキの美味しさ知ってもらおうよ」
竜蔵「おう! 百花の言う通りだ。ケーキくらい出さなきゃ格好もつかねぇ。一護! お前ケーキ屋の息子なんだから、ケーキくらい焼いてこい!」
一護「ったく、面倒くせーなぁ…」
口ではそう言いながらも一護はまんざらでもなさそうだ。
兄の桃護くんがみんなからチヤホヤされてて、それがふてくされる理由なんだから、一護が自信をもつきっかけになるといいな。
俺もできのいい兄貴がいるから一護の気持ちはよくわかるんだよな。
百花ちゃんも帰って来ることになったし、はりきってオープンカフェの準備に取り組もう。
特別捜査密着24時の『妄想飛行~冗談は脳内だけにしろ~』で野村さんが言っていたこと
>>「9つも歳が違うと同じ学校に通うなんてことないしさ、妄想が膨らむよね」
>>「もう少し年齢が近かったら、こんなこともあったかな~っていう俺のロマンじゃーん」
みたいに譲二さんも妄想してたかな…と思ったらこんなお話が浮かびました。
『妄想飛行~譲二の場合』今回はその続編です。
なお、妄想の中の『マスター』は先代マスターです。
☆☆☆☆☆
【☆妄想中☆】
俺は茶倉譲二、高校二年生。
昨日、幼なじみの百花ちゃんが俺の住むクロフネの二階に引っ越して来た。
隣の部屋にあの百花ちゃんが眠っているかと思うと、緊張してなかなか眠れなかったけど、気がついたら朝になってた。
(もう6時か…。そうだ。百花ちゃんが起きて来る前に急いで顔を洗って来よう。)
鏡をみると髪の毛が寝癖で立っている。
水をつけて必死で直していると声をかけられた。
百花「おはよう」
譲二「あ、おはよう」
わざと何気ないフリをする。
譲二「あのさ、学校の行き方とか、わかってる?」
百花「一応、昨日ここに来る前に学校の前は通って来たけど…、ちょっと自信ないかな」
譲二「それじゃ、今日は一緒に学校に行こうよ」
百花「え?いいの?」
譲二「もちろん。10年ぶりだから、吉祥寺の町も色々変わってるし…。案内するよ」
百花「わあ、嬉しい」
☆☆☆☆☆
昼休み、リュウが俺の所にやってきた。
竜蔵「おい、ジョージ。いくぞ」
譲二「いくって、どこへ?」
竜蔵「一年の教室だ。早く来い」
リュウに引っ張られるように一年の廊下を歩く。
百花ちゃんの声が聞こえて思わず教室を覗き込んだ。
うわ、よりによってハルや一護、タケのクラスじゃないか…。
と、リュウはその教室に平気で入って行く。俺も仕方なく付いて行った。
竜蔵「おい、おまえら。百花をいじめたら俺が承知しないからな」
クラス中に響く声で言いながら教室を見回すと、その場はシンと静まった。
俺は小声でリュウに言った。
譲二「リュウ、何言ってんだよ。みんなびびってるじゃないか」
俺までそういうヤバいヤツだと思われるじゃないか。
それに百花ちゃんが一番恥ずかしそうだ…。
春樹「リュウ兄、このクラスにはそんなヤツはいないと思うよ」
一護「ていうか、ジョージまで何ついて来てんだよ」
譲二「え? 俺? リュウに引っ張られて来ただけで…」
剛史「佐々木がどうしてるか気になってついて来たんだろ」
一護「そっちかよ」
百花「リュウ兄。気持ちはありがたいけど…。私、別にいじめられてないから…」
竜蔵「おお、それならいいんだけどよ。おめえ、昔っから泣き虫だからな…。何かあったら直ぐ俺にいえよ」
百花「…うん」
春樹「いや、同じクラスに俺たちがいるんだし…」
リュウはハルたち3人に色々と責められていた。
百花ちゃんがちらちらと俺の方を見ている。
小声でそっと囁いた。
譲二「リュウの暴走をとめられなくてごめんね。あんなことを言い出すとは思わなくて…」
百花「ううん」
