新緑が眩しい季節、GWでなくても少しのお休みがとれたら友人と、家族と、そして一人でもふらっと旅に出てみたいな。そんな気持ちになりませんか?
旅の計画を練る時・・・まずは行き先と、その拠点となる宿えらびですね。限られた時間の中で、ここも行きたい、あそこも行ってみたい、便利なところに泊まりたい、などなど。
旅行に人気のある京都。街中を離れたところにもお寺や神社など有名な観光スポットがあり、それらを囲む自然の中で散策やサイクリングをするのも楽しみ方の一つです。
今日は京都市の北西部にある素敵な宿をご紹介したいと思います。
嵐山から大覚寺、嵯峨野、広沢の池~仁和寺や金閣寺へと続く道路。高雄方面に向かう山越えの交差点を少し過ぎて左に入ると緑ゆたかな閑静な住宅街が見えます。すぐに広~い入り口がようこそと迎えてくれました。
ここは宇多野(うたの)。嵯峨野周辺は奈良時代の後半に開発されて、平安時代に入ると「宇多野」のもととなる「宇太村」という地名が使われていたそうです。
そして10世紀の初めに宇多天皇が仁和寺に入るとこのあたりは御室御所と呼ばれるようになり、双ケ丘を含む宇多野の地は景色のよいところとして貴族の別荘や邸宅が建てられました。
また一説では、京都の右京区や西京区は昔は桂川や西高瀬川の氾濫で度々人々が泣かされたところでしたが太秦や宇多野はその近くではあるものの比較的高いところに位置し、そういう意味でも「よいところ」、またはよいところであって欲しいという願いのこもった土地である、という資料もありました。
う~ん、、「宇多野」の名前は天皇にも由来しているし、景色のよい、水害もない、素敵なよいところっていう意味がこめられているんですね。宇れしいことが多くさん、とか^^
で、ここはその名も「宇多野ユースホステル」。皆さん、ユースホステルってご存知ですか?
ユースホステルはドイツで始まった「旅の宿」のネットワーク。安全で楽しく、かつ経済的な宿泊場所を提供しようという主旨で生まれた世界的なシステムです。現在90ケ国に4000箇所以上、全国およそ320箇所のユースホステルがあります。
京都府内には4つのユースホステルがあり、宇多野ユースホステルはその一つ。
緑に囲まれた広大な敷地、そして2008年に7月に全館リニューアルオープンして建物もピッカピカ!
エントランスに向かいます。「遊す=ユース」なんてオシャレな暖簾、そして白木が美しく明るい、和風な佇まい・・・白木?
天井チェック!むむ、この木目は!
エントランスを入ると、見慣れた文字とタルキがジャジャ~ン!
そう、こちら宇多野ユースホステルでは地産地消を促進し、人と環境に優しい京都市域産材「みやこそまぎ」をふんだんに使っているのです。
ですから、ホステラーさん(ユースホステルの利用者のこと)も入って来られて「木のいい香り~」と言われるそうです。
広々としたロビー。明るさと、木の温もりが感じられます。
ユースホステルの良さはアットホームな雰囲気の中で、旅をする人々どうしが出会い交流を楽しめるところ。
ここでは毎日、「Everyday One」として、ミニコンサートや生八橋を作る体験などのイベントが宿泊者を対象に行われます。
楽しそう!
京都らしさが感じられるディスプレイ。こちらでは利用者の30%が海外からの方だそう。さまざまな文化が出会うインターナショナルな「旅のわが家」のような雰囲気を目指しているそうです。
2階から望む景色。緑の芝生と建物のコントラストがとても綺麗です。さぁ、いよいよお部屋を見せていただきます。
それぞれのお部屋には「高雄」や「鳴滝」など、この地域の地名が付けられています。
ツインルーム。ユースホステルは基本的に男女別のドミトリー(相部屋)です。えっ?知らない人と同じ部屋で寝るの?と思われるかも知れませんが、それが良いところ。新しい交流が生まれます。隣の人のイビキで寝られなかった…なんてコトはご愛嬌f^^;
そしてベッドサイドに使われているのが・・・絞り丸太です。初めて見た方は「ナニコレ~ぼこぼこしてるぅ」とか、わざと模様をつけてあるみたいに思われるのでは?
