仏像彫刻と共に歩む侊慶の記録

仏師 紺野 侊慶の記録

地蔵菩薩制作にあたり

2010年08月31日 | 侊慶の作品制作
地蔵菩薩は平安時代頃から登場してきた仏像で、他の仏像と違い幅広い御利益があります。
日常の交通安全から死後の世界まで見守る大変ありがたい仏様なのです。

又、仏像を彫ることを覚えていくうえでも基礎となる仏様です。

一見シンプルなお姿をした仏像ですが大変奧が深く繊細な技術を問われるのです。

たとえば、阿弥陀如来や観音菩薩の頭よりも細かな作業をする必要がないため早く完成しますが、シンプルな分より制作者の力量が問われます。


阿弥陀如来          聖観音菩薩

そしてお地蔵様は、自分自身が修行時代に初めて制作した仏像で、今回本で制作したものも大きさがまったく一緒であり15年間で自分がどれだけ成長したかを知るよい機会でもありました。
 

  
15年前初めて制作したお地蔵様  今回制作したお地蔵様

左の仏像は制作の技術もそうですが彫刻刀も満足に使えていないため表面が少し粗くなっています。

ただ、最初に彫ったこのお地蔵様は自分自身の力だけではなく親方の教えや兄弟子の手ほどきがあり何とか苦労して完成させた仏像です。

その完成時の感激は昨日の事のように思い出されます。

今回この本を制作出来たのは師匠の斉藤琳先生や監修された兄弟子の関 雲氏お陰だと大変感謝致しております。

そしてこの本の出版に携わって頂いた多くの方々、またご購読頂きます読者の方々に改めてお礼申し上げます。

誠に有り難うございました。

補足
本にはこんな可愛らしいお地蔵さんの作り方ものってますよ。




この度、中目黒にてイベントに参加いたします。
上の作品も出展いたします。
http://www.junkstage.com/100911/


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