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潜入捜査官ハサウェイ『聖人画』 ⑦

2017年05月13日 | 潜入捜査官ハサウェイ『聖人画』


潜入捜査官ハサウェイ『聖人画』は「オックスフォードミステリー ルイス警部」のファンフィクです
潜入捜査官ハサウェイ『聖人画』の続きです
読んでいない方はカテゴリー「潜入捜査官ハサウェイ『聖人画』」で読めます→こちら

「オックスフォードミステリー ルイス警部」はAXNミステリーで放送しているドラマです→こちら
ホームページにキャストの説明がないのでざっと説明しておきます。
ジェームズ・ハサウェイ:このファンフィクの主人公。オックスフォード署ではルイス警部とバディを組んでいる、30代後半の長身でハンサムな刑事。かつて神父を目指して勉強していた。
ロバート・ルイス警部:ハサウェイのバディで上司。定年を間近に控えたベテラン刑事で熱血漢。
以上を頭に入れながらお読みください。






 少女がいないことに両親が気づいたのは、翌朝いつまで経っても起きてこない娘を起こしにいった時だ。娘がいるはずの部屋には誰もおらず、窓の鍵が開いていた。両親は娘の捜索願を警察に出したが、地元警察はよくあるティーンエイジャーの家出として扱い、書類を受け取っただけだった。
 事件が発覚したのはその日の夕方、犬の散歩をしていた住民が茂みから少女の手が見えているのに気づいて警察に届けたことによる。警察が駆けつける頃には辺りは大騒ぎで、人だかりの中には不安を抱えた少女の両親もいた。人だかりは茂みを遠巻きにして自然な規制線が出来上がっていた。両親も自分たちの娘がそこに死体として横たわっているのは認めたくなかったのだろう。死体にはある程度の距離をもって佇んでいた。
 大勢の警官がやって来て、人々と交通を整理した。作業は淡々と進み何かが警察車両に積み込まれると去って行った。両親はその場で私服警官から呼ばれ、パトカーに同乗して地元署に連れて行かれた。その後はこの両親にとっての人生最悪の時間が延々と続くことになる。繰り返される質問に疲れ果てたころに遺体の確認をした。
 両親は少女の顔しか見せられなかった。顔には傷もなく昨日お休みと言って部屋に行った時のままだ。ほんの少しだけ醜い黒い痣がついた首がシーツから覗いていた。それがなかったら自分たちの愛する娘は眠っていると思っただろう。母親が少女に触れようと手を伸ばすと警官に止められた。その時になって始めて母親は目の前の娘が死んでいることを実感し泣き崩れた。泣きわめく母親は警官と夫に抱きかかえられるようにして遺体安置所から連れ出された。
 

 翌日の朝刊では少女の殺人事件が一面で大きく報道され、一人の男がその記事に茫然としていた。殺された少女と一緒にいた男だ。彼氏というのが適切なのかどうか。男は成人で、自分が未成年と付き合っていることはわかっていた。そして15歳の少女とセックスすることが違法なこともわかっていた。新聞を持つ手が震える。殺された少女と自分の関係が公になったら、自分の人生は破滅する。間違いなく。
 男は自分が疑われることを恐れて少女とのことは黙っていた。しかし田舎町では秘密など長くは保てない。数日で警察は男を特定し事情聴取に呼ばれた。
 男は知っていることを正直に話した。しかし少女との不適切な関係は男を容疑者として認定するに足りるものだった。
 男は警察に拘留され執拗に取り調べを受けることになった。どこで会ったのか。何時ごろどこで別れたのか。何度も何度も同じことの繰り返し。同じ質問に同じ答え。
 少女が発見されたときの写真を何度も見せられ後悔の念があるならと自白を迫られた。肉体も精神も疲労の限界に達する頃、何か違うことに気付いた。混濁した記憶を必死で手繰る。少女の着ているものに見覚えが無い。会ったとき、別れたとき少女はもっと違うものを着ていた気がする。そして足りないことに気付いたのだった。
「上着…上着を着ていた。」
「なんだって?もう一度はっきり言え!」
「上着を着ていたんです。」
「どんな?形は?色は?丈は、短いのか?長いのか?」
「わ、わかりません。憶えてません。でも何か着てたんです。本当です。」
 男が少女の上着を思い出したのは奇跡だったろう。スカートのことならよく憶えていた。少女の白い太ももに欲情したのを生々しく思い出せる。そしてスカートの中に手を潜り込ませたときの柔らかい感触も憶えている。だからこそスカートが短い丈だったことも知っているのだ。でも上着のことなんて、今の今まで忘れていた。


