雨が激しく降ると
私たちのなかで忘れていた感情が動き出します
怒りであったり
悲しみであったり
ときには憎しみであったり
みつめたくない感情を
手にのせて見るように
雨は激しい感情をあおります
何を怒ったのか
誰に傷つけられたか
憎しみをいだくほど激しい感情にゆさぶられたのはなぜか
自分自身から遠ざかることなく
あなた自身をしっかり見てください
雨は激しさを増し
あなたの感情も激しさを呼びさまされます
私たちは人として
感じるのです
それを消すことはできません
それを簡単にぬぐい去ることはできません
激しい雨の日には
雨に心を合わせるのです
雨音の刻むはげしい音に
鼓動をあわせると
忘れたはずの
記憶のかけら
とじたはずの心の傷が開き
傷みだします
それは恥ずかしい痛みでもなく
消し去らなくてはならない痛みでもありません
あなた自身
傷み
悩み
苦しみ
もだえ
涙にくれた
あなた自身の
みすぼらしい姿
しかしあなた自身として
あなたの心の一部分なのです
雨にすべてを見せていくのです
私にすべてを見せていくのです
閉ざさずに
あなた自身から遠ざからずに
そこに
激しい雨のただなかに
立ち尽くす
その時が必要です
あなたを愛します
Magdalene Maria