暦の上では冬になって1週間経ちますが、ようやく紅葉も進み秋本番といった京都です。昨年、一昨年とコロナ禍で何かと規制があった2年間と比べ国内外問わず観光客が増えたように感じます。そのような中、哲学の道やその周辺を歩いていると小さな秋を見つけました。
まずはロウヤガキ(老鴉柿)の実。昨年に比べると実のつきが少ないようで、観賞用であっても隔年結果となるのか、ほんのちょっぴりの実が枝にぶら下がり色づいていました。
そして、もう葉だけでなく実も落としているものも散見しますが、こちらはしっかり実をつけて葉も青々としていたコムラサキ(小紫)です。
たいていはムラサキシキブ(紫式部)と呼ばれますが、本来のムラサキシキブは実がまばらにつき、葉の鋸歯が基部まで入るようです。対してコムラサキはきれいにまとまって実がつき、葉の鋸歯は先端から中程までで、基部に鋸歯は見られないとのこと。この写真だと葉の状態はわかりにくいですよね。
そして、大豊神社の参道沿いの花壇では、名前に秋とつくアキチョウジ(秋丁字)の花も少しだけ咲いていました。ただしアキチョウジと名札が添えてあったのですが、萼の先が尖って花柄も長くてまばらに咲いているのでセキヤノアキチョウジ(関屋の秋丁字)かもしれません。
アキチョウジは愛知県以西の西日本に分布し、セキヤノアキチョウジは中部地方から関東地方にかけて分布するそうです。セキヤノアキチョウジの関屋とは関所の建物のことを指すそうで、関所で有名な箱根でよく見られるアキチョウジということで名付けられたそうです。
この秋も足早に去っていきそうな気配ですが、まだまだ秋色に染まる京都のひとこまでした。