皆さんこんにちは。急に肌寒くなってきた今日この頃、いかがお過ごしでしょうか。今回はこの場を借りて夏休み中に行って参りました白浜での一回生旅行について語らせていただきます。お相手は私こと葦原、最後までお付き合いください。
さあ! 挨拶も終わったしテンション高くしていきましょう! 一か月も前のことだから冷静に思い出そうとすると曖昧な部分が多いんでね、勢いで押していきます。
このくろしお号に乗って新大阪からガタンゴトンと揺られて白浜へと赴いたのですが、くろしお号って初めて聞いたときは絶対船だと思ってましたのは俺だけじゃないはず。だって白浜だぜ? そこにくろしお号だぜ? そんなことより、東浦が切符配りを急遽人任せにしたりしたせいで一悶着ありました。皆さん、今度あいつにジュースでも奢ってもらいましょう。
僕がぐっすり眠っているといつの間にやら到着しており、まず予想よりずっと山が多いことに驚きました。ええ、ちょっと出端をくじかれた感はありましたね。案外海を前面には押し出してはいないようです。
気を取り直した我々はとれとれ市場へと向かいました。いやはや、西日本最大を自称するだけあって広い広い! ざっと見て回るだけでもだいぶ時間がかかります。そして試食コーナーの多いこと、小腹が空いたときなどはいいかもしれませんね。しかし、商品にはちょっと手が出ませんでした。いつも目にしないようなものばかりだったので相場がわからんのですよ。これは観光地価格で、道端のお店なら同じものがもっと安く置いてあるんじゃないか? とか考え出すと止まりませんね。財布のひもは固くなるばかりです。お昼御飯もここで食べたのですが、それはリーズナブルなお値段でした。海の幸が美味しかった……。
そうそう、道中でとても衝撃的なことがありました。木戸がワラジムシを知らないというのです。白浜全く関係ないですが聞いてください。 皆さん、ダンゴムシはご存知でしょうか。これには百人中百人頷いていただけると思います。そして男性ならば幼少期にダンゴムシを両手いっぱいに集めた経験がおありでしょう。その時、誤ってワラジムシをも捕獲してしまい、たいへん気持ち悪い気分になったこともあったでしょう。あの平べったいフォルム、ダンゴムシよりも数段速い移動速度。そして微妙な柔らかさ。こうやって要素を上げ連ねていくと、こいつはあのGの対象にも匹敵する嫌悪感を抱かせます。そのワラジムシを、木戸は知らないと言ったのです。もしも木戸が深窓の令嬢ならわかります。ダンゴムシに触れることもなかったでしょうしね。しかし彼はれっきとした男子です。東京生まれHIPHOP育ちで自然との触れ合いなどなく生きていたなら仕方のないことでしょう。だがしかしそうでもない! 我々と同じような街で育ち、同じような青春を過ごしてきたはずです。なのに彼はあの絶望感を知らない。僕は彼に劣等感さえ抱きました。何故に僕はあの時、たった一匹のワラジムシのためにそれまで集めたダンゴムシ全てを地面にぶちまけなければならなかったのか。僕と彼、種族は同じであるのにどうしてこうも大きな差が生まれてしまうのか。これが資本主義の闇なのか。ならばそれを正さねばなるまい。この不幸は例外なく平等に味わせなければなるまい。彼にもいつかワラジムシを握らせてやる。そう心に誓い、僕は今日も生きています。
閑話休題。
宿に着きました。ひとまずは荷物を持って一番広い部屋へと集合した我々は、その部屋の豪勢さに感動を覚えました。まず部屋が広い。六人部屋にしては困るくらいの広さです。設備も上々でした。テレビの画面は大きく画質も良好。エアコンは複数台。テーブルにはお茶菓子の用意までありました。そしてオーシャンビューです。
どうですかこの景色! 神戸港とは天と地ほどの差があります。盛り上がった一同は早速海へと繰り出しました。
はしゃぐ東浦。こかされる東浦。海へと叩き落される東浦。湧き上がる歓声。それを砂浜からオンラインで将棋を指しつつ眺める僕。実に平和で楽しげな光景です。安全地帯から見下ろす人の不幸は何物にも勝るエンターテインメントですね。格差って素晴らしい。
