この度、依頼の仕事で聖観世音菩薩を制作いたしました。
聖観世音菩薩とは阿弥陀如来の脇士(本尊の隣りにいる仏像の事)で菩薩の中でも代表的な仏像です。又、宗派に関わらず多くのお寺で拝観する事が出来ます。
今回の観音様は依頼主の要望もあり、着飾らずシンプルなお姿に仕上げました。
細工などの手間は掛かりませんがその分、体のラインがハッキリするため、美しいバランスの表現が難しい作業となりました。
全体が40㎝ほどの大きさで、檜で制作いたしました。
この写真はまだ粗彫りの段階で大まかな形をだしているところです。
しかし、この段階で観音様のバランスが決まる大事な作業でもあります
その中で1つ工夫した点をお話しいたします。
観音様の右手の腕の流れは、真っ直ぐに表現される事が多く見うけられますが、
私が制作した腕は柔らかさをより表現するために外側に流れるように工夫してみました。いかがでしょうか。
古来の仏像の腕 今回制作した仏像の腕
今回の依頼は、いつもとは違う制作内容でしたので私自身も気持ちをより込めて取り組んだ仏像です。
その内容については、次回お話しいたします。