4代目にフルモデルチェンジした今年3月は販売台数で前月フルモデルチェンジを果たしたトヨタのヤリスを約1700台上回ったホンダのフィットですが、今年4月~9月の販売台数ではヤリスが79400台販売したのに対し、フィットは50521台と差を付けられているそうです。
最近思うのですが、21世紀のトヨタとホンダ及び日産の販売戦略の差が、具体的に示された例だと思います。
プリモ店とクリオ店とベルノ店統合してホンダカーズに統一したホンダに対してトヨタはトヨタ店とカローラ店とトヨペット店とネッツ店を維持し、北米で展開していたレクサスも導入して販売網巡らしてブランドを確立。
一方のホンダは北米でレクサスのライバルであったアキュラの導入を見送り、ホンダカーズ統一と合わせて車種の整理し、所謂集中と選択で一時的には潤ったのかもしれません。
しかしながら、F1に代表されるスポーティーなイメージやVTECという技術、日本的でスタンダードなトヨタに対してアメリカンナイズされつつもラテンなヨーロピアンといいたホンダのブランド力は落ちてしまったと思います。
加えてホンダは先代のインサイトでハイブリッドの先陣を切るも後発のトヨタのプリウスに性能でも価格でも徹底的にやられてしまったことも、ブランド力の低下位に拍車をかけてしまったと思います。
これはインフィニティの導入を見送って車種を絞りに絞った日産にも当てはまると思います。
立ち上げ当時は苦戦が報じられたレクサスよりもアキュラやインフィニティの導入を見送ったホンダや日産の経営判断は正しいと思っていましたが、今の差を見るとそれは間違っていたと思います。
そして、話をフィットとヤリスに戻すと、満を持して9年ぶりのフルモデルチェンジで名前を世界共通のヤリスと改めて再び世界戦略車としたトヨタに対して装備差によるグレード展開からライフスタイルに合わせたモデル展開と打ち出したフィットとではそもそも差があると言わざるを得ません。
世界戦略車故にWRCにも参戦し、それをフィードバックしたスポーツモデルも展開するヤリスに対してフィットはスポーツモデルは用意されずにF1撤退と真逆の方向だと思います。
また、フィットにも用意されるホンダのe:HEVもその良さがイマイチ伝わってないと思います。
日産のePOWERはもちろんマツダのスカイアクティブXの方が目立っていると思います。
。そのマツダで思い出したのですが、フィットのCMで奥田民生の歌声を聞くと、奥田民生はマツダじゃないかと思ってしまいます。もその
一方のトヨタはそもそもハイブリッドで実績を作り、リードする存在にまでなっていると思いますし、こなれたトヨタに対してホンダはe:HEVでフィット自体の敷居を高くしてしまっていると思います。
そして、ヤリスのデビューに合わせてネッツ店の専売だったヴィッツからトヨタ店とカローラ店とトヨペット店でも買えるモデルとする、でも販売店は統一しない。
ヤリスではなく、モデル末期のアクアのCMが流れているのを見て、トヨタはトヨタ内での競合を図ろうとしている印象を受けました。
その傾向はアルファードとヴェルファイアだったり、クラウンとレクサスから狙っていたと思っているのですが、販売店を統一せずに販売する車種をどの店舗でも買えるようにすることで価格の競合からモデルの競合へとシフトする狙いがあるのではないかと思っています。
対するホンダはブランド力の立て直しと販売網を戦略的に整える必要があると思います。
その一つとして、他社よりも居住スペース作りに優れる、これをもっと打ち出しても良いのではないかと思います。
ただ、そこにe:HEVが欠かせないといのうであれば、いよいよNシリーズを極めるしかないと思ってしまいます。
それがポジティブであれば、それも一つの戦略だと思います。