……、いえね、僕だって混ざるのはやぶさかではなかったんですよ。ただ水着の用意がなかっただけなのです。9月も末なのに、まさか海に入って大騒ぎするとは思っていなかったのです。見通しが甘かった……。しかし、海に入らずとも雰囲気だけで楽しめるものなのです。引率の先生にでもなった気分で彼らを眺めていると、不意に佐久間が近づいてきました。疲れたのかと思って声をかけてみると、彼はだしぬけにこういいました。
「お前今ケータイ持ってる?」
急にどうしたというのでしょう。連絡を取らなければならない事態でも発生したのでしょうか。しかしこの場には旅行に参加した全員が揃っています。これは裏があるぞ。僕の中で警鐘が打ち鳴らされました。ちなみに、当時僕のケータイは万が一にも海に落としたりしないように遠くに放置しておりました。これを正直に言ってしまったのが失策でした。ふと周りを見てみると、佐久間だけではありません。他の男子連中も海から上がってきているではありませんか。警戒レベルはマックスです。僕は一目散に走り出しました。ですが残念なことに、僕の足は非常に遅いのです。気の毒になるほどに遅いのです。それに地面は走りなれない砂浜です。加えて多勢に無勢。あまりにも分が悪すぎました。僕は脱兎どころか生まれたての小鹿にも劣る速度だったようで、まんまと皆に捕まえられ、神輿を担ぐように海へと連行されました。そして、せめて服を脱がせろという叫びもむなしく、僕は海に叩きこまれました。誕生日だというのに、なんという仕打ちでしょうか。僕は八つ当たりに東浦を羽交い絞めにしながら海面に顔を突っ込ませるという、周りで見てた人が若干引くレベルの攻撃をしました。さすがに申し訳ないと思っております。
さて、海と言えば恒例の人身御供。今回は井上が抜擢されました。その映像がこちら。
もはや誰か判別不可能ですね。体も何やら余計なパーツが多く、ある種のオブジェと化しています。珍しく被害者にならなかった東浦はとてもイキイキしておりました。
疲れ果てた我々は宿に戻って夕飯を摂ることにしました。一同が普段着でいる中、僕だけは服がなく一足先に浴衣となっていたのですが、事情を知らぬ従業員さんたちは僕を見かけると一瞬笑顔が固まりました。あなた方は何も悪くありません。ご安心ください。
さて肝心の夕飯ですが、これがまた豪華で!
この写真には見切れていますが他にも豚しゃぶや天ぷらもありました。どれもこれも美味しかった。ご飯が進む進む。猪俣なんか5杯くらいおかわりしてました。タイの兜煮がお気に入りでしたね。
すっかりご機嫌になった我々は温泉へ。と言っても露店風呂ではありませんでした。こうなると良い湯かどうかなんか素人にはわかりませんな。適当にくっちゃべって出ました。終わり。
再び例の大部屋に集合。予め買っておいた遊び道具を持ち出します。人生ゲームや人狼ゲームなどと並んで異彩を放つものが一つ。その名もラブジェンガ。簡単に説明すると、ルールは普通のジェンガと同じ。しかし、一本引き抜くごとにその棒に書かれている命令を遂行しなければいけません。商品名からもわかる通り、はっきり言って男ばかりでやっても面白いものではありません。紅一点で佐藤が居ましたが、なんか、彼女は、ねえ? 何が言いたいのかはご想像にお任せします。さて、そんなわけで誰もやりたがらないこのラブジェンガ。どうすんだよこれ、となったところ、なんと東浦が一人で始めました。
伊勢村しか彼を見てあげていません。哀愁漂う光景です。しかし、買ってきたのが彼ということを踏まえれば自業自得の気もします。だが安心しろ東浦。この前先輩方が艇庫で楽しそうに遊んでいた。お前にも見せてやりたかったよ。
