「京都・北山丸太」 北山杉の里だより

京都北山丸太生産協同組合のスタッフブログです

Global forest 北山杉の里

2012年05月29日 | 北山杉体験・研修

三ヶ日中学校の修学旅行生たちが帰途につかれたあとはタイからのお客様。

それもタイ王室森林局(RFD)林業研究開発部からの視察団です。(お偉いさんf^^;)

RFDというのはタイ国政府組織で、業務内容は日本の林野庁に担当します。そして林業研究開発部は付属の研究組織です。 

 

タイでは育成林業は民有地で1994年頃から植林が始まりましたが、密度管理・枝打ちで効率的に丸太を生産する技術研究の蓄積が乏しいとのこと。先日インドの記事でも触れましたが、当時行われたJICAプロジェクトでは行政ベースで行われたうえに十分農家に浸透しているとは言い難い現状です。

2006年から国際農林水産研究センター林業領域は、RFDの林業研究開発部と中小規模農家を対象にした郷土樹種による農林複合経営の展開と普及技術に関する共同研究プロジェクトを始めました。現在、2011年から5か年計画の第2段階に着手したところで、間伐による効果的育林技術やチーク材林産物需要活性化などに関する課題研究を行っているところです。

…あぁ難しい。でも、豊かな森林を持つ国は同じ悩みを抱えているのです。それを国家規模の研究機関を通じて改善の努力をしている。厳しい北山杉の現状から見ると羨ましくも思えますが、枝打ちや加工・製品化などを視察に来てくださるからには私たちはその技術に誇りをもって対応しなくてはいけません。誇りだけでは食べていけない世界なのも事実ですが・・・

 

その、枝打ちの実演をじっくりと視察。あんなに高いところで枝を落としては隣の杉にスルリと移っていく職人さんの姿は圧巻です。

 

そしてこむきと砂磨き。今ではほとんど砂で磨くことはありませんが、かつてそうであったこと。それが菩提の滝で取れる特別な砂であることを説明すると…

 

砂を手に取って触ってみられます。指でつまんでころころしているといつの間にか溶けて無くなってしまう菩提の砂。それが丸太にはやさしく輝きを生み出したのです。

キャップの文字が妙に嬉しく思えてしまいます。

 

立礼式のお茶室で、取り替え可能な床柱をパチリ。

面皮柱には驚きもありました。少しだけ丸みを帯びた絞り模様の部分。「聞かなかったらここだけ削りわすれたんじゃないのって思うかも」と素直な感想。文化の違いとはこういう所に見え隠れします。

粋をどこに感じるか。語り継がれた歴史。逆に他の国でも知られざる特色があって、私たちが学ばないといけないことも多いはずです。 

 

お一方は体格もよろしく、チョット上様のマツケン似。「これも杉?」「これはヒノキ?」「この照明はいくら?」など加工した製品にも積極的に目が行くようです。研究プロジェクトの目的を確実に遂行されています。

 

テラスでもタルキやヒノキの柱をチェックしながら、構造材との使い分けを写真に収められます。

タイでは最近、レストランなどで木材をインテリアとしてデコレートすることがあるそうです。タイ風床柱かな?

ただし、そのために伐採することは禁じられているので立ち枯れた木でなければならないのです。

そう思うと、北山丸太は化粧材ですから日本は贅沢ですよね。

 

そうこうしているうちにタイ王室森林局林業研究開発部の皆さまは視察を終えられて次なる視察先へと。

両手を合わせて「コップンカ~(ありがとうございました)」と言う間もなく「アニョハセヨ~」?!!

 

韓国慶北道 山林施設研修団の27名が突然のご来場~!

これだけ大人数だと賑やかで活気があります。けれども大変礼儀正しく、流石に徴兵制度のあるお国だと思いました。

日吉町森林組合、綾部の京都府森林組合連合会・京都木材加工センター、和知の京都府林業大学校、ウッディ京北、他にも数か所を4泊5日の日本滞在で回られたとのことでした。

何かもう皆さんから森の香りがしてきそうでしたが、強行軍の中、北山杉の里にもお立ち寄り頂き北山丸太が出来るまでのビデオが終わった瞬間には全員で拍手喝采。心に響くものがあったのかなぁと感動しました。

個人的には韓国の伝統的な家屋「韓屋(ハンオク)」の事をお尋ねしたかったのですけど、時間もままならずみなさん「アンニョン ヒ カセヨ~」と手を振って帰っていかれました。

 

まったくグローバルなここ北山杉の里は明日はどの国からのお客様を迎えるのでしょうか?

世界各国語で挨拶を言えるようにしておかなくちゃ! 

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