ことくくるの里山暮らし。 (ブルーベリー栽培日誌。)

ブルーベリーの成長記録と、里山での日々の暮らしの日記です。

鈴木翠松軒『くうや餅』。ゆらぎの味。

2020-07-03 19:25:12 | 日記




明治26年(1893年)
創業から127年
鈴木翠松軒』さんが、暖簾をおろした。


『くうや餅観助餅』が有名で
みんな。「くうや餅」ってよんでた。


私のなかでは、慶忌菓子的な存在で
厄の時期になんかなると、よくチラシが入って来て、それをよく眺めてたなー。

誰かから、厄とかのお配りで戴いたりすると、『きゃー。ラッキー🖤』って嬉しかった。


だから、そんな先入観もあってなのか
普段のおやつってゆう感覚じゃなかったし
「いつでも買えるから」って思ってたから
自分じゃあんまりお買い物しなかった。


地元の人達から
【老舗の味を消さないで欲しい】って声が
相次いでいるってニュースで観たけど
その人達は、よくお店に訪れていたのか


だから、私が「こうや餅」を食べたのは
すっごく久し振りのことだったよ。
でも、これが最後になっちゃうなんてって
思うと、何だか、もったいなっくって。
こんなに、ひとくちずつ。
ゆっくり丁寧に食べたこと
なかったから、

甘くって。
柔らかくって。
ちょっとだけ塩っぱい
感傷の味がした。


驚きなのは、家族が、こうや餅と二軒茶屋
餅と混同していたことだ。
それくらい、三重県.伊勢には
「おもち」みたいなお菓子が沢山ある。



『すっごく並んだんだよー!』って
買ってきてくれた人が云う。
お一人様3箱限りで、最後に販売したみたいって言ってた。
平日だったのに、すごい人だったんだって。
みんなもきっと、なくなっちゃうなんて
思っていなかったんだって思う。
だって、産まれた時からあるんだよ。
だから、在るのがずっと当たり前で
失ってから、それで【大切】に気付く。


えっ?
じゃあ。みんなもっと前から、こうなるって解ってたら、また答えは変わっていたのかな?
それは、解んないんだけどね。
訝しげな私は、
まだ考えてる。


『変わりゆくもの。
それは、仕様がないことかもしれないけど
人には必ず【死】が訪れるけど
次の世代に残せるものがあって
それは『想い』と『希望』。


そうやって、代々受け継いできたお店の
人達は、きっと必死でやってきたんだと
思います。ありがとう。
全力でやって来たからこそ、もう後悔なんてないんじゃないのかな。
たぶん。
色んな想いをひきずっているのは
消費者の方。


私の夢の中のストーリーには読きがあって
『また再開します』ってニュースが流れるの。嬉しいな。


大丈夫。
まだ、色んな想いがあって。
まだ、色んな答えがあるし。
人間だもの。
みんな、気持ちの揺らぎの中で生きてるんだよ。



『 んっ』どうゆうこと?




だって、まだ終わってないでしょ?


だって、まだあのお餅の蒸しかたを受け継いでる人がいるんでしょ?


だって、まだあの餡子の味を出せる方法を
知ってる人がいるんでしょ?

だから。
まだ、終わってないんだよ。
全てが終わってからでないと
本当の答えはでないからね。



【 追伸 】
幼いころに食べた
『七越ぱんじゅう』の味を
私は、未だに探してるよ。
でも、もう何処にも全然
見つからないの。
他にもきっと探してる人がいて
似たようなものが売ってる。
『でも、これも違うね。』って
みんな云うんだ。

でも、本当はあの味』と
そっくりなのかもしれないよ。

でも、絶対にね。
おんなじにはならないの。
それが、『感情のゆらぎ』の味だから。