2週間ほど前に、007シリーズ最新作の「スペクター」を観てきましたが、自分の中で感想を整理するのに2週間かかりました(以下、ネタバレするかもしれないので、まだ観ていない人は注意してください)。
ショーン・コネリーの初代のジェームズ・ボンドとジョージ・レーゼンビーの2代目のジェームス・ボンドの宿敵スペクターが7作目「ダイヤモンドは永遠に」以来復活すると言う訳で、シリーズ50周年記念作となった前作「スカイフォール」以上にこれまでのシリーズ(特に60年代~70年代前半の007)へのオマージュが濃く、思わずニンマリするシーンがありました。
また、公開前にはカッコ悪いと思っていたアストンマーチンのDB10ですが、スクリーンで観るとエクステリアは悪くないと思いました。
それと、ボンドガールのレア・セドゥが良かったです。
ただ、良かったのはそれだけ。
前作「スカイフォール」がシリーズワーストだと思う僕は、「スカイフォール」を手掛けたサム・メンデス監督や脚本陣が続投した時点でダメかもしれないと思いましたが、やっぱりダメでした。
製作費は007シリーズ最高額を投じられたそうですが、前作「スカイフォール」同様これまでの007にあったゴージャス感がないと思います。
むしろ、前作「スカイフォール」と同じ様にコストダウン感が著しいと言うか、安かろう悪かろうになったというか。
DB10の秘密兵器のスイッチは雑で、オメガのシーマスターはロレックスのサブマリーナのパクリ品で、前作「スカイフォール」のワルサーのPPK並みのガッカリなギミック。
スーパーカー好きのオフ会のようなスペクターの集会と、テレビショッピングのコールセンターみたいなスペクターのアジト。
それらに順じ、そこから飛躍しないプロット。
唐突に出てくるときたものもあれば、振った割には投げっぱなしで、張り巡らされているようには見えない複線。
突然始まるラブシーン、宣伝した割には、カメオ出演並みのモニカ・べルッチ。
製作費は007シリーズ最高額を投じられた分、前作「スカイフォール」みたいなショボさはないです。
ただ、とにかくすべてが雑、、、。
そして、007シリーズを21世紀にも通用する作品に仕上げたと同時に007シリーズ屈指の名作になったと思う「カジノ・ロワイヤル」と「慰めの報酬」もこれまた雑に「スカイフォール」や「スペクター」とリンクしてくれたことで、「カジノ・ロワイヤル」と「慰めの報酬」も台無しにしてくれたと思います。
ダニエル・クレイグがボンド続投に否定的だそうですが、このまま降板してください。
ダニエル・クレイグのジェームズ・ボンドは「慰めの報酬」で歴代最高のボンドだと思いました。
ですが、それはボンドを描き直したからであって、ショーン・コネリーのボンドや3代目のロジャー・ムーアのボンドの真似をしているようなスカイフォール」&「スペクター」のダニエル・クレイグのボンドは魅力的が半減ですし、アストンマーチンのDB5が似合っていません。、
そして、サム・メンデス監督と「スカイフォール」&「スペクター」と脚本陣に他の出演者も一新し、次回作からはピアース・ブロスナンのジェームス・ボンドの続きに戻して欲しいです。