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太田市まるがかえで建設
22日付「上毛新聞」に、「太田国際貨物ターミナル『内陸の港』機能強化 北関東道近く工業団地3.7ヘクタール コンテナ拠点計画」という記事が掲載されました。
(株)太田国際貨物ターミナルは略称「OICT」と言われますが、太田市が1999年に設立した第3セクターです。
2002年には東京税関前橋出張所太田派出所が設置され税関職員が常駐しています。
OICTは、集荷、通関、保管、輸送など、輸出入に関するあらゆる業務を行うことから、「内陸の港」とも呼ばれますが、本来なら、それを利用して利益を上げる企業自らがつくらなければならない流通ターミナルです。
しかし実際には、用地造成費や社屋・倉庫などの建設費の合計10億5,000万円を、すべて太田市がまるがかえで負担してつくられました。
家賃も地代もタダ
OICTは現在まで土地も建物も市が無償貸与していますが、家賃や地代を徴収するなら年3,600万円ほどとされます。
OICTへの税金投入は市が先行して用地購入や施設建設などを1999年度からはじめ、家賃、地代は2000年度から無償提供がされています。
日本共産党市議団は当時、本来は企業自らが建設費などを負担してつくらなければならない施設であることを指摘し、市からOICTへの税金投入に反対しました。
しかし税金投入は行われ、日本共産党市議団のあいつぐ指摘にもかかわらず、家賃も地代もいっさい徴収しないまま現在にいたっています。
許されない
これ以上の税金投入
今回のOICT拡大に、市から税金が投入されるかどうかは、現在のところ明らかではありません。しかし設立から現在にいたる経緯を考えれば、これ以上の市の税金投入は許されるものではありません。
たしかに、いまの経済不況と市の税収減を考えれば、OICT拡大による市の経済活性化や税収増につながる展望が開ける可能性も生まれます。
しかし、OICTが本来は企業自らの責任でつくらなければならない施設であること、すでに10億円を超える市税が投入されていることを考えれば、いまの制度で受けられる国の補助金はともかく、これ以上の市税投入は許されません。
中小企業支援というなら
住民税・国保税の減免こそ
市による中小企業支援というなら、まず真っ先に、零細業者への支援として、法人・個人住民税や国保税などの減免こそ実施すべきです。
この間、住民税や国保税の値上げ・増税が行われてきたことを考えても、これらの減免こそ優先すべきです。
下請切りから
中小企業と雇用守る助成を
また中小企業が雇用を支える中心的役割を担っていること、そして大企業による発注切り、下請単価の買いたたきなど、下請切りが横行していることを考えれば、中小企業の雇用と経営を守るための助成制度の充実も求められます。
企業責任
OICTを利用して利益を上げている中心が大企業にあることは明らかです。
株式会社であるOICTが業務を拡大するために必要な費用は、企業の責任としてOICT自身が負担すべきです。
私は、市が今回のOICT拡大にたいして、これ以上税金を投入することのないよう、さらに指摘・提言を強めます。
※OICTの以前の社長は清水聖義太田市長でしたが、現在の社長は市長ではありません。
【※第3セクター】 地方自治体と民間企業が共同出資する株式会社、財団法人、社団法人などの総称。「3セク」とも呼ばれます。
第3セクター方式を活用した事業方式は、好景気や1987年のリゾート法制定などを機会に全国に拡大しましたが、コスト意識の希薄さや甘い事業見通しなどから多くが経営悪化に陥りました。
自治体がやるべき仕事/自治体がやるべきでない仕事/本ブログ/2009年03月13日
(OICTに関連する記事を掲載しています)
太田国際貨物ターミナル
「内陸の港」機能強化
北関東道近く工業団地3.7ヘクタール
コンテナ拠点計画
2010年5月22日付「上毛新聞」
第三セクターの太田国際貨物ターミナル(OICT、太田市清原町)=豆字典=が、同市緑町と強戸町に造成中の太田さくら工業団地に、新たな海上コンテナターミナルの建設を計画していることが21日、関係者の話で分かった。
敷地面積は現施設と同規模の約3・7ヘクタール。北関東道全線開通を視野に手狭な海上コンテナの保管場所を拡大し、輸出入貨物の取扱量増加に対応する。
飽和状態にある京浜地区の港を補完する狙いもあり、「内陸の港」としての機能を強化する。
海上コンテナは船会社が所有し、輸出入する貨物を運搬する際に使う。OICTは現在、敷地の半分(約1・8ヘクタール)で主に2社の海上コンテナを保管しているが、貨物の取扱量が増えて収容能力が限界を迎え、新たな船会社の受け入れが困難になっていた。
新ターミナルの建設については、昨年度から調査研究を進めてきた。総事業費は約12億円。このうち3分の1は国から補助金の交付を受ける予定になっている。
31日の取締役会で、新ターミナルの建設場所や総事業費などを正式に決議する見通し。2012年度に着工、海上コンテナの保管スペースや簡易的な事務所を整備する。13年度中の稼働を目指す。
同工業団地は昨年8月に太田市が造成に着手した。分譲面積は約29・2ヘクタール。北関東道太田桐生インターまで約4キロの立地にある。6月中旬に第1期分譲(約17・6ヘクタール)を募集する。
管理する市側は当初、誘致先の企業を製造業に限定していたが、より多くの業種を受け入れるため方針を変更。21日に開かれた市議会の委員会協議会で、区画や価格などを報告した。
OICTの輸出入貨物の取扱量は00年度(8714トン)から07年度(23万5847トン)まで右肩上がり。リーマンショック前後の08年度(18万9841トン)、09年度(14万3708トン)は減少したものの、企業の業績回復で最近は復調傾向にある。現在は東京港と横浜港から輸出入される貨物を扱っているが、北関東道の全線開通後は、常陸那珂港からの貨物量の増加も期待される。
◎豆字典
太田国際貨物ターミナル 太田市や太田商工会議所、輸出入関連企業が出資し、1999年に開設した。2002年に東京税関前橋出張所太田派出所が設けられて税関職員が常駐、関税の徴収や輸出入貨物の通関、密輸の取り締まりなどを行っている。集荷から通関、保管、輸送まで、輸出入のあらゆる業務を展開することから「内陸の港」とも呼ばれる。
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