もっと色々話したかったが、予鈴がなって急いで教室に戻った。
☆☆☆☆☆
一年生の下駄箱の前で何となく待っていると百花ちゃんが出て来た。
百花「あ、譲二くん…。もしかして待ってくれてたの?」
譲二「いや、俺も今帰ろうと思って来たところだから…」
百花「そうなんだ」
譲二「あっ、でもせっかくだから一緒に帰ろうか?」
百花「うん」
二人で並んで歩きながら…、話題が思いつかない。
譲二「昼休みはごめんね…。リュウがあんなことするとは思わなくて…」
百花「ちょっとびっくりしたけど…」
言いながら百花ちゃんが少し笑った。
百花「でも、リュウ兄らしいよね。」
譲二「リュウは仲間たちを守らなきゃって思ってるからね。時々行き過ぎるけど…」
百花「昔と変わってないね。すぐ脱線してしまうリュウ兄をいつも譲二くんやハルくんが止めてたっけ」
譲二「俺は同級生だから、学校でもいつもリュウの手綱をもってなきゃならないからね」
俺は苦笑いを漏らした。
百花「譲二くんらしいね」
俺を見上げる百花ちゃんの顔があまりにも可愛らしくて…。
☆☆☆☆☆
理人「マスター、マスター。起きてよ」
譲二「…あ、りっちゃん、いらっしゃい…」
理人「マスター、よだれがついてるよ」
譲二「え? ほんと?」
理人「ハハ、うそうそ。でも、気持ち良さそうに寝てて、僕が起こしてもなかなか起きなかったよ」
譲二「ああ、ごめん…。うわぁ、もうこんな時間だ」
りっちゃんが来ると言うことは、百花ちゃんもとっくに帰ってくる時間だよな。
百花「マスター、ただ今帰りました」
一護「こんちは」
譲二「おかえり百花ちゃん。っと、いらっしゃい、一護」
百花「マスター、厨房をお借りしてもいいですか?」
譲二「いいけど…どうしたの?」
百花「一護くんがチョコレートマフィンの作り方を教えてくれるので…」
一護「その代わり、英語のノートを写させろよな」
百花「うん、いいよ。あ、ごめんね。買い物してきたもの持ってもらって」
一護「お前が、よろけて躓きそうになるからだろ…。全く…。なんでマフィンの作り方教える上に俺が荷物を運ばなきゃなんないんだよ」
百花「はいはい。ごめんね。」
☆☆☆☆☆
二人が厨房で楽しそうに笑いながら作業している。
理人「あの二人、この頃前より仲良くなったよね」
譲二「そうかな…」
理人「えー、マスターはそう思わない? 百花ちゃんはいっちゃんに色々意地悪を言われるとかえって嬉しそうだし」
りっちゃん、俺だってそれくらいは気づいているよ。
一護は口では意地悪そうなことをいいながら、百花ちゃんに何かと気を使ってるしな…。
あーあ。妄想の中では俺が一番仲がいいんだけどな…。
妄想飛行~譲二の場合 その3へつづく
ハル君ルート本編をハル君目線から妄想してみた。
o(〃^▽^〃)o
ハル君の独り言(本編2話)へ
☆☆☆☆☆
種村春樹
身長:177cm 体重:60kg
血液型:A型 特技:勉強・空手
性格:明るいしっかりもの。
優しくて明るい爽やか少年。
小さなころからしっかりもので泣いているとお花をくれた思い出がある。
4月25日生まれ
☆☆☆☆☆
ハルくんの独り言(本編3話)
今日は町内の防災訓練。
高校生になってからは、こういうのも俺の役目なんだよね。
集合場所の公民館に行くと、佐々木がボーッと立っている。
俺は思わず声をかけた。
春樹「佐々木! 何でここにいるの?」
百花「あ、ハルくん。マスターがお店を空けられないから、代わりに来たの」
ちょっと微笑ましく思って俺は言った。
春樹「そっか、えらいな」
百花「でもハルくんだって、参加するんでしょ?」
春樹「うちも、親が店で忙しそうだったから」
