京都園芸倶楽部の元ブログ管理人の書笈

京都園芸倶楽部のブログとして2022年11月までの8年間、植物にまつわることを綴った記事を納めた書笈。

蕾をつけていたとは花が咲くまでつゆ知らず

2022-10-07 18:42:51 | 研究・教育・体験
昨秋に鴨川河川敷で摘み取ってハーブティーにしたりして楽しんだ後、残った茎を水挿ししたら発根したので鉢植えにしてみたハッカ(薄荷)ですが、知らぬ間に花を咲かせていました。




さすがミントの仲間なので、今春に小さなプランターに植え替えた途端、あっという間に鉢いっぱいに広がりま、茎は外へ飛び出してあちこち這い回っていました。昨年末の寒い最中に、すでにこんな感じで茎を伸ばしていたので、強いはずです。


ハッカの匍匐枝(過去記事より再掲)


今年は春から夏にかけて、ベランダにハッカの匂いが漂い、葉はハーブティーなどにして楽しめたのですが、一向に花は咲く気配がなかったので諦めていたら、ひと枝だけ花序をつけていました。

ところで、このハッカを当初はワシュハッカ(和種薄荷)と思い込んでいたのですが、葉のかたちや葉柄の長さなどを調べてみると、どうやらヨウシュハッカになるようです。ただ鴨川河川敷にはワシュハッカも生育しているそうなので、ひょっとしたら交雑している可能性もあります。

植え付けまでの経緯は昨年末までに何度か投稿しましたが、これが最後に記事になるようです。それまでの記事もハイパーリンクで拾えるようにしてあるかと覆いますので、ワシュハッカをヨウシュハッカに読み替えて、お時間ありますときにでもどうぞ。


思いがけず花期ぎりぎりに花も楽しめたので、鼻と口だけでなく目でも楽しませてくれました。ほとんど手を掛けずに栽培したハッカでしたが、それだけに感謝の一言です。
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陰干しすること、およそ1か月……

2022-09-21 18:08:36 | 研究・教育・体験
先月の8月下旬に「できあがりはこちら」の題名で投稿した透かしほおずきですが、その後1か月ほど水切りネットに入れて風通しのよいところで陰干し(という名目で放置)した結果、現在の様子がこちら。



写真では伝わりにくいのですが、網目の色が褪せてきて、中に入れたままの実もじわじわと水分が抜け出して萎み始めています。萼の網目も出来上がり直後だと実の元々の色が残っていましたが、全体的に白っぽくなっています。ちなみに、水から取り上げて古い歯ブラシで軽くこすって仕上げた状態が、前回の記事の冒頭に掲げた写真。

出来上がり直後の透かしほおずき(過去記事より再掲)


実の張りが違うことだけは伝わるかもしれません。実が萎びたうえに柄から外れてしまったものもあり、チリンチリンとはなりませんが鈴みたいになっている透かしほおずきもあります。




こちらは赤く熟れずに青いままの状態だった2つの実のうちのひとつですが、実がしっかり膨らまないうちに水に浸けたからか、出来上がり時点で実がありませんでした。実を取ってしまってもきれいかもしれませんね。




なんとなく落ち着いた姿になってきたものの、さて何に使おうかと思案しています。最初に思いついたとおりガーランドライトを包んでみるか、あるいはクリスマスリースの飾りにでも使うか、どうしようかな?
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ビオトープにも秋の足音

2022-09-13 19:11:45 | 研究・教育・体験
ブログ管理人が個人的に参画しているだけなのですが、一昨日の日曜日は東山いきいき市民活動センター中庭にある「まちなかオアシス」と銘打ち、交流の場として活用しようとつくられたビオトープの整備活動日でしたので、午前中から暑い日でしたが、除草作業などに精を出してきました。

ビオトープと言っても自然環境保護を目的としたビオトープではなく、憩いの場や癒しを与えるガーデニング分野のビオトープですので外来種や園芸植物も植えております。

うっかり整備前を撮り忘れたので、整備後の状態だけでご勘弁。



自然に任せた状態も考慮していますが、放っておくとただの原っぱになってしまうので、憩いの場や癒しとして機能する程度の整備をしておかないと利用価値がなくなるので、最低月1回のペースで作業を行っています。

除草した直後に撮影したので、写真ではただの原っぱにしか見えないかもしれませんが、近づいてみるとさまざまな花が咲き始めており、当日は真夏のような日差しの中でも秋を感じることができました。

まずはニラ(韮)の花。ミソハギ(禊萩)の花もまだ咲き続けています。



そして、ようやく咲き始めたハナトラノオ(花虎の尾)の花。見えるところには花穂を伸ばした株がたくさんあるのですが、雑草に埋もれたところにあった株が花を咲かせていました。



