こいちゃんが朝から楽しみにしていたのはクッキーで作るクリスマスハウス。
クッキーで型抜きした家のパーツを焼きあげ、アイシングで接着し、ぼうろやマシュマロやラムネなど、普段はあげないような甘いお菓子で飾るのだ。
興奮するこいちゃんを公園に連れて行ったりしてごまかしながらなんとか晩御飯のハーブチキンやポットパイにたどりついた。
普段見ることのない大きなチキンやデザートのアップルシャーベットがなくなる頃、クッキーが焼き上がった。
昼間のうちに作ってあったアイシングで思い思いの飾りを付けながらここでも個性が発揮される。
神妙に、かつデザインを重視しながら綺麗に屋根を飾り付けるこいちゃんに対して、いっくんはつまみ食いばかりで仕事は殆ど進まない。
アイシングがよほど美味しかったらしく、折角家の形を作り上げたのに、アイシングを指で触って倒してしまう。
暖かい部屋が笑いと、叫び声でいっぱいになり、7時が近づいた頃「あれ!?なんか聞こえない!?」と私の大一声。
「ほんとだ!なんか鈴の音がする!」と伴侶が調子を合わせると、さらに私もたたみかける。
「2階から聞こえるよ!?もしかしてサンタが来たかな?!」
少々怯えがちな梢と樹と4人で2階にあがると、付けた覚えのない(ふりの)電気が煌々とついている。
おまけに窓も開いて(開けて)いる。
そして、ベッドの上に梢念願の木琴と、いっくんが食いついて離れなかった電車のオモチャが。
こいちゃんは叫び、いっくんも飛び跳ねた。
サンタさんにありがとうを言って、窓をしめ、1階におりると、子供たちはひたすらサンタに感謝しながら泣きそうに喜びながら木琴をたたき、電車で遊んだ。
あんなに楽しみにしていたクッキーのクリスマスハウスもそっちのけで、サンタが来た、サンタが来た、と大喜び。
苦労して人混みのトイザらスをねりあるき、別行動までしてレジにならんだかいがあったという物だ。
家族4人が、みんな本当にほっこりした気分で、楽しいクリスマスイブを終え、ベッドに入っても子供たちはサンタに貰ったプレゼントの話を嬉しそうに何度も話した。
翌日も木琴に夢中のこいちゃんは寝間着のまま木琴をたたきはじめ、いっくんもトイレも忘れて電車で遊んだ。
なんて無邪気で可愛い子供たち…
「ねぇねえ、おかあさん、サンタさんはこのオモチャを手作りするの?どこかで買うのかな?」とこいちゃんが聞いた。
「さぁねぇ。手作りかな」と夢を壊したくない私は言ったのだが、しばらくたった頃、いっくんの電車のオモチャの説明書を眺めていたこいちゃんが「トイザらスってかいてあるねぇ~、サンタさんはトイザらスで買ったのかな」とつぶやいた。
うむむむ、こいちゃんが真実を知るのはもう遠い話ではないのであろう…
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