[カナダ・アルバータ大平原に創造する小さなエコキャビンProject。日本で頑張る若い頭脳を元気に!と、何もない大地から一歩づつ完成して行く過程を実況レポートします。]
Nomadになってやる!とやって来たカナダ移住6年目に出会ったEcoCabin。
Canadian Prairieに作ります。
Hi, I’m Machiko Osawa.
カナダ太平洋岸から車で5時間。
壮大で「あ〜〜〜」「お〜〜〜」と声が出る美しさのロッキー山脈を越え、突然真っ平らになる大地がアルバータ州。
州都のカルガリーから北東に45分。
そこの2.1エーカーが私達のFun Project、My EcoCabin Canada。
実はカルガリーは大嫌いな街。
オイルマネーに湧いた資源の会社が偉そうにデンと構え、昔ながらの白人優位を信じ切っている勘違い白人がたくさん住む所。
でも、ま、近づかなければいいだけで、街の東の外れにある空港から40分でMy EcoCabinに直行すればOK.
カルガリーに入るのは、日本総領事館に用がある時だけかな。
アルバータ州の広大さと見事な自然の中で暮らしたいというのが目的。
もちろん、田舎だから、妙なRedneck白人もいっぱいいるけど、さて、どう操縦しようかと作戦中。
土地探しから、購入契約、エコキャビン開発計画許可、土地所有権の完全移行は今月末、と、目まぐるしい3ヶ月を経て、今。
2.1エーカーのどこにキャビンを建てるかも決まり、Frostwallという仕様の基礎工事を待っています。
土地を掘り起こし、キャビンの基礎を作ります。
それと同時に、Septicタンクも地面深く埋め込みます。
大自然のど真ん中では、下水処理は自分たちの責任。
町の水道局など関与してくれません。
そのために必要なのがSeptic Tank.
日本にいる時には全く聞いたこともなかった言葉です。
そのSeptic tankを専門に設置する、とても素敵でやさしい人に出会いました。
My EcoCabinに1番近い小さな町(人口653人)に住み、小さく正直なビジネスを営むRoger.
6月終わりに、EcoCabinの土地に立ち、基礎工事からキャビン組み立てまでを仕切ってくれるやはり地元の顔であるMikeが連れて来たのがRoger.
長〜いあごひげがあり、薄茶色の髪の毛をきれいに整え、まるでTeenagerのようなTシャツと、ちょっとブカブカのショーツで現れたRoger.
このような仕事をする人だから。。。日本の顔など認識する気もない田舎のRedneckを想像していた私の顔を見るなり、ニコッと。
(会う前から、仕事の種類だけで人を決めつけてはいけませんね〜。)
丁寧な静かな英語で”Nice to meet you.”
Mikeはさすが長年建設会社を経営し、地元の顔だけあってなかなか押しが強いです。
油断すると完全にペースに巻き込まれそうなので、まずは観察。
パートナーのRobertは、アルバータ出身だけあって、MikeもRogerとも昔からの友達のようです。
アルバータの人と話すのが最高に上手です。
(バンクーバーの人は苦手だそうです。わがままで勝手だから、だそうです。)
Septic tank, Frost Wall, 生まれて始めて聞く言葉が飛び交う3人(Robert,Mike,Roger)についていけず、大人しく(私にはとても珍しい!)話を聞いている私の方を、Rogerはチラッチラッ見ながら気にかけてくれているのにホッコリしました。
「すみません、黙っていっぱい聞いて学ばせてもらってます。日本ではこんな広い場所に家を建てるなんてまずないので。隣の家と肩が触れ合うほどギュウギュウに住んでますからね、特に東京とかは、ははは。」と言い訳を。
そんな私の方を見て、ニッコリしてくれたのもRogerです。
(Robertはいつでも超やさしいので、ここでは特には描写しませんが、『大丈夫だよ』という笑顔がありました。)
Rogerは、土地をちょこっと堀り、Septic tank設置の段取りをしてくれることになりました。
帰り際、私に”Very nice meeting you.”とちょこっと腰をかがめ挨拶し、古そうな灰色のピックアップトラックで去って行きました。
やさしい声と表情が今でも目に浮かびます。
その時は、まさかもう2度とRogerに会うことはなくなるなど、考えもしていませんでした。
Roger is dying now.
8月になっても、Septic Tank設置についての報告が届かず、まぁアルバータTimeかなとしばらく我慢。
気になるのでRogerにメール。
返事なし。
電話することに。
Robertが話している電話から聞こえて来たRogerの声は最初に会った時と同じ、丁寧で気遣いがありやさしい声で。
「ごめんよ、メール読んだよ。もう仕事終わってるはずだったんだけど、肺炎になってしまって。病院に入ってたんだ。来週には仕事にかかるからね。ごめんよ。」と。
黙ってRobertと顔を見合わせました。
Mikeから聞いていたからです。
Rogerは肝臓癌を患っており、ずっと化学療法を続けていました。
化学療法の器具を装着し、普通に仕事をこなしていたそうです。
42歳、ワイフと子供3人と、小さな町で。
ただ、最近リンパへの転移が見つかったんだそうです。
そして、肺炎。
それから2週間。
Rogerからの返事は途絶えました。
そこにMikeからの連絡。
Roger is dying. He may live only for two weeks.
地元のみんながRogerの事を思い、息をひそめているんだそうです。
こんな悲しいストーリーに出会ってしまったEcoCabin計画、ちょっと遅れてしまいました。
Mikeが今、その後の計画を立ててくれています。
Rogerの事を気にかけながら。
“He is a good man, a good man.”
Roger.
こんな人こそ、長く長く生きてほしかったです。
残念で悔しいです。
(癌からの生還者である私には、特に悔しいです。)
My EcoCabin will remember Roger.
さぁ、次にEcoCabinに新しいことが起こるのは10月かな?
頑張る日本の生徒たち、カナダのEcoCabinにいらっしゃい!
いっぱい色んな話をしましょう!
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