 少女の両親が家にある娘の衣類で無くなった物はないか確認をした結果、着ていた上着が特定された。ちょうどその頃、町から数十キロ離れた川下でホームレスの死体が上がった。あの殺された少女の物とは知らずにパーカーを少年からもらったホームレスだ。
 事件は一気に動いた。殺人の直後に激しい風と雨が降ったせいで遺留品、証拠のたぐいはほとんど洗い流されてしまっているこの事件で、無くなったパーカーは唯一と言っていい証拠品だった。それを着ている死体。少女と付き合っていた男は釈放され、ホームレスが最有力の容疑者になった。
 そして被疑者死亡でこの殺人事件は幕を閉じた。









ちょっと宣伝?です
「潜入捜査官ハサウェイ『聖人画』」は「オックスフォードミステリー ルイス警部」のファンフィクなので
「オックスフォードミステリー ルイス警部」のDVDの宣伝などしたいところなのですが
日本語のソフトは出ていません
ということで輸入版のDVDを探していたらこんなの見つけましたw↓
Masterpiece Mystery: Comp Inspector Lewis [DVD] [Import]
Pbs (Direct)
Pbs (Direct)

仕様を見ると映像方式がNTSCでPALじゃないんですよ!
ということは普通の日本のプレイヤーで再生可能だってことですか?
販売元がPBSってことはアメリカ仕様なんですね?
だからなのかお値段もUK版よりも高いです^^;
残念なのはコンプリートってなってますがシリーズ1~4ってジャケットにあるんで途中までなんでしょうね(アメリカでどういう形で放送されたか知りませんが)
アメリカで放送されたUKドラマが結構カットされるって話を聞くので、これもそういうことがあるかもしれません
とはいえPCやマルチじゃなくても見られるDVDが入手可能ってのは嬉しいかもしれないw
前からあったのかな?私が知らなかっただけかな?そんな気がする^^;
読者の方からご指摘が!
アメリカ版はリージョンが1なので日本製のプレイヤーでは基本的に再生できません
リージョンの壁があったんですね><
そうだった…PALの壁ばっか気にしててすっかり忘れてました^^;
アメリカはリージョン1だから普通には再生できないのでした
もし買う気になってる方がいらしたらすみませんm(_ _)m



こちらはUK版の「ルイス警部」のDVD
コンプリートですがシリーズ7までですね
Lewis The Complete Collection Series1-7 (オックスフォードミステリー ルイス警部 シリーズ1-7 コンプリートボックス)[PAL-UK] [DVD][Import]
ケヴィン・ウェイトリー,ローレンス・フォックス
メーカー情報なし


ちなみにUKアマゾンではシリーズ1~9のコンプリート版が買えます→こちら
なんで日本のアマゾンでは扱ってないのかな?
いらない感想だけどハサウェイはアメリカ版のが一番かっこいいね?


こちらは「オックスフォードミステリー ルイス警部」の大元にあたるドラマ「主任警部モース」の完全版
ボックスも1と2と出るみたいですがセットのものですね
これは【コリン・デクスター追悼企画】と説明にありますが
別々にボックス1と2を買うのとどこが違うのか説明を読んだ限りでは・・・
封入特典のフルカラー解説書というのが単独のボックス1と2にはあるけれどセットには表記がないので
もしかしたら単独で買った方がいいのかも???
でも価格から考えるとセットに含まれないと考えるのは不自然なので
知りたい方はメーカーに直接聞くのがいいだろうなぁ
限定セットと銘打つからにはポスターがつくとかスチールブック仕様だとかの特別感がほしいよねw
主任警部モース 完全版 DVD全2巻セット【NHKスクエア限定セット】
クリエーター情報なし
メーカー情報なし



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