休みの日に佐々木と会えるなんて、超ラッキーかも。
二人で話していると声をかけられた。
一護「…お前も来てんのかよ」
理人「こんな朝っぱらから訓練なんて、お互いついてないね…」
百花「あ、一護くんとりっちゃん。みんなも来てたんだね」
リュウ兄にタケも来ていて、結局全員集合になってしまった。
俺たちがワイワイ話していると、町内の人にバケツリレーを促された。
俺たちは男だからなんでもないけど、佐々木は大変そうだ。
百花「こんなのテレビでしか見たことなかったのに…おいしょっ…はい、リュウ兄」
竜蔵「遅いぞ! 百花、もっと早く持って来いよ!」
百花「ええっ!?」
俺は無茶をいうリュウ兄に文句を言った。
春樹「リュウ兄、一人だけペース早すぎだろ」
竜蔵「何言ってやがる、火は待ってくれねーんだぞ! 俺の大事な店が燃えてるかと思うと居ても立っても…」
一生懸命なあまり、自分の妄想にのめり込んでるリュウ兄にため息をついた。
春樹「大丈夫だよ、燃えてないから」
竜蔵「バカ! こういうのはイメージが大事なんだよ!」
百花「ふふっ…」
佐々木が笑ってる…。
リュウ兄に言われたことを気にしてないなら、まぁ、いいか。
☆☆☆☆☆
バケツリレーの後、町内会の人に言われて倉庫に防災具を取りに行く。
みんなめんどくさがってしないから、結局「俺がするよ」ってことになるんだよね。
ま、いつものことだから慣れてるけど。
ヤレヤレと思いながら倉庫に行った。
☆☆☆☆☆
倉庫で防災具を揃えていると声をかけられた。
百花「ハルくん」
春樹「うわっ! ビックリした…佐々木か。もしかして、ついてきたの?」
百花「1人じゃ大変でしょ? 手伝うよ」
春樹「ありがと。でも、いいよ。重いからたぶん佐々木じゃ無理だし」
百花「任せといて。これ持って…わっ」
袋を持ち上げようとした佐々木がよろける。
春樹「だから言っただろ? 貸して」
百花「あ…ありがとう」
☆☆☆☆☆
二人で戻ろうとしていた時、アナンの声がしてガチャッと扉のしまる音がした。
慌てて戸を開けようとしたが、ご丁寧に鍵までかけて行ったようだ。
俺は叫んでみたが、倉庫の回りには誰もいないみたいだ。
春樹「まあ、そのうち誰かが気付くだろ。余計な体力消耗するのもイヤだし、おとなしく助けを待ってようか」
百花「う、うん」
佐々木はちょっとビビっているのかおとなしい。二人で突っ立ってても仕方が無いので、俺は床に座り込んだ。
春樹「佐々木も座りなよ。…って、なんでそんな端っこに行くの?」
百花「な、何でもない…」
やっぱり女の子だなぁ。閉じ込められたのが怖いみたいだ。
春樹「もしかして、暗いところ怖い?」
百花「そ、そんなことないよ。大丈夫」
春樹 「ははっ、強がってる。こっちおいでよ」
百花「えっ!? い、いや、ほんとに平気だから!」
春樹 「強情だなぁ…じゃあ、いい」
俺は佐々木の隣に座った。
春樹「俺が来てあげた」
そっと隣の佐々木を見下ろした。佐々木は覚えてるかな?
不安そうな佐々木を元気づけようと、子供の頃の思い出話をする。
春樹「昔、公衆電話のBOXの中で佐々木と二人で雨宿りしたことあっただろ? なんか思い出した」
百花「うん…」
春樹「もう暗くて、きっと母さん達、怒ってるんだろうなって、一緒にビクビクしてたよな?」
百花「そんなこともあったっけ…」
春樹「あの時も佐々木、不安そうな顔してた。だから、ずっと一緒に手を繋いでたの、覚えてる?」
百花「…そうだっけ」
まだ、不安そうな佐々木のことが気になる…。なんとかして元気づけたい。
春樹「…怖い? 手、繋ぐ?」
百花「じゃあ…繋いでほしい…な」