白花のミズヒキ(水引)であるギンミズヒキ(銀水引)も咲き始めました。



先月は色づき始めだったコムラサキ(小紫)の実もその色をだんだんと濃くしていました。



たった一株だけですが、ヒガンバナ(彼岸花)の花蕾も大きく膨らみ始めていました。お彼岸の頃に開いてくれるとよいのですが。




ススキ(芒)も花穂を伸ばしていましたよ。前日の土曜日が十五夜でしたので、当日が十五夜であったら家に持ち帰って飾り、名月を愛でるのもよかったのではと思いましたが、その点はちょっと残念。もちろん十六夜の月を愛でてもよいのですが。



また、ビオトープ内ではなく、ビオトープがある中庭を囲む生け垣に利用されているカナメモチ(要黐)の根元近くで見つけたのですが、シュウカイドウ(秋海棠)も花を咲かせていました。カナメモチの木陰で少し湿った環境が合っているのかもしれません。



こちらは同定できていませんが、野菊の花も数輪だけ咲いていました。イナカギク(田舎菊)かシロヨメナ(白嫁菜)かと思いましたが、菊の同定は難しいので、諦めました。



1時間程度の整備活動でしたが、ひさしぶりに私を含めて5人のメンバーが集まることができたので、いつも以上に作業が捗りました。

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さて、諸事情で2か月ほど前からリーダー代行を任せられているので、ちょっとだけ宣伝を……

東山いきいき市民活動センターの中庭にあるビオトープは毎月第二日曜日を定例整備活動日として作業を行っており、それ以外の日も入れる日は作業するようにしているものの全員が集まれる日を見つけることが難しく、人手不足を痛感しております。

ちょっと興味あるかも、どんなのか見てみたいかもという方、毎月第二日曜日の午前中は活動していますので、どうぞ東山いきいき市民活動センターまでお越しください。
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できあがりはこちら

2022-08-26 18:09:09 | 研究・教育・体験
先週の木曜日に「上手にできるかな?」というタイトルで投稿したホオズキ(鬼灯/酸漿)ですが、水に浸けることおよそ1週間で取り出してみて、使い古しの歯ブラシで仕上げてできたのがこちら。



はい、いわゆる「透かしほおずき」です。萼の葉肉部分だけが水に浸けることで腐敗して落ちてしまい、水が行き来する道管や栄養分が行き来する師管、そして葉や額を支える傘の骨のような役割を果たす葉脈だけが残った状態です。実は張りのある状態で残っていますが、そのうち萎んでくると思います。



漂白すれば真っ白になるのですが、赤く熟れたホオズキはうっすらと朱色に、熟れる前の実はうっすらと黄緑色に染まっているので、これはこれできれいと思い、漂白せずに置いています。

このまま飾りとして使うのもよいのですが、適当な時期に中の実を取り除いて、小さな発光ダイオードを利用したガーランドライトに被せてランタンみたいにしてみようかなと思っています。




いろいろ利用できることがありそうなら、また投稿してみたいと思います。

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ホオズキと言えば、外来種ですが、昨秋にこちらの記事でも紹介した、センナリホオズキ(千成鬼灯)の別名でもよく呼ばれるヒロハフウリンホオズキ(広葉風鈴鬼灯)が鴨川河川敷に生えていたことを思い出しました。

ヒロハフウリンホオズキの花(過去記事より再掲)


ヒロハフウリンホオズキの実(過去記事より再掲)


帰化植物が生えている状態はあまりよくないことかもしれませんが、今年も生えていることが確認できて実が採集できれば、ヒロハフウリンホオズキでも「透かしほおずき」を作成してみようと企んでいます。
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上手にできるかな?

2022-08-18 19:53:27 | 研究・教育・体験
今週末あたりにちょっと早めの地蔵盆が始まるかもしれない京都の盂蘭盆は月遅れ盆で、8月7日の七日盆を盆の入りとして、市内東部にお住まいの方なら7日から10日まで六道珍皇寺の「六道まいり」に、市内西部にお住まいの方なら7日から12日までの間に千本ゑんま堂へ参拝し、迎え鐘をついたりしておしょらい(精霊)さんをお迎えする精霊迎えをし、16日の五山送り火で精霊送りで盂蘭盆を終えるのが習わしといえるでしょうか。

そして、精霊迎えでおしょらいさんをお迎えして、行燈として精霊棚を飾ったりするため、盂蘭盆に欠かせない植物のひとつにホオズキ(鬼灯/酸漿)があるでしょうか。




御盛物のホオズキはお焚き上げ等で片付けるとして、別途あらためて購入した小さめのホオズキで、以前からやってみたいことに挑戦してみました。

とりあえず、実を枝から切り離して……



使わずに取り置いたままのインスタントコーヒーの瓶に水とホオズキの実を入れて、水から出ないようお猪口を重石にしてから蓋を閉めて、日当たりの良い窓際に置いています。



この時点で、何を作ろうとしているのか、わかる方にはわかるでしょうが、来週末あたりにでも、出来上がり作品をお見せできればなあと思っています。ただいま作成中ですので、しばしお待ちを!
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