映画の感想を少し。
いろいろな人が「最後は号泣」、予想を超える観客動員数を記録しているこの映画。
…私は泣けなかったので、感想を書くのを躊躇していました。
夫と一緒に見に行きたかったのに、
「ん〜、僕はそんなに興味ないけどいい映画なんじゃない?」
という明らかにどうでも良さげな感じ。
かといって、友人と行って号泣したら恥ずかしいので、一人で見たのでした。
流石に平日の昼間の映画館は空いていて、見やすい席を選ぶことができました。
上映開始の予定時間を過ぎてから本編が始まるまでが長く、色々な映画の予告編や広告が延々と続きました。
これからご覧になるかたもいらっしゃると思うので過度なネタバレは無し、あくまでも個人の感想です。
冒頭、AIDSを発症したであろうフレディの姿が写ります。
1970年、バンドが始まり、
フレディはオリジナルのバンドメンバーではなくて、最初のボーカルの後釜で加入したのですね。
どうしても俳優さんとリアルのクイーンのメンバーを比べてしまいますね〜。
ギターのブライアン・メイ役と、ベースのジョン・ディーコン役の俳優さんが本人そっくりです。
フレディ役もかなり似ています。ただドラムのロジャーだけは最後まで違和感を拭えませんでした。
個人的に一番面白かったのは、Bohemian Rhapsodyの録音で、ロジャーに
「もっと高音!もっと、もっと、もっとぉぉぉ〜!」
と要求するシーンで、ああやってあの♪ガリレオ〜、は生まれたのかと納得しました。
基本、波乱万丈の”ボヘミアン”であるフレディの物語=Bohemian Rhapsody、と解釈したのですけど、
私は、あまりにも本人と俳優さんが似ているブライアンについ興味をそそられてしまいました。
芸術肌で、エキゾチックな容姿に卓越した才能と声、そして麻薬のようなカリスマ性のあるフレディに対し、
天体物理学の研究者でもあるブライアン、どんな時も穏やかで、冷静で、そして冴えまくるギタープレイと音楽の才能。
変わっていくフレディを否定することもなく、フレディに何を言われようと、
バンドメンバーを超えた存在として、彼を受容し続けた姿勢。
フレディの元妻メアリの
「本当にあなたをケアしている人は誰なのか考えて」
とフレディに投げかける言葉が刺さります。
この場合のcareは、相手を理解し心から思いやるとか、気にかける、心配するという意味合いでしょうか。
LIVE AIDが開催された1985年、私はまさに青春真っ只中、もちろん音楽好きの友人とはこの話題で持ちきりでした。
映画の中では、フレディは自分がAIDSであることをバンドメンバーだけには告白しています。
実際のところ1985年にフレディ自身がHIV陽性だったことを知っていたのかどうかはわからないですけれど、
死を予感したフレディが、自分の命を削って、誰かの命を救うイベントに参加したのだと思うと胸が痛いです。
もう少し感染と発症時期が遅かったら、助かったかもしれないんですよね。
ただ、助かったとして、フレディがどんな風に生きたかったのか、それはわからないです。
私の微妙な英語力のせいかもしれませんが、
バンド内の意見やマネージメント方針の相違などは、クイーンだけの特殊事情ではなく、売れっ子バンドあるある的な感じで
フレディの、自分自身そして家族や友人との葛藤と和解を、もう少し掘り下げても良かったかな、と個人的には思いました。
自分自身と、そして本当に大切だと思う人を、心から尊重し、本当に大切にできるかどうか。
いろいろ考えさせられる映画でした。
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