京都府が発表した昨年の京都市を除く京都府内観光客数は、震災などの影響もあり前年比86万人の減少となりました。全国統一の共通基準では市の特性が反映されないとして京都市の観光客数は公表されませんでしたが、市内の年間宿泊者数は海外からも含め、4月は大幅に落ち込んだようです。
そんな中、修学旅行生は西日本の需要が伸びたことで前年とほぼ同水準の107万人が訪れました。この中にはきっと北山杉を見に来てくれた学生さんもいることでしょう。街なか以外にもたくさん見どころのある京都市ですが、今月はやっぱりコレ!
日本三大祭りの一つ、「祇園祭」です。梅雨のさなかの真夏日。京都も33℃を超える中、祇園祭りの鉾建てが始まりました。今日から16日の山鉾巡行までコンチキチン♪コンチキチン♪とはんなり、賑やかな祇園囃子が四条界隈を埋め尽くします。
この方が宵宮に浴衣姿で行かれるかどうか・・・はまだ聞いていませんが、京都に魅せられて、いや北山杉に魅せられてこ~んなリフォームを成し遂げました。
「何ということでしょう!」(笑)なお家をご紹介しましょう。
右京区梅ケ畑。近くには平岡八幡宮や占いで有名な某氏の邸宅があり、自然豊かなところにその家はありました。
エクステリアは普通に洋風な感じですが、む!表札にチェキ!これは後で聞くとして…
「ごめんくださ~い!」
ドアを開けると、木の香りと共に目に映ったものは、北山丸太!
3階建てのこのお宅。まさか玄関だけではあるまいと胸がドキドキしませんか?
それではお施主さんの夢が現実となった、このリフォームの全貌をご覧いただきましょう(かなりパクリ気味f^^;)
上がり框の右手には5本のタルキ。それぞれが様々な表情を持ち、窓からの光を受けて優しく、入ってくる人を出迎えてくれます。
今年の2月、生産組合の駐車場に止まった1台の青いゴルフ。ナンバーは鹿児島。それがこの家のあるじ、Mさんと私たちとの最初の出会いでした。
以前にもお仕事でこの辺りや京北に来られたことのあるMさんは、北山丸太が大好きでリタイア後は京都に住むと決めていました。
そして念願の住まいをこの地に構えたあとは早速リフォームです。丸太を見に来られたMさんの目はキラキラと輝いていました。
前にイマトコでご紹介しました里仁舎のオフィスも訪ね、北山丸太のインテリアを参考にされます。
Mさん邸のリフォームは壁や床は触らず、生活空間にふんだんに北山丸太を取り入れるというものです。
階段では磨丸太が二本。結構太いですけれど圧迫感はありません。
タルキの手すり。緩やかなカーブの階段に沿って取り付けられています。
自然の「えくぼ」が表情ゆたか。見た目に軽やかで生活の手助けとなって。そして年月を追うごとに色艶を増していくことでしょう。
玄関を見下ろして。 どこに視線を向けても、そこに丸太の姿がある。それが不自然じゃないのが配置のよさと北山丸太の持つ優しさなのでしょうか。
では2階へ・・・
2階はL字型の広くて明るいリビングダイニング。真ん中に2本の天然出絞と磨丸太、窓と窓の間の空間にアクセントを添えています。
左の壁には4本。ソファに腰掛けながら丸太の息遣いを感じます。
Mさんの北山丸太への思いは特別です。恐らくお客さま、大工さん、インテリア屋さん、出前屋さん、それに林業家さん・・・初めてこのお家を見たら、「何やここは~~!」と思われるでしょう。
今回のリフォームに使われた北山丸太は総数28本、タルキは9本。
種類をランダムに並べたり、あえて背割りを見せる、それがMさん流。
「色んな見せ方があっていいんじゃない、と思うんだ。」「うんうん。」
そしてテレビと反対側の方、キッチンへと続く壁を飾るズラ~リ10本の丸太たち。大好きだとおっしゃる東山魁夷の額と生け花は、まるでお店のインテリアのよう。あら、テーブルの上にはバナナ、で~んとマッサージチェア。
それでいいんです。自分だけの美術館、それがMさん流。
そして3階は和室・小部屋・書斎の3部屋の間取り。こちらは和室です。床の間ではなく北山丸太の間。こちらも圧迫感はありません。
Mさんはここでおやすみになりますが、丸太に囲まれてどんな夢をご覧になるのでしょう?もしかしたら丸太たちの囁きや香り、呼吸する音が良い眠りを誘っているかも知れませんね。
こちらは人造絞り2、磨丸太1といった配列です。
畳を傷つけないよう工夫された施工。勿論、安全面でもさまざまな配慮が要所要所に見られます。
こんな可愛らしい椅子まで。花器や壷を置いても良し、もちろん腰掛けても良し。
この後、北山丸太で作った照明(行燈)も納めさせて頂きました。まさに北山杉づくしの暮らしです。
小部屋の住人(?)はロシアンブルーのナターシャちゃん。このコも、Mさんがひと目見てビビッと来たそうです。
本当に出逢いは不思議。このお部屋には丸太はありませんでした。だってナターシャちゃんが爪研ぎしちゃうかもだし、丸太を大好きなMさんにヤキモチを焼いちゃうかも知れませんものね。
書斎は一部だけですけど。。この写真の左側にはデスクがあってMさんは只今、神社検定のお勉強中です。
クローゼットの前にはお気に入りの全て北山杉で作ったツリーハンガー。その後ろにも丸太が見えます。
北山丸太の良さを生かした手作りの一品。実用性がありながら、インテリアとしての存在感も際立ちます。
帰宅してバッグを置き、コートやジャケットを掛ける、そんな普段のMさんの暮らしに既に馴染んでいるふうでした。
「これはいい、ほんとにいいんだ。」
ツリーハンガー、愛されてます❤
お邪魔する際にチェックを入れた(笑)、表札もこだわりの特注品です。
お名前のひと文字を入れた「宏庵」。これにはどんな思いが込められているのでしょうか?
「庵」の意味を広辞苑で引いてみました。
1.小さくて粗末な住居。
2.僧尼や隠遁者の住む家。
3.文人・茶人の雅号や料理店の屋号などにも用いる。
第二の人生は、北山杉に囲まれて好きな絵を眺め、好きな音楽を聴き、好きな本を読み、愛猫と過ごし、また勉強に励む、そんな生き方と空間。それは世界でたった一つの丸太をデザインした家。それがMさんの雅号・「宏庵」であり、長い間育んできた夢の集大成なのだと思います。
「何をやっている人だろう・・・?」前を通りかかったらそう思う人もいる筈。。
「宏庵」のピンポン♪を押してみて下さい。きっと「はいはい、どうぞどうぞ。」とダンディなおじ様が笑顔で迎えてくれますよ。
但し、今週来週は祇園祭ですので、はも寿司を食べに夜の祇園へ出掛けてられなければですが・・・(笑)
才能なんて、とんでもないです(汗)素敵なお家や風景を通して北山丸太の魅力を伝えられたらと思っています。
京都の女性ですけど…奥行きが深く、横幅は広く、懐は狭いです(f^^;)
Mさん岡山は近いので、是非お会いしましょう。
訪ねられた折には、また感想をお願い致します。