次の世代のために 今できることを

中山間地域振興を義務付ける基本条例の効果

総務委員会の視察で新潟県上越市と長野県飯田市へ。

最初の視察先である上越市では議員発議によって制定された中山間地域振興基本条例について話を伺いました。

上越市に興味を持った私にとってのきっかけは以前に買っていたこの本。
山村集落再生の可能性―山古志・小国法末・上越市の取り組みに学ぶ
岡田 知弘,にいがた自治体研究所
自治体研究社


平成17年に1市13町村が合併して面積972.62㎢、人口20万人の都市となった上越市ですが、

広い市域の中に平野部と豪雪の山間部があり、合併後に中山間地域がおろそかにされるのではないかという危機感を持った山間部出身の議員の方々の危機感からこの条例を作ることになったようです。
こうした意見に対し、市長もそのことを重く受け止め、執行部も一緒になってこの条例を作り上げており、この策定過程そのものが、改めて中山間地域の果たす役割の重要性を認識する作業であったのではないかと感じました。


条例の詳しい内容については以下をご覧下さい。
上越市議会 中山間地域振興基本条例

この条例の素晴らしいのは、毎年度予算策定時に中山間地域振興の方針を議会・市民に示すことと、実際にその取り組みがどうであったのかの検証・報告も条文で義務付けている点であると思います。
実際に平成24年度の取り組み方針も示されています。
上越市 平成24年度中山間地域振興に関する取組方針について

こうすることで、毎年度、中山間地域の実態がどうなっているのかが市の中で議論され、庁内でその課題が共有されることになります。
広い市域を抱える市で、地域によって環境が大きく異なる場合に求められる丁寧な行政運営。
それを担保するための条例の価値の大きさに気付かされます。

説明を頂いた現在中山間地域対策特別委員会の委員長・副委員長を務める橋爪議員と鴨井議員は「条例に基づく取り組みもまだまだこれから」とおっしゃっていましたが、今年度は中山間地域が持つ公益的機能を研究機関と一緒になって効果測定し、その機能を数値化したということで、その報告書をご紹介頂きました。
「上越市の中山間地域の公益的機能の評価」

”今後必ずこうしたものが必要になる”と先を見据えて2年間かけて条例を作られた上越市議会の皆さんの今後の取り組みを追いかけながら参考にさせて頂きたいと思いました。
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