聖観音仏頭の耳について少しご説明したいと思います。
仏像の耳は縦に長く多くの人々の声を聞き取るいみがあるそうです。
又、釈迦が出家をする以前にピアスをしていたためその跡が残っていて耳たぶに穴が開いている名残だと言う説もあります。
耳を彫るうえでバランスと立体感をだすことが大事です。
彫刻をするにあたり、バランスとして耳の一番上の先端から一番下までを一として考えます。
上の先端から耳の穴の部分までの距離の幅を三分の一とし、そこから当分にしたバランスが良い形とされています。
ここで修行時代からとても良く参考にしていた平等院の阿弥陀如来座像の耳を見ていただくと、正に三等分されたとても美しい形をした耳です。
この仏像は耳だけではなくすべてにおいて研究に研究を重ねて作り上げた仏様であることがうかがえます。
日本の仏像は美をとことん追求した技術の固まりなのです。
そんなところを気にして仏像を見ていただけると彫る側の気持ちを感じていただき、より一層楽しんでいただけるのではないでしょうか。
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