春樹「ふふっ。やっぱ怖いんじゃん」
ちょっと微笑ましく思いながら佐々木の手をぎゅっとにぎる。
春樹「ん…佐々木ってこんなだったっけ?」
百花「こ、こんなって?」
春樹「なんか、手、ちっちゃくなった? 俺の手に、すっぽりおさまってる」
百花「…ハルくんの手が、おっきくなったんだよ。あっ、あそこ、上に小窓があるよ」
佐々木が指差す方をみると確かに小窓がある。
春樹「ほんとだ。でも、俺が抜けるにはちょっと小さいかな」
百花「じゃあ、私が外に出てカギを開けるよ!」
春樹 「危ないからやめとけって。心配しなくっても、そろそろ誰かが…」
百花「やれる事はやってみないと」
一生懸命な佐々木に説得されて、俺も手伝うことにした。佐々木が踏み台に上って行く。
百花「よいしょっ、と・・・」
春樹「足元気をつけろよ。ぐらついてる」
百花「あ、窓はカギがかかってないみたい」
そう言った途端、踏み台と一緒に佐々木が降ってきた。
慌てて抱きとめようとしたが、佐々木共々俺も倒れてしまった。
しかも、佐々木はなんだか痛そうな顔をしてる。
俺の受けとめ方が下手くそで、佐々木は足をくじいてしまったみたいだ。
☆☆☆☆☆
結局、倉庫からは、妹の紗枝が俺たちを見つけ出してくれたので出ることが出来た。
そして、足をくじいた佐々木をおんぶしてみんなのところに戻った。
佐々木は随分遠慮してたけど、「おんぶが嫌なら抱っこしようか?」と脅したら、あっさりおんぶを選んだ。
みんなからは色々からかわれたけど、佐々木を怪我させたのは俺だからね。
学校でもそうだけど、佐々木は危なっかしくて目が離せない。
そして、そんな佐々木を守ってあげれるのは俺しか無いって思うんだけど…。
☆☆☆☆☆
解散になり、佐々木をおぶったまま帰ろうとした。
紗枝「早く帰って一緒にテレビ見ようよ、お兄ちゃん」
一護「ハル、こいつ重いだろ? ふてー足してるし」
春樹「ははっ、おっきくなった証拠だよ」
一護 「何ムスッとしてんだよ、百花」
百花「重くてごめんねっ!」
うわ、そんなつもりじゃなかったのに…。
俺が慌てて謝ると佐々木は直ぐに許してくれたけど…。
つい、幼なじみの気安さで言い過ぎてしまった。佐々木は女の子だから、もっと気を使わないとダメだな…。
俺が佐々木をおんぶしているせいか、紗枝がせらって自分もおんぶして欲しがる。
佐々木は怪我してるからって言い聞かせたけど、日頃から甘やかしてるせいだろう…「おんぶ、おんぶ」と騒いで抱きついてくる。
春樹「こら、危ないって・・・抱きつくな」
一護「…ハル。俺が代わってやる」
春樹「えっ、いいのか?」
一護「紗枝くっつけたままじゃ動けないだろ」
一護の申し出に甘えて佐々木を下ろす。
春樹「サンキュ。紗枝、おいで」
紗枝「わーい!」
紗枝は喜んで俺の背中に飛び上がって乗ってきた。
百花「一護くん、私、重たいかもよ?」
一護「見てればわかる。さっさと乗れよ」
百花「うん…」
一護「…やっぱ重いな」
百花「ご、ごめん」
一護「おい、あんま動くと落とすぞ」
百花「わわっ、やめて!」
理人「…なんか」
一護「何だよ」
理人「いっちゃんがおんぶすると、やらしいね」
百花「ぶっ…! ちょっと、変な言い方しないでよ!」
理人「そうやってると、仲いいカップルに見える」
りっちゃんの言葉に、なぜか胸がズキンとした。
一護「…こんな色気のないヤツ、俺パス」
百花「私だって一護くんみたいにイジワル言う人はやだよ」
一護「…投げ捨てるぞ」
百花「じょ、冗談だって!」
一護も佐々木も、お互い言いたいことを言いながらとても楽しそうだ。
俺はなんでこんなに嫌な気持ちになるんだろう?
