1998〜2002 Greco Phoenix Bass PXB-L400 / MGS 空前のバンドブームが起きた80年代後半にプリンセスプリンセスが使用してブレイクしたガールズバンドに愛されたベース
1998 GRECO PXB-L400 / Metallic Green Sunburst ( Made in Japan )
MADE IN JAPAN by Dynna Gakki Factory
SOLD OUT
〜2002 Years Discontinued
MADE IN JAPAN by Dynna Gakki Factory
A=朝日木工 B=不明 C=ダイナ楽器
シリアルナンバーは年度を示さない通し番号。B02シリアルは97年製にも存在。03は2003ではない。2003年にはモデルチェンジする。
GRECO Phoenix Bassの歴史〜1988年頃にSPECTORベースの流行を受けて神田商会がグレコオリジナルベースとして発案。折からのバンドブームを受けて1989年に発売。先行して発売されたプリンセスプリンセスのギタリスト、中山加奈子モデルのSGタイプと合わせるようにベーシスト渡辺敦子モデルも追って発売。型番にP2が記載されるのが、プリンセスプリンセスモデル。
さて…正直な話しをするなら、2023年という昨年までの数年…
少なくともこのGRECO Phoenix Bassに正しい商品説明が成されて販売された例は殆ど皆無…と言っていいだろう。
インターネットが普及し、当たり前になった現代。かつ本来なら専門店で買うべき楽器は今やリサイクルショップでも販売されている。
コレが何を意味するか?と言うと…専門知識がないリサイクル系買取業者は、なんでもかんでも検索して判断する。ヤフオクの落札額から逆算する愚かな業者も数知れない。何故ならヤフオクが成立しているのはガラパゴス日本だけであり、ヤフオクで安値で楽器を落札しているのは、海外に拠点を持つ落札代行業者だから…である。
無責任とノークレームノーリターンがまかり通る世界では、一般的な購入者、いわゆる需要がある利用者すら萎縮させてきた。
ノークレームかぁ…リスク大だな。相場よりかなり安くない限り買えないな…
こう考えた一般ユーザーの代わりに現れたのは、いわゆるヤフオクで仕入れようとする業者だ。国内外問わず…マーケットとしては健全とは言えない状況から、知識ない者が値段を設定して、検索した情報のウラもとらずにコピペして販売する。
そんな事がまかり通ってしまった国は、日本だけである。いわゆるグレコフェニックスベースが勘違いされた原因もここにある!と断言してもいいだろう…
ちなみに空前のバンドブームが到来した80年代から90年代にかけて…
音源を発売するレコード会社はもちろん、特定のジャンルに限らずに…音楽業界的には潤っていた。人々が一億総中流社会と呼ばれた時代ならでは…の購買意欲や経済を回す形だとしても、人々は豊かになりかけていた。
敗戦国がここまで早く復旧して、先進国の仲間入りを果たせる所まで来た…
そう考えた人も少なくないだろう。
そんな時代背景だからこそ、日本初のメンバー全員が女性…というガールズバンドブームが到来する。
そして大ブレイクのキッカケになったアルバム「Let's Get Crazy」
アイドル路線から方向転換しただけに、このアルバム内ではスタジオミュージシャンの演奏によるテイクやパートも少なくない。ただし重要なのは…それを再現、完全コピーにメンバーが取り組んで来たからこそ、得られた成功であり、ビジネスである以上は正解だった事になる。
プリンセスプリンセスの名誉の為に記しておくなら、そう言った事情は「当たり前」にあった時代になっていた。男闘呼組もそうだし、日本のマーケットでは「時間を重視」した。成長を待つより音源はパーフェクトに…と。
そう言う意味から解釈するなら、バンドブームに一般層を取り込む必要性があり、「ロックやバンドは不良がやる事」と言うガラパゴス日本的な概念を覆す必要性があった。
