Luck Key 7🗝

明るくなれるように
誰かのために
自分のために
Essay

2022-01-18 21:14:00 | 短編小説


残業終わりの帰り道、ふと気づいた。
仕事が終わったのにあなたのことを考えてる。

あなたの優しい声のことを、電車に乗ってる間ずっと頭の中でループしてた。

残業終わりなのに、疲れよりむしろ楽しかったの方が勝る。

笑顔の目元を思い出すと、不思議と私もマスクの下で笑っていた。

ああ、これが恋ってやつか。

久しぶりだ。この想い。この感情。

だけど分かってる。
この恋が実る可能性が低いことを。

次の日から会話がギクシャクし始める。
まともに目を合わせることもうまくできない。
意識すればするほど、どんどん遠ざかる。

とことん不器用だ。
それはきっと恋の経験が少ないから。

昼休み、友達からの結婚式の招待状の返事をしなきゃと思い出す。
昨日会った友達も同棲してるって言ってたっけ。

周りの「結婚」「彼氏」「同棲」の声が私を余計に暗闇に放り込む

恋なんてしてる場合じゃない年齢

こんな私でもいつか結婚できるのだろうか。

一体いつまでこんな状態が続くんだろう。



“私はあなたに恋をしました。
それが苦しくて苦しくてたまりません。
どうかこの恋よ実ってください。
出なければ恋の蕾みよ、そのままとじて。”