理人「あははっ! いるいる、そういうカップル」
りっちゃんの言葉に俺はますます焦った。
春樹「…やっぱいい」
百花「え?」
春樹「やっぱ俺がおぶる。紗枝、一護におんぶしてもらいな?」
理人「あれっ。ハルくん、もしかしてヤキモチ?」
図星なだけに必死で言い訳する。
春樹「だって、一護に頼んだら佐々木にイジワルするし」
一護「つーか、こんな重てーヤツ、くれてやる」
春樹「だから、女の子にそういうこと言うなって!」
紗枝「一護ちゃん! おんぶー! おんぶー!」
一護「だから、ちゃん付けで呼ぶなって!」
紗枝「キャッキャ! 一護ちゃんの前髪、カマキリみたいー!」
一護「だーっ、引っ張るな!」
紗枝と一護のやり取りを尻目に佐々木に声をかけた。
春樹「じゃ、佐々木も乗って?」
百花「うん、ありがとう」
佐々木が素直に俺の背中に乗ってくれたのでホッとした。
うん、やっぱり佐々木のことを守れるのは俺しか無い…はず。
佐々木をクロフネに送りながら、俺は自分に言い聞かせた。
ふう…。ナイトメアハーレムのイベント
【わたしがご主人様?!】が終了。
何とか3位をキープしたまま、逃げ切ったので、10位以内でもらえるアバターもGETできました。
こんな感じ。
さほど好みとは思ってなかったけど、着替えると魔女っぽくていい感じ。
ナイトメアハーレムのアバターは胸が強調されてたり、足がでてたり色っぽいのが特徴みたいね。
背中の羽根は妖精よりコウモリの羽根にした方が似合うかな?
アバターのセット全てを揃えるのはホント大変だよね。
本編はカイムを読んでるけど、相変わらず三択に苦労してる。
スイートエンドむりかなぁ。
ハルルートの譲二さんの話の続編
ヒロインはハルくんと結婚し、幸せに暮らしているはずなのに、なぜか時々譲二さんを訪ねてくる。ヒロインのことを一生思っているから、こういう関係はもう止めようと告げる譲二さん。
しかし、クロフネでヒロインと抱き合っている姿をハルくんたち三人に目撃されてしまった。
☆☆☆☆☆
焦燥~その5
〈美緒〉
電話を切った後、譲二さんに言われた通り、通話履歴を削除した。
(譲二さん…)
携帯電話を抱きしめる。
これはハル君と電話とメールで繋がっている。
でも、それだけじゃなく今譲二さんとも繋がることができた。
この電話の向こう側に譲二さんがいる。
譲二さんに電話をかけてから切るまでの会話を何度も反芻する。
私の心の中に安堵と温かい気持ちが込み上げて来た。
譲二さんは小さな子供の頃から私の守護者だった。
お腹が空いたらサンドイッチを食べさせてくれ、雷が鳴れば抱きしめて守ってくれた。
お母さんと喧嘩した時には「仲直りできる魔法のお薬だよ」って金平糖を食べさせてくれたっけ。
大きくなってからも、満員電車の中で庇ってくれたり、クロフネでは私の好きなメニューを考えたり、いつも私のことを気遣ってくれた。
私が辛い時には抱きしめて「大丈夫だよ」と言ってくれた。
ハル君との間で気持ちが不安定になってからも、私は譲二さんに抱きしめてもらうことで、いつも安心感をもらってた。
譲二さんとセックスをしたかったわけじゃない。抱きしめてもらいたかったんだ…。
そして今も…。ハル君が帰って来ないと分かって不安に苛まれた気持ちがこんなにも安定している。
譲二さんの声を聞いただけで…。
(私にとっての譲二さんて…)
辛かったり、苦しかったりするときにはいつも譲二さんを求めて来たんだ…。
それに今やっと気づいた。
ハル君は一番好きな人で、それは昔も今も変わらないけど…。
船が港に必ず戻るように、私の心はいつも譲二さんに戻っている…。
それがどういうことなのか、今はまだ心の整理が着かないけど…。
私は携帯を抱きしめたまま、いつの間にか眠っていた。
〈春樹〉
仕事をやっと切り上げることが出来た。
時計を見ると午前2時をまわっている。
(美緒は、まさかまだ起きて待っているということはないだろうが…)
急いで事務所に鍵をかけると家に戻った。
玄関を開けてリビングに入ると煌煌と電気がついている。
2人分の食事の皿にラップがかけてあり、そのテーブルに突っ伏すようにして美緒が眠っていた。
