上野ファームでノームを求ム

上川盆地の晩秋の景色に別れを告げ、滑る傾斜を下り、ノームの散歩道へ。
細めの白樺などがトンネル状に続く細道。枝には三角の飾りが掛けられている。
ただの道、ではあるが、秘密めいていて、何やら楽しい。

木立の向こうに敷地外の建物があり、赤い屋根と黄色い葉の巨木が見えた。
中札内で見た、自分の好きな画家の構図にも似ていて、気を取られる。
その隙に、足元にいたのが、ノーム。あ、どうも、と黙礼。

散歩道の先が、ノームの庭（写真）。池の中にとんがり屋根の小屋があり、
周りには草木が茂って、絵本の世界そのままといった風情。
真夜中にこっそり庭仕事を手伝うガーデンノームが住んでいる、そう。

庭のあちこちに置かれている、小人のことと思われる、ノーム。
きっちり形を整えた植込みの庭もいいが、こういう、自然風の造りのほうが好み。
頭の中を空想モードにしていれば、蜂の羽音も何かの話し声に聞こえてくる。