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趣味を追求するオタクな日々

痒いところに手が届いた!『あだ名で読む中世史―ヨーロッパ王侯貴族の名づけと家門意識をさかのぼる』

2018年02月01日 | 読書

『あだ名で読む中世史―ヨーロッパ王侯貴族の名づけと家門意識をさかのぼる』読了しましたw
いや~こんなに早く読み終わっちゃうなんて!!!
お名残惜しや・・・

とても読みやすかったというのが早く読了してしまった一因ですw
そして何よりも内容が!私が常々ふっしぎ~とかなんでーとか思ってたところ
真ん中ド直球だったからだ!
本当に痒いところがかけてありがとう!!!なのだった^^

あだ名が本当にあだ名だったのか?
そしてそれはいつ頃つけられたのか?
同時代につけられたのか?
死後だとすればどのくらい経ってから?
死後だとすればそれは本当に本人の特徴を現しているのか?
辺りから入って行きますが
本当にそこだよ、そこ!って思いますたマガオ

いやこれ読むまでは本人の特徴を現してるんだと思ってましたけどね
でもホントにそうなのかな~という半信半疑な部分てのはあって
なんとなくモニョル感じではいたわけです
それを細かく文献をあたって
同時代には呼ばれていなかった
他の人(父とか)と混同されてる可能性がある
ってなことを一つ一つ検証してってくれてるんですよ!
ありがたいじゃありませんか!
私なんかラテン語どころか英語だって難民なんだから
文献なんかあたれないんだからホントこういうのありがたい
(いや自分で読めれば本当は読みたいけどね…実際に文献読めたらすごく興奮すると思うのw)

12世紀頃から今に続くヨーロッパの王侯の家系が始まるんですが
なんでその時期なのかというと
その時期に姓ができ始めるからなんですって!
我が陛下バイエルン国王ルートヴィヒ2世のご先祖さまも
12世紀ごろにヴィッテルスバッハという家名が初めて登場するみたいなんですが
そのころからいろんなところで○○城の□□という名乗りをし始めてるらしいんですよ
で、それ以前は○○城の部分がないからつながりがわからなくて
先祖をたどれないらしいです
で、○○の部分が家名になっていくんです
まあ今まで系図眺めながらこれ以前のご先祖はどうしてたんだろうな?
この人がメッチャ強くていきなりお城攻略して城主になっちゃったのかな?
とか漠然と思ってましたけど
それまでは個人名しかなかった
個人名1つだけというのがゲルマン人のスタンダードな名前のあり方だった
というんで、ものすっごく納得したー!

じゃあなんで○○部分が加わったのか?
というところは是非ご自分で本を読んでくださいね^^

でね、なんでもかんでも我が陛下に引き寄せてしまうけどさ
前にもブログに書いたことあるけど(これ
ヴィッテルスバッハ家出身の神聖ローマ皇帝ルートヴィヒが4世と言われてるんですけど
この4世はもちろんヴィッテルスバッハ家で4番目というわけではないんです
お父さんはルートヴィヒ2世で(笑)つまりヴィッテルスバッハ家としては3人目ということになると思うんだけど
神聖ローマ皇帝としては4番目だからルートヴィヒ4世だということだよね?
それがさ前にも書いたけどルートヴィヒ4世という人が幼童王って人でいるわけですよ
なのになぜ神聖ローマ皇帝でルートヴィヒ4世という人がもう一人いるわけ?
となっていたところに皇帝だけでカウントするんですよという教えを受け
なるほどーーーー!と思ったわけですが
そしてそれに気づかなかった私アホじゃねー!とへこんでいたわけですが
ドイツ史でいうとやはりルートヴィヒ4世幼童王の次になるから5番目で考えていいんだって
でもカウントの仕方が皇帝オンリーでカウントされて神聖ローマ皇帝でルートヴィヒ4世になってるんだって!
わかりにくいけど皇帝位についた人で数えて(ドイツ系ではない別系統)で4番目になるんだって
わかりづらいよね^^;
やっぱりこれも本読んでくださいね!
読めばわかるから!!!!

でさ、何がややこしいかっていうと
ハインリヒなら誰から数えて何番目
ルートヴィヒなら~
カールあるいはシャルルなら~
といろいろと数え方が統一されていないんだ!
もちろん最初はカール大帝、ルートヴィヒ敬虔帝から始まるから
ドイツもフランスも一緒のところからなんだけど
途中でドイツ系に行ったり、フランスに行ったりと枝分かれするでしょ
だから枝分かれしたあとはもちろんそっちのみでカウントされるわけだ
それも混乱の元だしそもそもシャルルなんて明らかに数え間違いしてるらしいよ!
あ゛ーわかりにくい!!><

でもね、ホント私だけが混乱してるんじゃないんだってわかって
なんか嬉しいw
お仲間いるのね^^みたいなwww

で、この何番目という○世という表記がされるようになったのは
もちろん同じ名前ばかり登場するからだけど
なんでそうなったとか
そうなる前の名づけ方とかも出てくるので楽しい^^

いろいろ名前が混乱するのはそもそもラテン語表記だからってのいうのもあります
話し言葉はラテン語ではなく地元の言葉なんだけど
中世ヨーロッパにおいてはラテン語が書き言葉だったんですね
そこら辺は日本でも漢文で公文書が書かれてるのと似てるかも?
もちろん書いた人の間違いなんかもあって
同じあだ名が数人の人についてしまったりしてるらしいです

はぁー面白かった^^
私の痒いところに手が届いた”孫の手”本でした^^


あだ名で読む中世史―ヨーロッパ王侯貴族の名づけと家門意識をさかのぼる
岡地 稔
八坂書房









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1 コメント

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Unknown (mimi)
2018-02-02 09:48:57
目の前の霧?が
すっぱり晴れて
よかったですね!
ヨーロッパ史の名前のややこしさ!
〇世という数字の違いで「違う時代の違う国の違う人」
ドイツ語フランス語英語読みで違うけど
「実は同じ人」
と、いろいろ覚えないといけない
受験生の苦労を
分かって命名してほしかった!(爆)

おかげで今は
すっぱりきれいに忘れてしまいました!
あ、でも太陽王とかあだ名があると
ちょっとは記憶に残るかな?

 ぎんちゃん1世大食い王!  ぎん

 確かに記憶に残る・・・  ソラ
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