春樹「美緒…そんなところで寝てたら風邪引くよ」
前後不覚で眠っている美緒を抱き起こした。
携帯を抱きしめたまま眠っている。
(俺からのメールを待っていてくれたのか…)
あまりの可愛い行為に愛しさが込み上げて来た。
美緒を抱き上げるとベッドに連れて行く。
美緒を横たえそっと布団をかける。柔らかい唇にそっとキスをすると、美緒はパッチリと目を開けた。
美緒「ハル君…」
春樹「ずっと俺を待っていてくれたんだね。
テーブルのところで眠っていたからベッドに運んだよ」
美緒は俺にしがみついた。
美緒「ハル君。会いたかったよ…」
春樹「昼に会ったばかりじゃないか」
美緒「それでもさみしかった…」
春樹「ごめんね。これからはこんなことがないようにするから…」
美緒「ううん。お仕事が忙しい時はお仕事を優先してくれたらいいから。私のわがままでハル君に無理させたくない…」
春樹「無理じゃないよ。俺にとっての一番は美緒なんだから…」
美緒「ありがとう」
美緒は顔を俺の胸に埋めてしがみついたままだ。
まるで小さな子供のような美緒を抱きしめ、髪を優しく撫で続けた。
☆☆☆☆☆
焦燥~その6
〈美緒〉
譲二さんと電話で話した日以来、譲二さんのことが頭から離れない。
譲二さんの思い出がずっと浮かんで来る。
小さな私を抱っこしたり、サンドイッチをくれたじーじ。
雷の鳴る中、タコの滑り台の中で私を抱きしめてくれたじーじ。
失恋して涙を流すじーじ。…私はじーじを元気づけてあげたかった。
転んで膝を擦りむいた私に絆創膏を貼ってくれたじーじ。
高校時代、クロフネでココアやエッグノックを作ってくれたり、色々な相談にのってくれた譲二さん。
そして…、私を好きだと告白して、無理やり私を抱いた譲二さん…。
それから、譲二さんと私は3年間恋人として過ごした。
私を恋人にしたやり方はひどく乱暴だったけど…、その後はいつも優しく、いつも私のことを考えてくれていた。
そして、私をとても愛してくれた…。
それは、別れてからも…今も同じ。
そんな譲二さんを私は裏切ってしまった…。
(譲二さん…ごめんなさい。)
ハル君と結婚した後、私の気持ちが不安定になったとき、譲二さんに何度も頼ってしまった。
自分勝手な私の我がままにいつも応えてくれた…。私をなじることもなく、いつでも受け入れてくれた…。
(ああ…譲二さんに会いたい。会って抱きしめてもらいたい…)
譲二さんへの思いは日に日に募っていった。
〈譲二〉
今日は夕方になっても客が全く入らない。
(少し早いけど…もう閉めてしまおう)
気楽な商売だな…と自嘲気味に思う。
実家の企業経営からは手を引いたが、相談役ということで役員には名を連ねている。
その報酬と7年間茶堂院グループで働いた収入はほとんど使うこと無く貯まっている。
だから、こんな殿様商売がしていられるんだな…。
この先死ぬまで俺は1人でクロフネのマスターをしているんだろう。先代マスターのように…。
チャイムが鳴った。
譲二「すみません。今日はもう閉めるので…」
そこにはスーツケースを提げた美緒が立っていた。
譲二「!」
美緒「来ちゃった…」
俺は慌てて美緒の元に駆け寄った。
☆☆☆☆☆
焦燥~その7
〈譲二〉
美緒「来ちゃった…」
俺は慌てて美緒の元に駆け寄った。
譲二「一体どうしたの? ハルと喧嘩でもしたの?」
美緒「ううん…。でも、手紙を置いて出てきちゃった…」
俺は混乱しながら尋ねた。
譲二「それは…どうして?」
美緒「どうしても譲二さんの側に居たかったから…」
嬉しい気持ちと戸惑いをいっぺんに感じながら、美緒を抱きしめる。
譲二「だからって…、ダメじゃないか…こんな時間から人妻が他所の男のところに来るなんて…」
美緒「お願い! 譲二さん。私をここに置いて。クロフネの手伝いも何でもするから…お願い」
美緒は必死に俺に縋り付く。
譲二「俺は構わないけど…。美緒ちゃんの部屋もそのままにしてあるし…。今夜は泊まって行けばいい…。でも、ハルが迎えに来たら…」
美緒は激しく首を横に振る。
美緒「そうじゃないの! 私はもうハル君のところには帰らない。だから、譲二さんの側にずっと置いて欲しい」
