
仏像制作において完成するまでには行程があります。
木取り→荒彫り→小作り→整理→仕上げの五段階工程があります。
台座を制作するうえでもこの段階をふんでいます。
今までご紹介いたしました工程もその順序に基づいて制作してまいりました。
最後に仕上げについてご説明いたします。

仕上げは形を作ったものを鑿だけを使い細かく削り直しきれいにする作業の事です。
ただ細かく削るだけでは本当の仕上げとは言いません。
鑿跡が直ぐ並んでおり同じ幅で一定の方向(帯状)になっている状態が仕上げです。

荒彫りの段階から鑿跡を意識し並べて彫る事が大事です。
その鑿跡の幅を狭くしたものが仕上げになるのです。
その鑿跡がよく分かる仏像があります。

それは長野県にある善光寺、高村光雲 作の仁王像です。


他の仏像にはあまり見る事の出来ない大きな鑿跡が帯状になってわざと残っております。
一度ご覧になってみてはいかがでしょうか。