疫病退散明王 後ろ姿の美
仏像はうしろの制作表現を省略する傾向にあります。
正面から拝観し拝む対象物である事と光背等が覆い被さるため見えなくなる部分でもあります。
その為正面ほど繊細に表現する必要がないともいえます。
ですが、私は造り手として後ろ姿こそ美しくより繊細に表現したいと考えます。
正面はどうしても顔に目がいきがちで全体の形に注目されない傾向があります。
その反面後ろ姿は顔が見えないため全体の形がとらえやすくなるのです。
造り手としては顔以外に全体のバランスや細かな構成に、とても時間をかけて制作しています。
後ろ姿は、普段お見せすることが少ないですが『うしろの美』をより皆様に拝見していただきたい思いで、今後写真で投稿していきたいと思います。
侊慶