新刊の森

人文分野を中心に、できるだけその日に刊行された面白そうな新刊を、毎日三冊ずつ紹介します。役立ちそうなレシピにも注目。

買うしかない「終末論の系譜: 初期ユダヤ教からグノーシスまで」

2019年01月15日 | 新刊書
終末論の系譜: 初期ユダヤ教からグノーシスまで
大貫 隆 (著)


グノーシス研究の専門家である大貫さんが
ユダヤ教からキリスト教への終末思想の継承を跡付けた書物です。
576ページの大冊ですから、大いに読み応えがありそうです。
お値段も抑え目で、これは買うしかないかも。
筑摩選書のフーコー論といい、
今日は筑摩書房が冴えてます。


単行本: 576ページ
出版社: 筑摩書房 (2019/1/15)
言語: 日本語
ISBN-10: 4480847472
ISBN-13: 978-4480847478
発売日: 2019/1/15
¥ 4,536



内容紹介
ユダヤ教の中から生まれた終末思想はいかにしてイエスに継承されたのか。聖書正典のほか外典偽典等の史料を渉猟し、現代思想との対話も試みる渾身の書き下ろし。

著者について
1945年生まれ。静岡県出身。東京大学大学院人文科学研究科西洋古典学専攻博士課程修了。1979年ミュンヘン大学にてDr. theol. 取得。東京女子大学助教授、東京大学教授を経て、現在東京大学名誉教授。2010-14年自由学園最高学部長。著書に『イエスという経験』(岩波書店、のち岩波現代文庫)、『グノーシスの神話』(岩波書店、のち講談社学術文庫)、『聖書の読み方』(岩波新書)など、訳書にハンス・ヨナス『グノーシスと古代末期の精神』(全2巻、ぷねうま舎)、エイレナイオス『異端反駁』(全5巻のうちI、II、V巻、教文館)、『ナグ・ハマディ文書』(全4巻、共訳、岩波書店)などがある。

読む前からワクワク「フーコーの言説: <自分自身>であり続けないために 」

2019年01月15日 | 新刊書
フーコーの言説: <自分自身>であり続けないために (筑摩選書 169)
慎改 康之 (著)


タイトルはちょっと古い感じですが(笑)
内容はフーコーの生前には発表されていなかった「性の歴史」の第四巻「肉の告白」の
精読を含めた新しいもののようです。
どんな思考の全貌が描かれるのか
読む前からワクワクします。


単行本: 270ページ
出版社: 筑摩書房 (2019/1/15)
言語: 日本語
ISBN-10: 4480016740
ISBN-13: 978-4480016744
発売日: 2019/1/15
¥ 1,728


商品説明
知・権力・自己との関係の三つを軸に多彩な研究を行ったミシェル・フーコー。その言説を貫くものとは何か。前史ともいえる50年代のテクストから「性の歴史」第4巻「肉の告白」までを精読し、思考の全貌を明らかにする。

知・権力・自己との関係の三つを軸に多彩な研究を行ったフーコー。その言説群はいかなる一貫性を持つのか。精確な読解によって明るみに出される思考の全貌。【商品解説】

著者紹介
慎改 康之
略歴〈慎改康之〉1966年長崎県生まれ。明治学院大学教授。

「精神科医が教える 忘れる技術」

2019年01月15日 | 新刊書
精神科医が教える 忘れる技術
岡野 憲一郎 (著)


2006年刊『忘れる技術――思い出したくない過去を乗り越える11の方法』(創元社)を新装・改題
ではありますが、忘れることは大切な技術なので、注目しましょう。
わたしたちは忘れたいことほど、忘れることができず、
心を腐らせていものです。
きちんと忘れること、それは良く生きるためにも大事なことだと思います。

単行本: 208ページ
出版社: 創元社 (2019/1/15)
言語: 日本語
ISBN-10: 4422114883
ISBN-13: 978-4422114880
発売日: 2019/1/15
¥ 1,512


内容紹介
一刻も早く楽になるための具体的な処方箋

PTSDを引き起こす外傷記憶、恨みや罪悪感、うつ病や強迫神経症、依存や中毒など、
あなたの心をいつまでも蝕み、ときには日常を支配してしまう、
思い出すのもつらい過去や苦しい症状、頭にこびりついた記憶や心をかき乱す感情――
こうした「忘れられないこと」を上手に「忘れる」ための具体的な方法を
ベテラン精神科医が説く。

人が遭遇するさまざまな「忘れられない」ケースを紹介するほか、
「忘れることができなくなる」メカニズムを脳と心の両面から解き明かす。

ネガティブな記憶を消し去り、過去に見切りをつけることは、
安定した日常生活を得て、人生を前向きに生きていくことにつながる。

*小社刊『忘れる技術』を新装・改題


【目次】
第1章 忘れられない人びと

私自身の忘れられない思い出
忘れられないケース1 突然よみがえってくる「外傷記憶」
忘れられないケース2 けっして消えない恨みの記憶
忘れられないケース3 人を傷つけた加害者としての罪悪感
忘れられないケース4 過去に時間が逆流するうつ病
忘れられないケース5 過去にしばりつけられ、ある行為をくり返す強迫神経症
忘れられないケース6 脳が過去の興奮や快感を忘れない薬物中毒
忘れられないケース7 病気だとわかってもらえない依存症
忘れられないケース8 もって生まれた忘れない才能――サバン症候群

第2章 なぜ忘れることができないのか

忘れられない記憶の病理
忘れられる記憶は「善玉の記憶」である
「頭の記憶」と「体の記憶」の深い関係
記憶はどこで作られるか――脳のなかの記憶の工場
忘れられないのは、「欠陥のある記憶」
驚異のサバン現象――天才児はなぜすべてを憶え、しかも忘れないのか?
心の側から見た「忘れられないわけ」

第3章 忘れる技術を伝授する

忘れる技術その1 忘れたい刺激を遠ざける
忘れる技術その2 怒りやフラストレーションを何かにぶつける
忘れる技術その3 賠償を要求する、訴える
忘れる技術その4 人に話す(カウンセリングを受ける)
忘れる技術その5 相手について知る(理解し、許す)
忘れる技術その6 新しい世界に踏み出す
忘れる技術その7 与える人生を歩む
忘れる技術その8 薬物療法を試みる
忘れる技術その9 思考制止術を用いる
忘れる技術その10 バランスシートを用いる
忘れる技術その11 名人に学ぶ――中島誠之助さんの例



★寄稿「復刊に寄せて」香山リカ(精神科医)



*2006年刊『忘れる技術――思い出したくない過去を乗り越える11の方法』(創元社)を新装・改題