さくっとジェンガを片付け、始まったのは人狼ゲーム。最近巷で噂のこのゲーム、それまで僕は一度しか経験がありませんでした。その時は碌にルールも理解せず、とりあえず延々と東浦を人狼だと投票し続け、最後には平気な顔して人狼だった藤野に殺されるという結末を迎えました。そんなわけであまりいい思い出のないこのゲーム、実はあまり乗り気ではありませんでした。しかしどうでしょう、二回三回と繰り返しルールを把握していくにつれ、僕はこのゲームにのめりこんでいきました。これでも僕は小学生の頃、幼馴染に「お前は将来絶対詐欺師になる」と言わしめた逸材です。大学の同級生ごとき騙せなくてどうしますか。そう勇んで挑んだこのゲーム、何回やったのでしょうか、いつの間にか朝日が昇っておりました。ここで分かったことがいくつかあります。まずひとつ、東浦が仲間になったら戦力は一人分マイナスとなります。そしてもうひとつ、詐欺師には僕よりも藤野の方が向いているようです。
そうそう、実は僕、皆が盛り上がってる中一時間ほど抜けたことがありましてね。どこに行っていたかというと、部屋の風呂場にいたんですよ。湯船には皆の洗濯物が入っており、それをお湯に浸しながらえっさほいさと踏んで洗濯していたわけであります。それはもう丹念に。こんなこと自分で言うのもなんですが、けっこう頑張りました。誰か僕を褒めてください。 指名できるのなら守屋か佐藤がいいです。男子に褒められたって反吐が出るだけです。でも本当に感謝なんかされたらばつが悪くなるのでやめてください。あと皆が知らないことと言えば、洗濯が終わった後、シャワーを浴びたんですよ。それでですね、まあ当然全裸になってるじゃないですか。深夜じゃないですか。頭が多少おかしくなってもいいじゃないですか。皆が人狼やってる隣の部屋で「ポゥ!」とかやってたんですよ、全裸で。とても気持ち良かったです。あの時襖開けられてたら僕は身投げしていましたね。
でもいいんです。素面でも頭のおかしいのがメンバーには居てくれます。それが米沢です。
見てくださいこの醜態。左が米沢です。これ、カメラが向いてるから面白いことしようとしてるんじゃないんです。こういうことやってる時に目ざとくカメラを向けた有能な人が居ただけなんです。僕とか中辺なんか全然マシな部類の変人ですよ。迷惑かけませんもん。 この話を続けているといろんな人を敵に回しそうなのでこの辺で。
長くなってしまったので二日目は巻いていきます。そろそろ書くのも疲れてきました。
朝! バイキング形式! 飲み物は牛乳以外有り得ない! てか徹夜明けだから眠い! チェックアウト! お世話になりました!
なんか近所にあった温泉入りに行ったよ! 僕は「そんな暇あったら寝る」とか空気読まずに言って石の上で寝たよ! 管理人らしいおばちゃんが驚いてたよ!
変な洞窟に潜入したよ!
雰囲気あるね。波の音がうるさいね。満潮の時だけ見られる光景とかあったらしいけど、僕らが行った頃は思いっきり干潮だったよ。いつかリベンジしに来たいけど、入場料千円と考えると足が止まる。そのくらいの観光地だったよ。目の前にある足湯に東浦が一人で浸かってました。見てるこっちまで寂しくなりました。
お昼ご飯! ラーメン! 和歌山ラーメンとか言われても正直あんま普通のラーメンとの違いが判りません! でも美味しかったです! これに関してはまた食べに行きたいと素直に思えました。
よし! 終わりだ! 電車に乗って白浜にさようなら! 電車内での大富豪、僕は常に富豪と平民を行ったり来たりして、ちょうど大富豪になった状態でお流れになるという、最高のシチュエーションでした。ひれ伏せ貧民ども。
さて、大阪で晩御飯を食べて、長かったこの旅行もいよいよ終わりを迎えました。かといって何をするでもなく、飯を食い終わった人が順番に店を出ていくというグダグダの結末でした。疲れてたんです。
旅行の質は食事が八割方占めると聞いたことがありますが、そういう意味では満点の旅行だったんじゃないかなと、僕個人としてはそう考えております。また来年も行きたいですね、頼んだぞ東浦。幹事は任せたくないが、企画立案はお前の仕事だ。あとはしっかり者がやってくれるさ。あと、来年は今年来れなかった奥中や守屋、高橋とも一緒に行きたいですよね。……忘れてるやつ居ないよな? 居たらゴメン。
回生旅行の感想はこれにて終了です。長々とお付き合いありがとうございました。 それではみなさん、また逢う日まで。お相手は葦原でした!
楽しんで貰えたらよかったです。
大富豪で11連敗したのを思い出したw
人狼もしましたが、今思えば騙る奴がいなかったなぁ