「ローマの休日」は1953年、私が生まれる5年前に公開された映画です。
とにかくオードリーヘップバーンが可愛いです。
そして、ウエストの細さが尋常じゃない。
この作品は、イオンシネマ新百合ヶ丘で見ましたが、最初と最後に
あの淀川長治さんの解説が入っていました。
僕ら以上の年代にはお馴染みの「サヨナラサヨナラサヨナラ」も聞けて
懐かしかったです。
オードリーヘップバーンが演じるアン王女は、ヨーロッパの某国の王位継承者。
ヨーロッパの国々を親善訪問しているうちに、世話係が管理している過密なスケジュール、
更に、彼女が眠る時に安眠出来るからと言ってミルクとクッキーを勧めるなど
色々と押し付けられる事にほとほと参ってしまいました。
そして興奮して、周りの人たちを困らせてしまいます。
その結果、主治医に鎮静剤を打たれますが、薬が効く前に泊まっている大使館をぬけだします。
そして薬が効きだすと、大胆にも道端のベンチで眠ってしまいました。
そこに通りかかったのが、アメリカ人の新聞記者ジョー・ブラッドレー(グレゴリー・ペック)
家賃を2か月滞納するなど、あまり楽な暮らしはしていないようです。
仕方なく自分のアパートにアン王女(アーニャ・スミスと名乗っている)を連れ帰り、一晩泊めました。
当然ここで、ジョー・ブラッドレーとアン王女が結ばれる展開もあるわけですが
そうはなりませんでした。
ここで安易な展開にならない所も、この作品が70年経っても愛されている原因の一つではないでしょうか。
この晩のアン王女の、薬が効いている時のおしゃべりが何とも可愛らしい。
この作品の見どころの一つだと思います。
次の朝、ジョー・ブラッドレーは新聞記事を見て、アン王女の正体に気づきました。
でもアン王女は、ブラッドレーが新聞記者とは知りません。
そこでブラッドレーは、
「この王女の独占インタビュー記事をものに出来れば、俺の手柄になって、大儲け出来る!」
と思い、早速、友達のカメラマンのアーヴィングに連絡し、
新聞社の社長に「アン王女のインタビューが取れたら、俺にいくら払ってくれる?」
と賭けを持ち掛けます。
その後、アパートを出た王女をブラッドレーは密かに尾行します。
王女は寄宿先である大使館へは戻らず、サンダルを買い、髪の毛を思い切りカットし、ジェラートを食べ、
一人で行動する自由を満喫します。
頃合いを見てブラッドレーは王女に近づき、ローマの案内役を申し出ます。
自由な行動の楽しさを味わっていた王女は嘘の身の上を話し、申し出に応じました。
2人はスクーターに相乗りしてローマ市内を廻ります。最初はブラッドレーがハンドルを握っていましたが
そのうち王女が握って、危なっかしいハンドル裁きで運転を楽しみます。
その後合流したアーヴィングは、王女に煙草を勧めます。
そしてその時差し出したライター型のカメラで王女の写真を撮り始め、次々と撮り続けました。
その晩、二人はアーヴィングと共に川のほとりで開かれたダンスパーティーに参加する。
その一方、王女の行動を把握した王室は私立探偵を雇入れ、
彼らはダンスパーティーに紛れ込み、王女を連れ戻そうと試みます。
この時の乱闘騒ぎも、この作品の見どころの一つでしょう。
王女が、その場で演奏していたバンドのギターで、探偵の頭を叩くシーンは痛快でした。
そして王女とブラッドレーは、川に飛び込んで逃げました。
一日一緒に行動するうちに、心惹かれあう二人。
その後ブラッドレーの自宅でラジオのニュースを聞いた王女は
国民が自分の身を心配している事に気づき、大使館へ戻ることを決める。
ブラッドレーは王女を車に乗せ大使館までり届けます。二人は別れ際に熱烈なキスを交わします。
そして王女の言葉
「私が何処へ帰るか見届けないで下さい。貴方は、その角を曲がったらそのまま帰って下さい。」
ブラッドレーは王女との思い出を汚したくないので、
単独インタビューという大スクープ、大儲けのチャンスを捨てて、
アーヴィングが撮った写真を公開しないことを決心し、上司の要求も突っぱねます。
次の日の朝、王女の記者会見が開かれ、ジョーやアーヴィングが記者として最前列で構えます。
ここで王女は2人の正体を知りました。
ある記者が「今回訪問した中で一番印象に残った場所は?」と質問すると、
王女は少しためらったあと「ローマです」と答えました。
会見後の謁見の時、アーヴィングは、王女がギターで探偵の頭を叩く写真などが入った封筒を
「名所風景です」と言いながら手渡しました。
そして王女は奥の間へ消えていってしまいました。
もう一度出て来るのではないかと期待していたブラッドレーですが、それは叶わず、会場を後にします。
余韻の残るラストでした。