仏像は宗教的な意味合いも含まれますが、造型的にも大変優れています。
1300年の歴史の中で数え切れない程の仏師が研究に研究を重ね作り上げ、今に伝わっているのです。
私自身、まだまだ未熟者で、常に先人が製作した仏像を学ぶ必要があります。
そこで、私が今、一番心引かれ恋焦がれている仏様がいます。
それは、東京国立博物館にある聖観音菩薩です。
本館にて度々姿をあらわす仏様です。
作者は善円とされ、鎌倉時代の仏様です。
この仏様が何が優れているかを自分なりの見解でお話したいと思います。
1、全体のバランスの素晴らしさです。
これは、私が一目惚れした理由です。
優美な腰の動きは頭から足先にかけての絶妙な構成のなかで成り立っています。
作り手にとって繊細な細工や顔の表情よりも難しい表現で、私自身何度も研究を重ねて
製作にこだわっている部分です。
ここまで腰をひねっている観音様は他に珍しく、尚且つバランスを崩していない表現方法に魅了されます。
つづく