高雄の紅葉もそろそろ色づき始めました。真っ赤な紅葉もいいですけど、緑と黄色と赤色が混ざり合った感じも爽やかな美しさです。
さて京都北山杉の里総合センターのご紹介、第2弾は小会議室です。
前回の展示ホール、テレビの置いてある側に通路があり右側はお手洗いです。
とても明るいでしょう?
天窓から自然の光を取り入れています。すりガラスでも夏場はさんさんと光が射しこみます。
逆に、お天気の良くない日は少々暗くなります。1日の時間の移り変わりが自然に感じ取れる、そんな通路です。
左側の引き戸、両側に入り口がありますが、ここが小会議室です。
無垢板を合わせた大きなテーブル。10人程度の会議に最適です。そして、床の間もありますので立礼式のお茶会も出来ます。
立礼式のお茶室なので、和室の床の間とは違って高い位置です。 秋明菊など、季節の花が咲いたら生けたりもします。
掛け軸の意味は…わかりませんf(^^;)
床板は松材。そして、床柱はセンターを入ったところ左手に展示してありましたチェインジャブル、取り替え可能です。
釘などは一切使わない取り替え方式、力持ちの方ならご自分でも出来るかも?
季節によって、お客様によって床柱を着替えるなんて贅沢で粋な試みですね。
落し掛けは杉のなぐり。もともと、桐や桑などの銘木が使われますが、欄間のように派手な飾りものではなくて、あまり見えないところに特別な技が潜んでいるところが奥ゆかしく、「こんなところにも」とよけいに心をくすぐられます。長襦袢や羽織の裏地など、ちらりと見えた時の素敵は日本人独特のものかも知れませんね。
丸太を使った照明がディスプレイしてあります。ほんのりとした灯りが年輪を際立たせ幽玄の世界へと誘います。
外国の方は興味を示されることが多く、その質問は「How much?」(笑)
外光で明るい室内。障子を閉めれば完全な和の空間です。
柱は面皮柱を使用しています。磨丸太を面皮加工する場合、樹齢の経った木の方が木目が美しく、手入れを怠った杉は後で節あとが出たりすることもあるそうです。職人さんの見極めも大事な作業になってきます。
それにしても、一体誰がこのような加工を思いついたのでしょうね。襖をしめる時、ふと手が触れた時に感じる木肌の磨きの部分。
シンプルに見せる、それが最も素材の美しさを表現しているのですから。
まだここでのお茶会は見たことがありません。ぜひお揃いで、着物をお召しになって和のひとときを過ごされてはいかがでしょうか。
天井にはたくさんのタルキ(小丸太)が。照明カバーと言うにはあまりにも贅沢なので意匠とでも申しましょうか。
数寄屋づくりを意識していますが、見た目に美しく、蛍光灯の光をやわらかくして部屋全体を落ち着いた雰囲気にしています。
数寄屋の語源の「数寄(数奇)」とは和歌や茶の湯、生け花などの風流を好むことであり、「数寄屋」は「好みに任せて作った家」という意味。
この小会議室もある意味「数寄屋」・・・現代の生活に風流を取り入れ、和の文化を忘れないでいよう、この部屋にいたら落ち着く、そんな思いのこもったひと部屋なのです。
天井に使ってあるのはこの和紙。荒皮むきが機械化されてるようになってから、高圧洗浄機で皮を吹き飛ばすため、細かくなった皮が大量に出ます。
それをリ・ユースしようという試み。
京都工芸繊維大学の木村照夫教授との共同研究で開発され、和紙で有名な黒谷の職人さんによる、手漉きの和紙です。
色は白っぽいものと茶色の2色あり、それぞれの風合いが楽しめます。
床の間の地袋にもこの、手漉き和紙が張ってあります。 表面に杉皮の繊維がふつふつと見えるのもイイ感じ。
小物の商品撮影をする時にバック紙の代わりにしたり、結構使わせてもらっています。(笑)
この北山杉を漉き込んだ手漉きの和紙は、北山杉の里総合センターで販売しています。(サイズ600㎜×900㎜
1枚2,100円)
失礼して床の間の上から撮影してみました。
他にもテーブルや照明など、和テイストのものを置いてますので少々ごちゃごちゃしていますが、見学の方は見るだけでなく触ってみたり座ってみたり楽しんでいただけたらと思います。
そして都会の喧騒から少し離れたところでの打ち合わせや会議もいいものではないでしょうか。
いよいよ次回は最終回。大会議室の中、そしてご利用料金などをご紹介いたします。お楽しみに!
それまで待ちきれない方はこちらまでお問い合わせくださいませ。
京都北山杉の里総合センター TEL 075-406-2212
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