5月も終わりに近づきましたが北山杉の里総合センターには毎週のように見学・研修の方々がみえ、活気に満ちています。
先週はこの春開校したばかりの京都府立林業大学校の学生さんをお迎えしました。
長野県には歴史ある林業大学校がありますが、西日本では唯一の林業専門大学校が京丹波町本庄、京都府森林技術センター内に開校したのです。
いま日本全国、林業は景気が悪く先進国・森林国でありながら木材の自給率が低い状態が続いています。けれど森林は木材生産のためだけでなく地球温暖化防止や津波の被害を抑えたりと環境提供や文化の育成にもおおいに役立っている。林業が低迷すると、これらの面への対応もおろそかになるのは必至です。
今だからこそ。森林を守り、生かし、学ばなければならない。自然の摂理を理解した上で新しい時代の知識と技術を兼ね備えた、即戦力となる林業の担い手づくりの場。それが京都府林業大学校なのです。
京丹波町は2005年、丹波町・瑞穂町・和知町が合併して誕生した町。由良川が流れ、丹波の山々を望む風光明媚なところです。
そこから車3台に乗り合わせて到着!
4月9日に入学式を終えたピッカピカの新入生、21名は…アレ?
そうです。林業大学校の出願資格は 学校教育法第1条に規定する高等学校若しくは中等学校教育を卒業した者(平成24年3月卒業見込みの者を含む)又はこれと同等以上の学力があると知事が認めた者。
ただし、林業専攻については、平成24年4月1日現在で40歳未満の者。
とあります。記念すべき第一期生、21名はこれらの条件を満たしたさまざまな年齢の方たちです。
2年制の森林林業科は、第1学年目は一般講義・専門講義・専門実習などを経て第2学年目に林業専攻、森林公共人材専攻に進路を決め、それぞれ専門課程を履修しながら事業体とのマッチングを行います。
名古屋大学名誉教授、農学博士・只木良也学校長をはじめとして森林・木材関係、建築・造園などの木の文化関係、公共政策、環境関係の各分野からその道のエキスパートがズラリ!
西日本で唯一の林業専門大学校とあって先生方も初めての試みです。緊張したおももちで皆さんを見守っておられるようです。
入学式からまだ二か月足らず。中には既に森林の仕事をしている方も、別のお仕事に就かれていた方もおられます。
そして紅一点の女性も一人。
紅色の実習服には林業大学校のロゴが。
そしてあの帆布店の、お揃いのバッグ。
ビデオを見たあとは枝打ち見学。 「スゲ~」の声が聞こえてきます。
裏山で絞巻きしてある杉も見学します。ところで、この紅色の実習服。背中に黄色の線が真横に入っていますね。
ほら、蛍光塗料でしょうか。暗いところでもピカー☆よく目について、危険防止にもなるし紅林業マンたちの集合です。
一通りの研修が終わって持参のランチタイム。
みなさんそれぞれに散らばって、気持ちのいい河原でくつろぐグループもありました。一番うれしい時間です。
最後にみんなでご挨拶して下さいました。まだまだたくさんの課程や実習をこなさなくてはなりません。
只木学長は、日本の森林が抱えている問題に対応する技術や政策は、決して小手先ではなく、森林をしっかりと理解した上での、森林という自然が持つ摂理に沿ったものでなくてはならないと言います。光合成や物質循環など、知れば知るほど畏敬の念が湧いてくる。
そんな気持ちで学生さん達にも、自然の摂理にかなったやり方で自然とつきあって行って欲しい、自然を愛する人は多いけれど、自然を尊敬する人は少ない。只木先生は学生さんたちに「自然を尊敬できる人」になって欲しいとおっしゃっています。
一年後、そして二年後…皆さんがどんな風に変わっておられるか是非またお会いしたいと思います。
どうか健康や事故に気をつけて、背中にピカ☆と黄線輝く紅の実習服で頑張って下さい。
きっと森林やそこから生まれる経済、環境、文化は「自然を尊敬する人」に守られると信じて。京都府林業大学校のこれからにも期待します!
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