あの六本木心中が大ヒットしたアンルイスのバックバンドは、かなり実力派のミュージシャンを揃えたPINXだった…にも関わらず、あの名曲でギターソロをレコーディングしたのは北島健二氏だ。
そして重要なのは、上記でナビゲーターを
している元ハウンドドッグの西山毅さんも国産ギターをメインにしている。
以前勤めていた某楽器店でプロモーションビデオ撮影中に、とても興味深い話を西山毅さんから伺った事がある。
「大友さん、店内に一度も来ませんけど…」と気を遣って西山さんに声をかけると、「 楽器に興味ないんじゃないですかね?」
後のハウンドドッグ分裂騒動を予見していたかのような西山さんの発言に、自分は考えこんでしまった記憶がある。
それでも…楽器屋サイドとしては、やはりバックを務める「バンドあってこその成功論」を支持したい。
歌謡曲や演歌の世界が中心だった邦楽では、歌い手だけが脚光を浴びるケースが多かった…
そこが、そもそも「世界との差」が未だに縮まらない理由かもしれないし…バンドブームの時代には、むしろ「アイドルなんてダサい論」が支持される時代だった…
現代日本は、あらゆる意味で「後退」しているからガラパゴス日本などと呼ばれる事を理解出来ている人がどれだけいるだろうか?
プリンセスプリンセスのブレイクにより、最もマニアックで、ファッションもダサいと呼ばれた「ヘヴィーメタル」がお茶の間に受け入れられたのも…SHOW-YAが「重い扉」を開けたからであり、聖飢魔IIや以降のX-JAPANの成功も、決して彼女達と無関係ではない。
事実、80年代初頭に起きたジャパメタブームはごく一部のバンドマンや、そういったジャンルのロックが好きなキッズの間では盛り上がったものの…お茶の間的な市民権は得られなかった…
あるギター雑誌のキャッチコピーだった…と記憶しているが…
みんなグレコで大きくなった…
は名キャッチだと、筆者は今でも思っている。
現代では許されない本家のコピーにある程度寛容だった時代に…日本製ギターはギブソン、フェンダー、マーチンと言うアメリカのトップブランドのギターを研究し、それこそ寝る間を惜しんで開発にあたった日本人がたくさんいた…
本家に追いつけ、追い越せ!は楽器だけに限った話しではない。車やバイク、電化製品の世界でも全く同じだった。
高嶺の花のような価格帯ではない、良質なギター、楽器、車、家電…
それこそがモノづくりニッポンとすら呼ばれた昭和を生きた人達のパワーと惜しみない努力がもたらした結果ではないだろうか?
再度グレコフェニックスベースを観て頂きたい。随所に記載されるMade in Japan
ポジションマーク一つ取っても、丁寧で美しい仕上がり。フレットのバリなど26年経過しているにも関わらず皆無な良質な指板。今では伐採に規制すらあるローズウッド指板だけを見ても…
復刻版をメーカーが作ると、こういう価格になる現実を知って欲しいのである。↓
そのジャパンヴィンテージと呼ばれた楽器の発売時定価など無意味であるべきだし…
正しいのは海外相場の方だ。
20万払っても指板はパーフェロー。この良質なローズ指板では手に入らない。
それでも…「ジャパンヴィンテージなんて高いよ?楽器屋が仕掛けた単なる企画さ。」と思う方には何を説明しても「猫に小判」である。
僕等は少なくとも楽器のプロとして、間違えてもこうはなりたくない。↓
そして海外にどんどん流れてしまう日本製の良質な楽器は、世界基準の価格となる。
筆者は日本製の楽器を安く売る時点で、そんなところからは何一つ買いたくない。
寝る間を惜しんで努力をしてくれて、メイドインジャパン自体がブランドと呼ばれるようにしてくれた先人の為にも。
(グレコギターがフェンダージャパンになる事によって日本の楽器は飛躍的に成長した。そして一般人が買える価格帯をラインナップした努力によって楽器人口が増えた事を忘れてはいけない)
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