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譲二さんが実家に帰っていた頃のお話。
。∠(*゜∇゜*)☆Merry X'mas☆┗*・ェ・*┛
26日のサンタクロース~その3
〈百花〉
譲二さんにもらった薔薇の花束。
一番大きな花瓶にいけて、メインテーブルに飾ってある。
冬の光が窓を通して、真紅の薔薇に柔らかく降り注いでいる。
その花びらをぼんやりと眺めていると、クロフネのチャイムが鳴って男の人の声がした。
???「荷物をお届けにまいりました」
百花「はーい。ちょっと待ってください」
私は急いで引き出しから印鑑を取ると戸口へ急いだ。
扉を後ろ手に閉めた大柄なその人を見て、私は一瞬戸惑った。
さっきまで、会いたいと強く願っていた、愛しい人がそこにいるのだ。
〈譲二〉
俺がいた頃と変わらないクロフネの扉。
ガラス越しに人影が見える。
百花ちゃんだ!
向こう向きに座っているようだ。
いたずら心を出して、宅配便の人のように声をかけた。
そっと後ろ手に扉を閉めて立つ。
百花ちゃんは俺のことを宅配便の人だと信じ込んでいたようで、印鑑を片手に驚いたように目を見開いている。
百花「じょ…譲二さん!!」
譲二「受け取りはハンコじゃなくて、キスしてもらえると嬉しいな」
駆け寄ってきた百花ちゃんを両手で抱きしめる。
百花「どう…して」
譲二「急に仕事がキャンセルになってね。兄貴も休みを取れって言ってくれたから、甘えることにしたんだ」
百花「ほんとに?」
譲二「ああ、だから今日は久しぶりに一緒に過ごせるよ。夜までだけどね」
百花「嬉しいです」
そう言って百花ちゃんは俺の胸に顔を埋めた。
〈百花〉
クリスマスは終わったけれど、譲二さんが私に会いに来てくれた。
譲二「1日遅れだけど、俺からのクリスマスプレゼント、気に入ってくれた?」
百花「はい…」
嬉しくて…涙で譲二さんの顔がよく見えない。
譲二「ちょ…ほら、もう泣かないで」
百花「泣いて…ません…」
譲二「俺の可愛い…嘘つきさん…」
譲二さんはそう言いながら、何度も私に口づけた。
。∠(*゜∇゜*)☆Merry X'mas☆┗*・ェ・*┛
26日のサンタクロース おわり
譲二さんが実家に帰っていた頃のお話。
。∠(*゜∇゜*)☆Merry X'mas☆┗*・ェ・*┛
26日のサンタクロース~その2
〈譲二〉
クリスマスの翌日。
朝食の席で兄貴に聞かれた。
紅一「最近、佐々木さんとは会っているのか?」
俺はなるべく軽い調子で答えた。
譲二「ん~。3週間くらい会えてないかな…?」
紅一「そうか…」
兄貴はちょっと黙り込む。
譲二「メールや電話でいつも話してるからね」
百花ちゃんをクロフネに1人ぼっちにしてることを、兄貴は結構気にしているらしい。
『無理せず休みも取れよ』と常々言ってくれている。
だけど、それに甘えていては、百花ちゃんのところへ戻る日が遠のいてしまう。
実際、百花ちゃんには『2年でカタをつけて戻ってくる』と約束したけど、仕事を始めてみればそんな甘いもんじゃないと思い知らされる毎日だ。
紅一「女性にとっては、クリスマスは恋人と過ごしたい大切な日だったんじゃないのか?」
譲二「百花ちゃんにはすまなかったな、って思ってるよ。だけど、どうしても調整できなかったんだ」
兄貴は真面目な顔でこう言い出した。
紅一「今日の打ち合わせなんだが、相手先から日をずらして欲しいと連絡があった。急だが、お前、休みを取ったらどうだ?」
譲二「え?でも、溜まっている仕事もあるし…」
紅一「それは少々後にしても大丈夫だろう。まあ、休みと言っても夜には帰って来てもらわなければならないが」
譲二「兄貴…」
俺は兄貴の言葉に甘えて、急遽休みを取ることにした。
すぐに百花ちゃんにメールを打とうとしたものの、それよりも彼女の驚いた顔を直接見たくなった。
急いで準備して車のキーを持つと、食後のコーヒーを飲んでいる兄貴に声をかけた。
譲二「出かけてくるよ…兄貴、ありがとう」
紅一「ああ、佐々木さんによろしくな」
はやる気持ちを抑え、エンジンをかける。
シャッターが開くのを待つ間ももどかしく、車を発進させた。
その3へつづく
譲二さんが実家に帰っていた頃のお話。
。∠(*゜∇゜*)☆Merry X'mas☆┗*・ェ・*┛
26日のサンタクロース~その1
〈百花〉
クリスマスも終わり、昨夜できなかった片付けを1人でする。
今年のクリスマスは譲二さんの仕事が忙しくて、一緒に過ごすことはできなかった。
前からわかっていたことだし、幼なじみのみんなが心配して、いつも通りのクリスマスパーティを開いてくれた。
(だから、寂しいなんて言っちゃいけない…)
それに譲二さんからは真紅の薔薇の花束と一緒に、クリスマスプレゼントが届いた。
中には、この前のデートの時、ウインドショッピングで私が見とれていたコートが入っていた。
『このコートのように君を抱きしめたい』というメッセージカード付きで。
私は譲二さんの気持ちが嬉しくて、譲二さんが恋しくて、そのコートをぎゅっと抱きしめた。
(だから、寂しいなんて言っちゃいけない…)
私からは仕事中にいつも締めて貰えるようネクタイを贈ってあった。
そして、イヴの夜には(とても遅い時間だったけど)電話で30分くらいは話したし、プレゼントのお礼と一緒に『大好きだよ』という言葉も何度も言ってもらった。
(だから、寂しいなんて言っちゃいけない…)
クロフネの床を掃きながら、涙がこぼれないよう手の甲で拭った。
その2へつづく