久し振りに日本映画が面白かった。
しばらくすればテレビであるさ、と、映画館で実写の日本映画を見る事はほとんど無かった。 一番最近では何だったろう、途中が抜けているかもしれないが、ひょっとしたら『踊る大捜査線』のレインボウブリッジくらいまでさかのぼるかもしれない。
でも今回は見に行きたかった。 直感的に、今、映画館で見なきゃ、と思った。
ケチを付ければ色々ある。
・内調側と新聞社側の対比をさせたかったんだろう、それを映像でやった。内調側は普通に据え置きで、新聞社側はハンディを使ったのか揺れる画面が多かった。何かをしたかったのは分かるけど、残念ながらやはり揺れる画面は見づらい。そして対比以上に揺らして何を表現したかったのかが(もしあれば、だが)分からなかった。
・主人公の新聞記者がハンドローションだかなんだかの液体を手に取って塗るシーンが度々出るが、何なのか分からないし示唆も無い。(最終盤に記事を書くシーンがあり、記事を書く前にそれをするので、彼女の何らかのルーチンか儀式のようなものか、と最大譲歩して思ったりはするが…。)
・ラストシーン、これも何かを意図しているのだろうけど、分からなすぎる。そしてそこでぶち切るのもどうかと思う。
・原作者がこれも度々流されるテレビ番組に出て、取材の在り方を説く。鼻につく。
でも、そういうのが気にはなるけど、それを差し引いても面白い。
落ち着いた色彩の画面、脇のキャスティング(田中哲司、北村有起哉、西田尚美。いいねっ!)、BGMの無いシーン、俯瞰の構図。
メインキャスト二人の話を少しずつ無理なく出合わせる所、言い過ぎないセリフ(特に内調側の、三手先くらいまでほのめかす一言)、何度も振り返って突っ走り過ぎない展開。
これは見て損はしないと思う。
選挙前でタイミングもいい感じ。