譲二「…」
そんなことを言っても、それは今だけのことなのだろうと俺は思った。
というより、美緒を自分のものにできると思って、そうならなかった時のことを恐れた。
譲二「とにかく、荷物を部屋に持って行ってあげるよ…。それだけ?」
美緒「はい。あ、この小さなカバンは私が持ちます」
2人で二階に上がる。
譲二「夕ご飯は食べた?」
美緒「いいえ」
譲二「じゃあ、一緒に食べよう。何が食べたい?」
美緒「譲二さんのナポリタンが食べたい」
譲二「わかった」
俺は荷物を美緒の部屋に運び込んだ。
美緒「でも、寝るのは譲二さんと一緒に寝たい…」
譲二「俺と? だって、一緒に寝たら美緒に手を出してしまうかもしれないよ?」
冗談めかして言ったが、美緒は真剣な顔をしている。
美緒「それでも構わない…。ハル君のところにはもう帰らないし…。譲二さんの側で寝たいから…」
俺は思わず美緒を抱きしめた。
譲二「なんで…、なんでそんな可愛いこというの? 本気にしちゃうよ…」
美緒「本気だよ…」
俺は美緒の唇にキスを落とした。
柔らかくて可愛い唇。
止まらなくなって、何度も何度も繰り返し、繰り返すたびに熱いものになっていった。
☆☆☆☆☆
夕食をとりながら、もう一度美緒の真意を確かめた。
譲二「ねえ、美緒。本当にずっと俺のところにいるつもりなの?」
美緒「うん。もうハル君のところには戻らない」
譲二「でも…、ハルのことが好きなんだろ?」
否定をして欲しくて、聞いてみる。
しかし…
美緒「ハル君のことは大好き」
やっぱり…。
美緒「でも、今の私には譲二さんが必要なの。
ハル君と結婚してから私はずっと不安な気持ちと戦ってた…。
どうして不安なのかよくわからなかった…。
でも、気づいたの。
譲二さんといる時にはその不安から解放されるって…。
好きな人のところではなく、自分に必要な人と一緒にいるべきだって思った。
…ごめんなさい。譲二さんには失礼な言い方だよね」
譲二「俺といたら安心できるの?」
美緒「うん。譲二さんの側でないとだめなの。それにやっと気づいた」
譲二「そっか…」
とても複雑な気持ちだ…。
俺の側にいたら安心できるというのはとても嬉しいことだけど…。
でも、俺を好きだから一緒にいたいと言って欲しかった。
それは俺のわがままなんだろうか…。
譲二「美緒はこの間も電話をかけてくれたよね。あの時もそうだったの?」
美緒「あの時に気づいたの。私には譲二さんが必要なんだって」
譲二「そうなんだ」
美緒「譲二さんの側にずっと置いてもらってもいい?」
譲二「俺は…。美緒がそうしたいなら構わない。むしろ嬉しいくらいだ」
☆☆☆☆☆
その夜、ベッドの中で抱きしめ合う。
柔らかな美緒の唇にキスをする。
一度キスするとまた止まらなくなってしまった。
この十数年、美緒を思い続けて来た気持ちは抑えられない。
美緒はきっと俺が抱きしめて眠るだけで満足してくれたのだろうと思う。
しかし、俺はどうしても自分を抑えることが出来なかった。
こんなことをしちゃダメだ…明日になったら彼女はまた去っていくかもしれないのに…。
そう理性は囁くのに感情の抑制は効かなかった。
もう、何があっても美緒を放すまい。ハルにはもう返さない。
思いが募っていて、抱き方はどうしても、くどくなってしまう。
ハルと結婚してからも、美緒とは何度か交わったが、今日はいつにも増して丹念に愛してしまう。
美緒は何度もいかされて放心状態になっている。
それでも俺は彼女を抱くのを止めることができなかった。
柔らかくて桜色の美緒の肌、美しい曲線を描いた首筋、ぷるんとして甘い唇、汗ばんだ手のひら、シーツに広がる髪…。
そのすべてを目で耳で肌で感じていたい。
〈美緒〉
今までも時々譲二さんには抱かれてきたけど、今夜の譲二さんはいつもより強引だ。
私が「感じすぎて苦しいからもう許して」と言ったのに譲二さんは止めてくれなかった。
快感の波は終わりかと思ってもまた打ち寄せて、私を翻弄しながら攫っていく…。
海の上の小舟のように譲二さんにただ身を委ねていた。
『焦燥』おわり。
続きは『帰港』です。