以下、ネタバレありです。
さて、この作品、義兄弟間の恋愛なんですわ。個人的にこの設定に疑問を抱いてしまうので、それもありだな…と思わせてくれる展開を期待して見ていました。
だって幼い頃から知っている相手って、恋心を抱きにくくないですか?特に家族として暮らしていると、プライバシー丸見えだし美しくないところ、カッコ悪いところも全部見えちゃってるわけですよね。例えば、途中で離れ離れになる期間があって、再会してから「え、なんかカッコ良くなってる?」って新たな感情が芽生えるのなら想像つくんですけど……。☺️💦
でも、この設定に萌える方も多いらしい。いや、これはもう自由!萌えどころは人それぞれです。✨
ストーリーは、シングルマザーだった母親をドラッグで亡くして、幼いながらも妹の面倒を見ている魏謙(ウェイ・チエン)が、孤児の少年を保護するところから始まります。少年は之遠(ジーユエン)と名付けられ三人は共に暮らし始めます。次第に之遠は謙に対して兄弟としてではない愛情を持つようになり……。
意外に物語はゆっくり進みます。台湾BLで流行りなのか、反社の皆さんwも出てくるし、終盤難病ネタがあったりと盛りだくさんです。あのWBLのチームが魏家三人の成長を丁寧に描いていきます。(リン・ズーホンくんも林医師役でゲスト?出演しています!)
けれど……。
ここからは本当に個人的な相性の問題だと思うんだけど、このドラマ、原作がPriest氏なんですよ。この方の作品との相性がワタシ的に今ひとつでして……。😅
『山河令』は大丈夫だったけれど、その他の『鎮魂』(1話ぐらいで挫折)『残次品』(途中で脱落)『烈火澆愁』(シーズン通して見たけど普通w)共に今ひとつ乗れなかったんですよね。
何と言うか、キャラクターが作者の紡ぐ物語のコマに過ぎないように感じてしまって。😅
もちろん、キャラは作者のものだしどんな風に動かそうが作者の自由なんですけど……。うーん、なんとなく、都合良く存在してる感が否めない……。
ドラマの中のキャラクターって、もちろん架空の人物ですよね。でもそこに、現実に居そうな仕掛けがあると存在感が増すと思うんですよ。
例えば、癖とか嗜好とか。架空ではあるけれど、その人物を現実世界につなぎとめる【クリップ】のようなもの。そういうものがあって、ストーリーの中でブレずに描かれると、あー、そうだよねこういう人だったよ…とキャラに対する理解や共感が増すような気がするんですよね。
ストーリー上、時に必要ではないもの(こと)を挟むことで逆にリアリティが増すというか……。どうでしょうか?
このドラマのキャラにもそういう【クリップ】があるにはあるけど(之遠が魚料理が好きなことなど)あんまり印象に残ってないんですよね。💧
真面目な兄、兄が好きな弟、可愛がられる妹……というデフォルトからもう少し肉付けして欲しかったなと思います。
キャストの演技は脇役に至るまで皆さん良いです。之遠が謙を見つめる目にはちゃんと熱がありますし。「近い近い、長い長い」💞という今どきちょい古く感じる演出はあるものの😅BLドラマとして手堅く作られていると思います。
もしかしたら、尺の問題なのかな〜?ゆとりがないというか。三十数話ある『山河令』は大丈夫だったからなー。💦
で、当初の疑問、義兄弟間での恋愛について。
うーん…まあ、ありなのかな?……って感じでした。😅人のこころの動きは制御できないし。初めから他人だってわかっているわけですからね。お兄ちゃんが理想のタイプで、どストライクということもあるでしょう。以前、実の姉弟間の恋愛を描いた小説『水声』(川上弘美著)を読んだこともあるのですが、その時は好きなものは仕方ない…って思いましたよ。なので、このドラマのように同性でも【あり】なのかもしれません。😉