これこそが北山杉、みやこそまぎなのです。ほら、寝相が悪くてベッドから足がはみだしてもツルツルだから痛くないでしょう?
こちらは懐かしい雰囲気の2段ベッドが向かい合わせに設えてある4人部屋。
先ほどドミトリー(相部屋)と言いましたが、一部屋を貸し切ることも出来ます。例えば親しい友人グループや家族などで。この場合も、部屋を利用する人数分の料金が必要です。
見て下さい、この素晴らしい北山杉の絞りを!(手前味噌?)ハシゴの上部には手すりが付けてあり、人の手にも優しく温かい感触を味わっていただけます。
部屋全体を見ても、ベッドや収納に、このようにふんだんに北山杉をはじめとした京都市内産木材を使用してあり、清潔感あふれ、開放的でありながら就寝時のプライバシーや安全も保たれています。2段ベッドのお部屋は家族にも人気のようです。
1階のロビーに備えてあるパンフレットやリーフレット。
近くには龍安寺、仁和寺、そして世界文化遺産の金閣寺。嵯峨野、嵐山などたくさんの観光スポットがあります。歩いて、自転車で、バスや電車に乗って・・・それぞれが好きな方法で京都を楽しむ。それが宇多野ユースホステル流です。
自転車のレンタルは一日乗っても500円と格安♪
ホームページでは、おススメのスポットや効率の良い観光の仕方をコース別にして紹介しています。
インターネットのレンタルもあります。ご自分で別のルートを見つけたり、名所旧跡の由来を調べたり、穴場を探ったり・・・現代人には欠かせないツールですね。
その他コインランドリー、集会室やテニスコートなどの施設も備えています。(有料)
食堂にはもうたくさんの配膳の準備がされています。この日は修学旅行生の利用があるとのことでスタッフさん達も大変、忙しくしておられました。
お夕飯のメニューは何かしら?きっとはんなり、京都を感じてもらえるような心遣いがあるような気がします。
お食事のご案内。ユースホステルの宿泊料金は一般のホテルなどと比べると断然お安いですが、これは「素泊まり料金」で食事は事前予約の別料金となります。
何と、材料の持ち込みも可能で自炊室もあります!でも、せっかくの京都旅行なんですからご自分のスケジュールに合わせてですけど、こちらでお食事される方が多いのではないでしょうか?メニューも豊富でとっても美味しそうなんです^^
旅なれたホステラーさんには言わずもがなですが、必要なアメニティは持参して、その土地土地の美味しい食事を味わい、快適な睡眠を得る。経済的で、なおかつ世界のホステラーと交流して旅の楽しさを分かち合える。
それがユースホステルを利用する醍醐味なんでしょうね。
1階のロビーの奥はまるで旅館のよう!
こちらは和室です。5名以上で利用できます。木と畳の香りに包まれて、う~んJapanese!
修学旅行と言うと、楽しくて眠れない夜。昔よくやった枕投げなんかは・・・?と聞いてみると、最近の学生さんはマナーが良くてあまりやらないそうです。
エントランスから見た風景。「行ってきま~す!」そんな風に大きな声で挨拶して出かけたくなる、アットホームなスタッフさん達。そして旅の終わりには名残惜しさを感じる宿。
きっと、「また泊まりたい。」誰もがそう思うはずです。そして皆さんの記憶に、木の温かみや丸太の優しさが残っていてくれたら・・・そう願います。
宇多野ユースホステルは、国際ユースホステル連盟Hostelling International (HI) より、2009年に引き続き「HI BEST HOSTEL AWARD Most Comfortable Hostel 2011」に選ばれました。
これは「もっとも居心地のよいユースホステル」という賞。
世界中に数あるユースホステルの中で、ホステラーが最も求めるところに認められたのはマネージャーを始めとして運営に携わるスタッフ達の、日々の姿勢とたゆまぬ努力があるからに違いありません。
今回ご紹介したのはほんの一部分です。(北山杉を使ったベッドがメインのつもりf^^;)
~旅と人と自然と、そして京都を愛する人に~ home away from home
あなたも一度、宇多野ユースホステルの"居心地のよさ"を体感してみませんか?
京都市宇多野ユースホステル
〒616-8191 京都市右京区太秦中山町29
TEL:075-462-2288
http://yh-kyoto.or.jp/utano/index_j.html
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