ハモラー宣言

　いつからハモる癖がついてしまったんだろう。
多分、フィンガー５の影響だと思う。「恋の研究」（『個人授業』のＢ面）に影響を受けたんだと思う。

　妹がプンプン怒りながら帰ってきた。「ちょっと！外まで聴こえるんだからやめてよね！」私は寝っ転がって本か何かを見ながら、テレビで流れていたサザエさんのエンディングテーマに無意識にハモっていた。

　会社で、前に座っている社内いちの上品なお姉さんがくっくっく…と笑いながら振り返り、「何でもハモってしまうんですね」と言うので我にかえった私は、仕事中だというのに外を走る救急車のピーポーピーポーにハモっていた。

　カラオケで演歌を歌いだす友人がエコーがガンガンに利いたマイクで私に向かって「ハモらないでよ！」と制した。さすがにド演歌ではハモらんぜよ（爆）。

　その友人が最近、私のことを別の友人に「この人さぁ、よく妹を泣かせてたのよ」「へぇ～、そんな風に見えないけど」「どうやって泣かせたと思う？無理矢理ハモらせて泣かすのよ」「えぇっ？！」「遊びに行きたいっていう妹を泣かせてまでハモらすのよ」

　でも昔は「ハモラー」という単語が存在してなかった。私が最初にこの単語を聞いたのは多分日本テレビの「夜もヒッパレ」だったと思う。「私もハモラーですから」と次々とハモる奴が現れて、お～私と同じ人がいるじゃん！と安心した。

フィンガー５時代にはその友人の言うとおり、泣いていやがる妹に無理矢理ハモらせて、Ｗカセットデッキを駆使してさらに幾重にもハモって遊んだ。（遊んだのは私ひとりで妹にとっては拷問以外の何物でもなかったであろう）
シャネルズ時代には友人を拉致してハモった。妹のように強引にダメ出しできないからちょっと辛かった…（辛かったのは友人の方だろう）それをシャネルズのラジオ番組に送って放送までしてもらった。「輝け！第１回アマチュアドゥーワップカーニバル」とかいうコーナーの第一弾にしてくれた！リーダーと田代くん、その節は大変お世話になりまして（汗）。

納得のいくハモリを完成させるには山下達郎氏のようにひとりで音を重ねればいいんだけど、ひとりのニンゲンの音って重ねてもつまらない。色んな声が重なるところで味が出て、いいんだな、これが。

フィンガー５のコーラスが私にとって最上級なんだな。
先にも出た『恋の研究』で言うと、２番のソロの部分のバックコーラス。
それからセカンドアルバムの中の『恋したの』のスキャットの部分がすごい。
本当に「透明」なんだよ。目を閉じてヘッドフォンのボリュームを上げて聴きこむと、天国に連れて行かれそうな感じなのよ。溶けちゃいそうよ。

さて、また聴きたくなってきた。ヒーリング、ヒーリング♪